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歩くんですの箱 SS置き場

躍動感を表現するにはどうすればいいんだろう……と日々考え中。

メグ「ご注文は罰ゲームですか?」

あけましておめでとうございます(2か月以上遅れ)
年末にごちうさのメンバーによるボウリング大会という題材でSSを書かせていただきましたが、今更のように続編エピソードを書きました。
思ったより書くのに手間取ってしまいました……(というより大半書くのをサボっていたような……)
なんというか、息がつくように文章を生み出す才能が欲しい(切実)

メグ「ご注文は罰ゲームですか?」(ごちうさ終末ボウリング大会!の後日談)

シャロ「いよいよ年も明けたわね」

リゼ「いやいや今更だろ。もう年明けから2か月以上過ぎたんだぞ」

マヤ「まあその分、罰ゲームをどうするのかじっくり考える時間はあったけど」ニヤリ

ココア「ちょ、やめてよ」ガタガタ

チノ「ココアさんが狼を前にした子犬のように震えています」

ココア「いや、さ……ずいぶん前の話だし、時効じゃない?」

シャロ「時効?私が持ってる国語辞典にはそんな言葉は載ってないわね」ニヤリ

ココア「載ってるから!ちゃんと調べて!!」

千夜「とはいえ、年末のボウリング大会からずいぶん時間が経ってしまったし、正直どういう経緯で罰ゲームをやることになったのかあんまり覚えてないのよね」

ココア「でしょ!?やっぱそうだよねー。ほら、千夜ちゃんもこう言ってるし……」

千夜「だから、一度その時のことを振り返っておく必要があると思うわ」

ココア「なんで!?いいじゃん!過去は過去、そんなものにとらわれないで、前だけを向いて進んでいかないと!それが未来ある若者としての正しい姿だよ!」

チノ「ココアさん、必死すぎます」

リゼ「いさぎよく諦めろ」

ココア「うわーん!!もう、メグちゃんからも何か言ってよ」

メグ「わたし?正直、どんな罰ゲームなのかちょっと楽しみかな~?」

ココア「えっ、ドM!?」ガーン

リゼ「で、整理すると。年末に私たち7人でボウリング大会をやった。3チームに分かれて対戦形式でスコアを競ったんだ」

マヤ「負けたチームは罰ゲームとして、勝ったチームの人が言うことを1つ聞くってルールでね」

チノ「その時のチーム分けは、1つ目がリゼさん、千夜さん、私。2つ目がシャロさん、マヤさん。3つ目がココアさん、メグさん。でした」

シャロ「そして、私たちのチームが勝ち、ココア達のチームが負けた。すなわち、私とマヤちゃんはココアとメグちゃんに何か一つ命令が出来るってことね」

千夜「とても分かりやすい説明だったわ」

ココア「分かりやすすぎて絶望しかない!?」ガーン

メグ「だいじょうぶ。私たちならきっと乗り越えられるよ~」

ココア「メグちゃんはなんでそんなに余裕そうなの!?」

 ***

マヤ「さて、私たちがココアとメグにやってもらう罰ゲーム、それはー?」

メグ「どんなのになるのかなぁ~?」

ココア「お、お手柔らかに……」

マヤ「では、シャロの方から発表をよろしくお願いします!」

シャロ「分かったわ。ズバリ、私たちがココアとメグちゃんにやってもらいたいのは……寸劇よ!」

ココア「寸劇?」

リゼ「おお、なかなか面白そうじゃないか」

チノ「ですが、どんなお話なんでしょう?」

マヤ「それなんだけど、実は私とシャロの二人で考えに考えて書きました!」

