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歩くんですの箱 SS置き場

躍動感を表現するにはどうすればいいんだろう……と日々考え中。

忍「アリスが二人になりました!?」エピローグ

このSSは、18歳未満の方には不適切な表現を含みます。
お読みになる際は、自己責任でお願いいたします。

エピローグ(Part11の続きです)
忍(夢を見ているとき、自分は今夢を見ているなぁ……って自覚してるようなことありませんか?)

忍(今のわたしがちょうどその状態です。わたしは今、夢を見ています)

??「この町に広まる、幽霊の噂」

忍(夢の中で、誰かが語りかける声が聞こえます)

??「死者の霊が、強く願った人のところに現れるという噂」

忍「……誰ですか?」

??「でも、わたしを願ってくれる人は誰もいなかった」

忍「わたしの声、聞こえますか?」

??「なぜなら、わたしは生まれる前に、お母さんのおなかの中で死んでしまったから」

忍「……」

??「まだ発生の初期段階だったから、お医者さんも認知できなかったと思う」

忍「……わたしの声は届かないんでしょうか」

忍「ねえ、わたしの声が聞こえたら、答えてください」

忍「……」

??「それでも、わたしの霊はすでにそこに宿った」

??「一度、この世界に生まれてみたかった」

忍「……聞こえていないみたいです」

忍「わたしの声が小さすぎるんでしょうか……」

??「だけど、誰かが願ってくれなければそれは叶わない」

??「だったら、わたしが誰かに願われる存在になればいい」

??「だから、わたしはお姉ちゃんのふりをすることにした」

??「お姉ちゃんのふりをして、お姉ちゃんの霊として世界に生まれることにした」

??「赤の他人は無理でも、血の繋がった姉妹のふりならできる」

忍(声は、すごく遠くから聞こえます)

忍(すごく遠いのに、なぜか頭の中に直接響いてくるようにはっきり聞こえます)

??「でも、お姉ちゃんは生きている」

??「普通、生きている人の霊が現れることはない」

??「だって、生きている人はわざわざ願われたりしないから」

忍(聞こえてくる声が誰のものなのかは分かりません)

忍(でも、きっとわたしの知っている人の声です)

忍(だって、その声を聞いていると……)

忍(なんだか懐かしくて、あったかい心地がします)

??「でも、生きているお姉ちゃんをなお願い続けている人がいた」

??「だから、わたしは彼女のところに現れることにした」

??「彼女は、わたしに名前をくれた」

忍(ああそうか、この声は……)

??「とっても嬉しかった」

??「名前があれば、こんなわたしでも世界の一員として受け入れられると思ったから」

忍「ごめんなさい。あなたのことをもっとよく分かっていたら、あなたは消えなくて済んだのに」

??「でも、彼女が願ったのはわたしじゃなかった」

忍「ごめんなさい、ごめんなさい……」

??「似ているだけの、ただの偽物でしかにわたしに、それでも彼女はとっても優しくしてくれた」

忍「そんなことありませんっ」

??「すべてを犠牲にして、わたしを守ろうとしてくれた」

忍「違います!ただわたしは……っ」

??「短い間だったけど、この世界に生まれることが出来て」

??「あなたに出会えて、良かった」

忍「そんなっ、わたしは感謝されることなんてなにも……っ」」

忍「……」

忍(……もう声はとっても遠くて、ほとんど聞こえません)

忍(ただ、最後に、ふわりと風に舞うように)

忍(彼女の声が聞こえた気がしました)

??「――ありがとう、シノ」

 ***

アリス「起きて、シノ!」

忍「むにゃあ……。もう食べられないです……」

アリス「そんなテンプレな寝言言ってる場合じゃないよ!?」

忍「……!朝ですか!?」

アリス「もう10時だよ!?」

忍「なんだ、まだ昼前じゃないですか……」

忍「では、もう少しだけ寝ましょう」

アリス「ええ!?ひどいよシノ!わたしとの約束忘れたの?」

忍「ん?約束……?」

忍「あっ、そうでした!今日は朝からアリスとデートでしたね」

アリス「忘れてたなんて、ひどい!」

忍「ごめんなさい、ちょっと寝ぼけてて……」

アリス「うううううううっ」

アリス「もう怒ったよわたし!」

忍「アリス!?」

アリス「いくらシノのかわいい寝顔が見られたとはいえ、そんなことでシノのこと許したりしないんだから!」

忍「えっ、あ……、えっと、アリス?」

アリス「シノは寝坊した罰に、今日は夜までずっとわたしと手を繋ぎ続けること!」

忍「いいですよ」

アリス「ホントに?ずっとだよ。もう今日のうちはシノの自由は片時も許されないんだよ?」

忍「そうなんですか?すっごく素敵です!」

アリス「ええ!?」

忍「だって、ずっとアリスと一緒なんて、夢みたいです」

アリス「そ、そんなこと言われたら恥ずかしいよ///」

忍「赤くなってるアリス、とってもかわいいです!」

アリス「ううう~~~~っ///」

忍「あはははっ」

アリス「えへへ///」

……

忍(今日は、アリスとの初めてのデートの日です)

忍(アリスと恋人になる日が来るなんて、思ってもみませんでした)

忍(だって、女の子同士なんて、おかしいから)

忍(絶対に遂げられないと分かってて、それでもわたしの想いが消えることはなくて……)

忍(でも、わたしは現実をなにもかも受け入れられるほど強くありませんでした)

忍(だから、アリアが現れたとき、わたしはアリアをアリスの代わりにして)

忍(恋人ごっこをしました)

忍(でも、そんなことをしてしまったのは)

忍(ホンモノじゃないから、傷つけてもいいって思いが、きっとどこかにあったからです)

忍(わたしは未熟で、弱くて、最低です)

忍(でもそれで、得たものもありました)

忍(これからは、わたしの隣にはホンモノのアリスがいる)

忍(だから、もう二度と間違えない)

忍(かけがえのないアリスと、真正面から向き合っていく)

忍(そうやって、一日一日、アリスとともに幸せを積み重ねていくのでしょう)

忍(……二人で、こうしていつも手を繋いで。)

終 わ り

というわけで、全13回にわたったこのSSも最終回を迎えました。
しょっぱなから規制されたりなんだりでいろいろありましたが(笑)、なんとかここまでこぎつけることが出来ました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

プロローグから比べるとずいぶんこじんまりとした終わりになりました。最後にもう1つくらいHシーンを入れても良かった、というよりはそうすべきだったのかも知れませんが、いかんせん書くの疲れるんですよああいうシーンって((おい

なお、今回のSSは私がこれまで書いたSSの中ではもっともテキスト量が多くなっています(ぜんぶ合わせてだいたい80KB程度)。18禁描写が意外にテキスト量を食うんですよね(笑)
今回は、地の文を一切入れないで書くという試みに挑戦してみました。画面上では、セリフや、せいぜい短いモノローグだけの方が読みやすいかと思ったからです。しかし、表現手段が限定される分状況を明確に描きづらくて苦労したりもしました。ああ、ちゃんと文章が書けるようになりたい……。

では、また次のSSでお会いしましょう!(といっても、まだ新作の案すら全く出来ていない状況ですがw)
改めて、こんな見苦しい文章につきあっていただき、本当にありがとうございました!

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