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歩くんですの箱 SS置き場

躍動感を表現するにはどうすればいいんだろう……と日々考え中。

忍「アリスが二人になりました!?」Part09

「歩くんですの箱」へお越し下さり、ありがとうございます。

現在、このブログではきんいろモザイクを題材としたSS『忍「アリスが二人になりました!?」』を公開中です。
文章量が多めなので、13回に分けてお送りしているこちらのSSですが、今回の更新でもう10回目、いよいよ終盤に近付いてまいりました。

さて、ここで今までのあらすじを振り返っておくことにします。

ある日、忍はアリスとのエッチな夢を見る。ところが、それはただの夢ではなく、目が覚めると、忍のベッドには夢の中で見たままのあられのない姿のアリスが寝ていた。一方、部屋の外からはもう一人のアリスが入ってきて忍を起こしに来る。後に忍は、二人のアリスを区別するために夢で見た方のアリスにアリアという名前を付けた。

アリアはどうやら忍以外の誰にも見えていないらしい。そんなアリアを、忍は普段アリスに感じているあらゆる欲望のはけ口として利用するようになってしまう。しかし、そのせいで忍がアリスと過ごす時間は減っていった。

傍ら、カレンはみんなで句を作り、納涼俳句大会に応募しようと言い出した。その過程で、忍はその大会にまつわる勇の思い出話を聞き、アリアがいなくなってしまうのではないかと怯えるようになる。それを防ぐために忍は陽子達との接点を絶って一人になることを決意したが、その決意もむなしくアリアは消えてしまった。

一方、アリスは忍が自分の相手をしてくれなくなったことで、忍に嫌われてしまったのではないかと勘違いしてふさぎ込み、最後にはイギリスに帰国することを決意して、忍達が学校に行っている間に置手紙を残して旅立っていった。事態にいち早く気付いたカレンは、アリスを引き止めに行く。

以上がPart08までのあらすじになります。
では、以下よりPart09の始まりです。
このSSは、18歳未満の方には不適切な表現を含みます。
お読みになる際は、自己責任でお願いいたします。

Part09 (Part08の続きです)
綾「シノ、こどもみたいに泣いちゃて……」

陽子「しばらくそっとしておこう」

綾「その方が良さそうね」

……

♪チョーテンマデアトーヒトイキ アガリーチオーライッ~

綾「電話?」

陽子「私の携帯だ」

陽子「もしもし」

カレン『大変デース!アリスがっ』

陽子「カレン!?どうしたの」

カレン『アリスが、イギリスに帰国すると言い出したデース』

陽子「えっ、どういうこと?」

カレン『本気みたいデスヨ。もう部屋は引き払ってマス』

陽子「それで、カレンは今どこ?」

カレン『アリスの乗る飛行機が分かったので、空港までタクシーで向かってるデス』

陽子(どうやって分かったのかは聞かないでおこう……)

カレン『ワタシが足止めしておくので、みなさんもすぐ来てほしいデース』

陽子「電話は?」

カレン『機内にいるからか、電源切ってて繋がらないデース』

カレン『なるべく急ぐデース。飛行機の離陸を遅らせるにも限界があるデース』

陽子(離陸遅らせるって……管制塔に圧力でも掛けてんのかな。財閥恐るべし)

陽子「それで、どこに行けばいいんだ?」

カレン『成田空港の第2ターミナルの3階ロビーに来て欲しいデース』

陽子「分かった」

……

陽子「ということで綾、シノを連れて空港行こう」

綾「えっ、どういうことよ」

陽子「アリスが帰国しようとしてるらしい。詳しい説明は後だっ」

綾「わっ、分かったわ。すぐに行きましょう」

陽子「ってわけでシノ、あんまり泣いてる暇はないみたいだ」

忍「えっ?」

綾「アリスのところに急行よっ」

忍「……ど、どういうことですか?」

陽子「アリスが帰国しようとしてる。もう空港にいるみたいだ」

忍「そんな……っ」

綾「というわけだから、急ぐわよっ」

 ***

陽子「タクシー代は……。ああもう、手持ちがない」

綾「わたしもちょっと足りそうにないわ」

忍「ごめんなさい、わたしもあまり持ってないです」

陽子「電車ならギリギリ足りるかな」

綾「そうね、駅まで急ぎましょう」

俺「その必要はないよ」

陽子「誰だ貴様!?」

俺「九条カレンの関係者、とだけいっておこう」

綾「怪しいわね……」

俺「要は、九条クラスの富豪となるとメタ認知的存在すらも動かせるようになるってわけさ」

陽子「言ってる意味は分かんないけど、とにかく信用していいんだな?」

綾「ちょっと陽子!?」

陽子「今はあれこれ考えてる暇なんかない。例え怪しい奴でも、頼れるなら頼るべき場面だ」

俺「ずいぶんな言われ様だな。ふっ、まあいい。早くこの車に乗るんだ。急いでるんだろう?」

忍「はい!すぐに空港に行かないと」

俺「よし、任せろ!」

 ***

カレン「やっと着いたデース」

カレン「とりあえずアリスのところまで行かないとデース!」

……

係員「お客様、ご搭乗の際には手荷物検査を受けていただかないと」

カレン「こういう者デース。先に許可は出てるデスから、すぐに通すデース!」

係員「はっ、申し訳ございませんでした。そのままお通り下さいっ」

……

カレン「はぁ……っ、はぁ……っ」

カレン「これだけ走りっぱなしだと……息切れしてくるデスネ……」

カレン「アリスの乗る飛行機は……これデース」

 ***

アリス(まだ出発しないのかな。もう1時間も遅れてるのに……)