千夜「オリジナルのお話なの?なおさら楽しみね」

シャロ「一生懸命考えたのよ。笑いあり涙ありの欲望……コホン、夢が詰まった良いお話になったと思うわ」

ココア「欲望とか聞こえたんですけど……」

シャロ「気のせいよ」

マヤ「これが台本。これ書くのけっこう大変だったんだから」

チノ「マヤさんとシャロさんが考えた台本……想像がつきません」

リゼ「二人の好みってだいぶ違いそうだしなー」

シャロ「じゃあ、早速読んでもらおうかしら」

メグ「ドキドキ」

ココア「う~、開くのが恐いよぉ……」

 ***

メグ「私はメグ、くるっとカールしたツインテールが可愛い中学2年生♪」

リゼ「おお……なんか始まった」

メグ「でも、実はただの中学生じゃないの~。きらーん☆魔法のステッキで、町の平和を守る!私の魔法にかかったら、悪い人もたちまち浄化されちゃうよ!」

メグ「さて、今日もたくさん浄化して、町の平和を守っちゃおう!」

メグ「あ、あっちでなにか事件みたい。これは早速おしごとかな?」

強盗(ココア)「このウサギがどうなっても良いのかー!」(指を拳銃の形にしてティッピーの頭に突き付けながら)

ティッピー「ぎゃああああああ」

店員(ココア)「きゃあ、誰か助けてー!……って、これも私の役なの!?」

シャロ「人数が少ないんだから、一人二役もやむを得ないわ」

ココア「そ、そっか……」

強盗(ココア)「さわぐなら今すぐこのウサギをころしてやるー」

店員(ココア)「ひーっ」ガタガタ

ティッピー「やめてくれぃ!話せば分かる!」

強盗(ココア)「問答無用!――うわーん、店員と強盗を一人でやるのなんかバカみたいだよー(泣)」

千夜「あれー?チノちゃんの位置からは台本が見えてないのに、どうやってティッピーのセリフをしゃべってるのかしら?」

チノ「あっ、えーっと……」

チノ(まずいです。ティッピーがしゃべるのは私の腹話術ということになっていたんでした。どう誤魔化せば……)

千夜「細かいことを気にしちゃダメね」

チノ「ほっ」

メグ「たのもー!」

強盗(ココア)「何事!?」

メグ「今すぐそのウサギを開放しなさい!」

強盗(ココア)「いきなり入ってきてなんと不躾な!私の邪魔をするなら、あんたもただじゃ済まないぞ!」スチャ(拳銃を向ける)

メグ「その銃をすぐに下ろしなさい!今のうちなら許してあげるわ」

強盗(ココア)「貴様、自分の立場が分かってるのか?今私に歯向かえば、いつでも銃弾が貴様の額を貫くんだぞ」

メグ「あなたこそ、そうしていられるのも今のうちよ。私は、町の平和を守るために戦う中学生!きらーん☆魔法のステッキで、悪い人の心をたちまち浄化しちゃう!」

強盗(ココア)「ぎ、ぎげん?……を?」

シャロ「戯言(ざれごと)よ」

強盗(ココア)「……ざれごとを!……うぅ、恥ずかしいよぉ///」

メグ「遠き光の精霊たちよ。この星のステッキに力を与えたまえ!」

強盗(ココア)「なっ、この光は……」

店員(ココア)「すごい、なにが起きてるの!?」

強盗(ココア)「くっ、なんてまばゆい光なんだ……」

メグ「幾星霜の時を経て、遥か遠くの星々から集めた光。そんな宇宙の神秘が、あなたの心をきれいにするの!」

チノ「急に壮大な話になりましたね……」

千夜「ステッキは、星々の光を投影するツールだったのね。高エネルギーの電磁波を集めて照射する……そこに精霊の力が加わることで、暗く濁ったものを浄化出来るようになるんだわ」

マヤ「いやいやそこまで考えてないから」

メグ「シューティング、スター!きらりーん☆」

強盗(ココア)「はっ、私は何を!?」

メグ「よし!浄化完了♪」

強盗(ココア)「なんだこの拳銃は……私はなぜこんなにも恐ろしいことを……、ごめんなさいっ!」ドゲザッ

店員(ココア)「も、もう私を脅したりはしないのですね?」

強盗(ココア)「するわけないよ!さっきまでの私がどうかしてた」

強盗(ココア)「あなたが私を正しい道へと導いてくれたんだね」

メグ「ええ。きらーん☆魔法のステッキで、あなたの心を浄化しました!」

強盗(ココア)「ありがとう。あなたは私の恩人だよ~!」

メグ「えへへ、それほどでも♪」

---

メグ「さて、今日もまた一人、悪い人を浄化しちゃったなー」

メグ「このステッキを手にするまで、何のとりえもなかった私だけど、そんな私でもこうやって町の平和のために活躍できるんだ!ありがとう、きらーん☆魔法のステッキさん♪」

---

メグ「そして数日が経ったある日。いつものように町の平和を守るため、木組みの町を歩いていたら」

車(ココア)「ブーン、ブーン」

リゼ「人外の役もあるのかよっ!」

メグ「きゃあ!?」

車(ココア)「ブーン!!」(メグの方に向かって突っ込んでいく車)

元強盗(ココア)「危ない!」(飛び込んでメグをかばう)

元強盗(ココア)「大丈夫!?ケガしてない?」

シャロ「ココア、もう少しメグに近づいて。もっとこう、メグを押し倒してる感じに!」

千夜「おお、シャロちゃんの熱いディレクションが入ったわ!」

ココア「えっ?えっと、こ、これでいいかな///」

シャロ「あともう一押し!メグちゃんを羽交い絞めにする勢いで!」

ココア「あう、恥ずかしいよぉ」

シャロ「良いわ、良いわね!!」

リゼ「大丈夫なのか?これ……」

メグ「すごい、ココアちゃんの顔が目の前に……じゃなくて、私、助かった……?どこも痛くない……」

元強盗(ココア)「良かったぁ。危ないところだったよ」

メグ「私をかばってくれたんですか?」

元強盗(ココア)「考えるより先に体が動いちゃったんだ。あなたの姿を見つけて、すぐ後に車が突っ込んでくるのが分かったから」

シャロ「ちなみに車は何事も無かったかのように走り去って行ったわ」

チノ「轢き逃げ未遂!?」

メグ「あなた、もしかしてこの間の……」

元強盗(ココア)「そう、あのときの強盗だよ。あなたのおかげで私は正しく生きる心を取り戻すことが出来たからね。そんな恩人であるあなたが死んじゃうなんて絶対嫌だったんだ」

メグ「そ、そんな……キュン///」

リゼ「あれ、流れが変わったぞ?」

千夜「こういうの何て言ったかしら~?」

チノ「吊り橋効果じゃないでしょうか」

メグ「あなたのお名前はなんですか?」

元強盗(ココア)「私?私の名前はココア」

メグ「ココアさん……ほっとするようなお名前で、なんだかいいですね。私はメグっていいます」

ココア「メグさん……へぇ、可愛い名前だね。私こういう名前好きだよ」

メグ「そんな、可愛いだなんて……嬉しいです///」

---

ココア「メグちゃんによって心を浄化された私の生活は、これまでと180度変わった」

ココア「他人から奪ったお金で生活をする。そんな、他人の不幸を糧するような最低な生き方はやめにして、私はラビットハウスという喫茶店に雇われた」

ココア「お店に住まわせてもらう代わりに、お仕事をするっていうお約束。こんなにまともな生き方、ちょっと前の私じゃ考えられなかったよ。でも、そんな生活を初めてはや半年」