客1「おいどうなってんだ!」

客2「こちとら仕事で急いでんだよ。さっさと飛べやクズ」

客4「ポテチうめぇwww」

アリス「……」

機長『離陸が遅れてご迷惑をお掛けしております。出発までもうしばらくお待ちください』

アリス(機内アナウンスも、さっきからずっと同じことしか言ってない)

アリス(せめて、遅れてる理由くらい言ってくれれば他のお客さんもこんなにイラつかないのに……)

カレン「アリス!」

アリス「えっ!?カレン……どうしてここに?」

カレン「それはコッチのセリフデース」

カレン「いきなり帰国ってどういうことデス?」

アリス「ごめんね、家庭の都合で急に帰らなくちゃならなくなって」

カレン「アリスの両親に連絡したデスが、帰国の話は聞いてないそうデース」

アリス「それは……」

カレン「……シノと関係あるデスカ?」

アリス「っ……」

カレン「図星みたいデスネ……」

カレン「シノに嫌われてると思ってるんだとしたら、誤解デース」

アリス「……どうして、わたしがそう思ってるって分かったの?」

カレン「手紙見まシタ。アレ、シノに宛てた手紙デース。そして、その横にかんざしが置いてあったデス」

カレン「それで、シノとナニかあったって確信しまシタ」

カレン「あとは勘みたいなものデス」

カレン「確かに、シノのことが嫌になって日本を離れようとした可能性もありマス」

カレン「デモあの手紙を読んだら、ソレは絶対ナイって分かったデス」

カレン「だって、アリスがシノのこと大好きだって気持ちが伝わってきたデース」

アリス「そっ、そんなに分かりやすかったかな!?」

カレン「ハイ!あとは、そーデスネー」

カレン「シノからもらった思い出の品を置いて行ったのは、もうシノのことを思い出したくないか、もしくはその資格がないと考えているかのどっちかだと思いマシタ」

カレン「デスが、手紙の内容からして正解はズバリッ、後者だと思うデス」

カレン「アリスがシノに嫌われてると考えたとすれば、ぜんぶ筋が通るデース」

カレン「帰国しようと考えた理由はズバリ、嫌われている自分のせいでシノに嫌な思いをさせたくないからじゃないデスカ?」

アリス「……すごい。まるでわたしの心を覗いたみたいにぴったりだよ」

カレン「親友の考えてるコトくらい、お見通しデース」

アリス「うん、ホントだよ。ちょっと気持ち悪いくらい」

カレン「ヒドイデス!?」

アリス「えへへっ」

アリス「ねぇカレン、わたしはイギリスに帰っちゃうけど、わたし達、ずっと友達だよね?」

カレン「ナニ言ってるデス?」

アリス「えっ……」

カレン「アリスは日本に残るデス」

アリス「ああ、そういうこと……」

アリス「でも、それは出来ないよ。だって日本にいたら、シノに迷惑かけちゃうし」

アリス「それに……」

機長『大変長らくお待たせいたしました』

機長『当機は、間もなく離陸いたします』

カレン「いよいよ潮時デスカ……」

機長『サイン点灯中はベルトを外さないようお願いします』

カレン「行きましょうアリス、早くデス!」

アリス「えっ、ちょっと、カレン!?」

カレン「早く降りないと、離陸してしまうデス」

アリス「わたしは降りないよ!?」

カレン「いや、降りるデス!」

アリス「もう決めたから。イギリスに帰るって」

カレン「アリス……、聞き分けて下さいデス!」

機長『本日は、出発が大幅に遅れまして、大変ご迷惑をお掛け致しました』

カレン「ああ……」

カレン(アリスがシートベルトを付けているので、強引に連行することも出来ないデス)

カレン(エンジンが唸りを上げ始めマシタ)

カレン(折角ココまで来たのに……ここまでなのデスカ?)

カレン(そんなの、悲しすぎデス)

『でも、わたしはシノにも幸せになってほしいです』

カレン(違うデス、違うデスよ……)

カレン(こんなんじゃ、誰も幸せになんかならないデス)

カレン(……デモ、もうナニもかも手遅れだったデス)

カレン(結局ワタシがしたことは、アリスに中途半端な未練を与えただけで……)

カレン(ナニも、変えることなんてできなかったデス……)

カレン(こんなコトなら、いっそ……)

カレン(ナニもしないほうが、良かったのではないデスカ……)

カレン「ゴメンナサイ、アリス」

カレン「ゴメンナサイ、みんな」

カレン「ゴメンナサイ……」

カレン「……」

ドゴオオオーーーーーーーーーーーン!!!

カレン「ひゃあ!?」

アリス「きゃっ!?な、何の音?」

カレン「爆発……デス?」

客1「おい、今の何だよ!」

客2「ひっ、テ、テロか?冗談じゃない……ぞ」ガタガタガタ

客4「ポップコーンうめぇwww」

……

客3「……あれ?ボクの出番は?」

Part10へ続く

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