---

ココア「あれ、ちょっと待って!?次のセリフ……」

シャロ「罰ゲームなんだから出てくる役は全部二人のどちらかに割り振ってあるわ。そこはココアのセリフよ」

ココア「私ばっかり役多すぎない!?」

マヤ「メグはメインヒロインだからね。主役をやる人はその役に徹してもらわないと!」

ココア「それじゃほとんど私の一人芝居だよっ!」

メグ「ココアちゃん、がんばって~」

ココア「うん。でもチノちゃんの役なんて上手くできるかな……」

♪カランカラン

チノ(ココア)「お客さんが来たみたいですね。ココアさん、接客お願いします」

チノ「私そんなに不愛想でしょうか」

ココア「いらっしゃいませ」

メグ「えへへ、今日も来ちゃいましたー♪」

ココア「毎日来てくれてありがと♪じゃあ席までご案内するね」

メグ「お願いしますね」

ココア「ご注文は何にいたしますか?」

メグ「私にはココアさんがいてくれたらそれで十分です」

ココア「えへへ、ありがと///」

メグ「とはいえ、ココアさんこのお店に住まわせてもらってるんですものね。ココアさんのために、お店にも少しは貢献しないとですし……じゃあホットココア一つ、お願いします」

ココア「分かった。ちょっと待っててね~」

チノ(ココア)「ココアさん、お客様に向かってタメ口とはどういうことですか?接客態度に気をつけてください」

ココア「えー、でも常連のお客さんだし、仲良しだよー」

チノ(ココア)「それとこれとは話が違います。仕事は仕事ですから、キッチリ分けて考えてください」

ココア「えー、良いじゃーん。仲良しなのに変に距離感開けたら逆に変だよ」

チノ(ココア)「そういう問題ではないんですが……」

ココア「お待たせー、ご注文のホットココアだよー」

メグ「わー、ありがとうございます♪じゃあココアさんも隣に座ってください」

ココア「ありがとー!でも今は仕事中だから……」

メグ「ダメ、ですか?」ウワメヅカイ

ココア「うっ、しょ、しょうがないなぁ。じゃあ失礼するね」

メグ「わーい、ありがとうございますっ。あっ、ココアも冷めないうちに飲まないとね。あちっ」

ココア「大丈夫?お姉ちゃんがフーフーしてあげるね」

メグ「良いんですか?お願いしまーす!えへへっ」

シャロ「あ、ここ追加のディレクションだけど、メグちゃんはさりげなくココアに足を絡ませてみてくれる?」

リゼ「ちょっ、さすがに過激すぎじゃないか!?」

千夜「良いアイデアねシャロちゃん!ここまで育てて来た甲斐があったわ」ホッコリ

ココア「あははっ、く、くすぐったいよメグちゃん」

メグ「えへへ、なんのことー?」

シャロ「そうそう、その感じよ!良いわ、足と足が絡み合うこの感じ……これぞ私がこのシーンでやりたかったことよ!」

チノ「なんだか……見てるだけでドキドキします//」

千夜「やっぱりシャロちゃんには脚本家としての才能があるわ!」

ココア「ふー、ふー……。これでちょうどいい温度になったかな、はい」

メグ「……?どうしたんですか?」

ココア「ちょうどいい温度になったよ。これで安心して飲めるからね、どうぞ」

メグ「そうじゃなくって、飲ませてくれるんじゃないんですか?」

ココア「飲ませる……それってどういう?」

メグ「いやだー、恥ずかしいですよぉ。私の口から言わせるんですか?///」

ココア「ちょーっと意地悪しちゃった。ごめんね。……ってウソ!?なにこれどういうこと!?」

マヤ「どうって、台本に書いてある通りじゃん。ほらほら、早く読んでみてよ」ニヤニヤ

チノ「そんなに恥ずかしいことが書いてあるんですか!?」

リゼ「シャロマヤ、恐るべし……」

ココア「そ、その、あぅ……く、口移し、してあげるね?///」

チノ「口移し……」ゴクリ

リゼ「おお、本当に過激なやつで来たな」ドギマギ

千夜「ナイス脚本!」グッ

メグ「よろしくお願いしますね♪」

チノ(ココア)「そこまでです」キリッ

チノ(ココア)「申し訳ありませんが、そういう注文には対応いたしかねます。ココアさんも、仕事中なんですからお客様と一緒に座ってないで働いてください」

メグ「待ってください。私からここに座るようお願いしたんです。隣に座って接客するのもお店の人のお仕事ですよ」

チノ(ココア)「そういうわけにはいきません。私どもの仕事はあくまでお飲物やお食事を提供することから。というわけでココアさん、私と一緒に来てください」

メグ「ココアさんは渡しません!」バッ

チノ(ココア)「なんですと!?ココアさんはラビットハウスの従業員です。手出しはさせません!」

バチバチ バチバチ

リゼ「おお、まさかの修羅場か!?」

チノ「ココアさんが私の役になってココアさんを取り合ってるのでものすごくシュールな絵面になってますが……」

千夜「……ところで、口移しのシーンはまだかしら?」

---

チノ(ココア)「もう何度も言いましたよね、お客さんの隣に座ってはいけないと」ゴゴゴ

ココア「で、でも頼まれたら断れなくて……」

チノ(ココア)「いい加減にしてください!」

ココア「ひっ」

チノ(ココア)「次やったらクビにしますから」

ココア「わ、分かりました。もう二度としません」シュン

チノ(ココア)「……ごめんなさい、少し言い過ぎました。でも、私はココアさんのためを思って言っているつもりです。今日だって、もう少しで口移しをさせられるところだったんですから。今度からは気をつけてくださいね」

ココア「はい……」

マヤ「いやー、安定の一人芝居パートだねー」

ココア「言わないで!心折れるから(泣)」

---

♪カランカラン

ココア「いらっしゃいませ」ペコリ

メグ「今日も来ちゃいました~♪」

ココア「お席、ご案内しますね」

---

ココア「ご注文のホットココアです」スッ

メグ「待ってください。もう言わなくても分かってると思ってたんですけど……」

ココア「ごめんね。だけど、お仕事中にお客さんのお隣に座るのはだめなの」

メグ「いいじゃないですかー。それも接客の一つですよ」

ココア「ここはそういうお店じゃないから」

メグ「ダメですか……?」ウワメヅカイ

ココア「うっ……」

ココア「この視線を受けると辛いけど……でも、ここでメグちゃんの隣に座っちゃったらまたチノちゃんに怒られるよね。今度こそクビになるかも……」

ココア「メグちゃん、ごめんなさい!」タッタッタッ

メグ「あっ、待って……」

メグ「……どうして」

メグ「いつもはなんだかんだ言っても一緒にいてくれたのに」

メグ「私が頼めばホットココアをフーフーしてくれたし、寒い日に手が冷たいって言ったら私の手を包んで温めてくれたし」

メグ「……まだ口移しをしてもらったことはないけど」

メグ「なのに、なのに……、もしかして私のことが嫌いになったの……?」

メグ「それとも……」

メグ「そういえば、あのチノとかいう店員、私と一緒にいるココアさんをしつこく責め立ててたよね」

メグ「そうか、あの女が……」

メグ「あの女がココアさんを変えてしまったんだ!……許せない、絶対に許さない!」ギリリ

千夜「ヤンデレメグちゃん……これはありね」

リゼ「……ここまで踏み込んだ脚本にしてくるとは恐れ入った」

チノ「シャロさん、マヤさんのお二人が心の中にこんな引き出しを持っていたなんて……」

リゼ「メグの演技がまたすごく熱がこもってるんだよな」

メグ「あの女がぜんぶ悪いんだ。ココアさんを拐かした悪女……」

メグ「だけど大丈夫ですよココアさん。そんな悪女の手から、ココアさんをすぐに救ってあげますからね」ニコッ

メグ「――私にはその力があるんですから」

リゼ「なんだ、いま背筋がゾクッとしたぞ……」

チノ「メグさん、すごい演技力です」

---

メグ「翌日、私は行動を起こすことにしました。町の正義は私が守ります!それは、相手が身近な人でも、見ず知らずの人でも一緒です」

♪カランカラン

ココア「いらっしゃいませ~」ペコリ

メグ「ココアさん。もうこんなお店で働くのも、ここに住まわせてもらうのも止めにしましょう?それより、私と一緒に来てください♪」グイッ

ココア「ちょっと、メグちゃんいきなりどうしたの!?」

メグ「ココアさんは私の力で更生しました。そんなココアさんには、私以外誰も必要ないんです」

ココア「……何を言ってるの?」

メグ「安心して下さい。これからは私が全部、ぜーんぶココアさんの面倒を見てあげますからね♪」

ココア「メグちゃん、どうしちゃったの……?とりあえず、今は仕事中だから腕を離してくれるかな……?」

メグ「それは無理ですよー。だって私は、ココアさんを今すぐこのお店から助け出そうとしているんですから」

ココア「助け出すって……さっきからメグちゃんの言ってることぜんぜん分かんない……」

チノ(ココア)「そこまでですメグさん。仕事の邪魔をするなら以後二度と来ないでください」

メグ「くっ……この悪女め。あなたのせいで私のココアさんは変わってしまったんだよ!ココアさんは本当は私と一緒にいたいのに、あなたの目があるから……あなたのせいでどれだけココアさんが苦しんでるか!」

チノ(ココア)「ココアさんを苦しめているのはあなたの方でしょう?あなたはココアさんを束縛している。ココアさんの気持ちを全部無視して自分の気持ちばっかり押し付けてるのはあなたですよ」

メグ「どの口が言うの?……ココアさんは私の力で更生することができた。だから、ココアさんは私のことをすごく感謝してるし、私のことを求めてるの。今ココアさんに必要なのは私だけなんだよ!」

チノ(ココア)「話になりませんね。とにかく、ココアさんはラビットハウスの店員で、今は仕事中です。その邪魔をされると困りますし、すぐにお引き取り下さい」

メグ「もういいわ。……言っても分からないのは最初から予想できてたよ。だってあなたはもう悪に染まってる」

チノ(ココア)「なっ、なんですか!?いきなり変なステッキみたいなの出して」

メグ「そういえば、あなたはまだ私の正体を知らないんだったかしら?だったら教えてあげる。私は、町の平和を守るために戦う中学生。きらーん☆魔法のステッキで、あなたのような汚れきった心を持った人間を浄化するの」

チノ(ココア)「意味が分かりません。そんな妄言で私を煙に巻けるとでも?」

メグ「信じる、信じないは自由だよ。どっちにしたって結果は同じだもん」

メグ「遠き光の精霊たちよ……。この星のステッキに力を与えたまえ!」

チノ(ココア)「なっ、なんですかこの光は!?」

メグ「決まってるでしょ?あなたの穢れきった心を浄化するための光よ」

ココア「待ってメグちゃん!その光……私が前に浴びたのとぜんぜん違う!なんかどす黒くて……怖いよ。ぜんぜん良いものだと思えない……」

メグ「ココアさん、それはただの気のせいです。心配することなんてなにも無いんですよ」

ココア「そうなのかな……」

メグ「食らえ!精霊たちの清き灯を!」

チノ(ココア)「うわあああああああああ」

メグ「ふふふっ、あまりに心が汚れすぎていたせいで、心が深く抉られて苦しいんだね」

チノ(ココア)「あ゛あ゛あ゛あ゛ぐっ……」

ココア「どうしたの!?しっかりしてチノちゃん!」

メグ「そんな悪女にまで気を遣うなんて、ココアさんは本当にお優しいんですね。ココアさんのそういうところも、私は本当に大好きですよ」

ココア「だって、チノちゃんすごく苦しんでる!かわいそうだよこんなの……」

メグ「それが、ココアさんを縛り付けて苦しめ続けた業の深さに見合った仕打ちです。でも大丈夫ですよ、浄化が終われば苦しみから解放されますから。ふふっ」

チノ(ココア)「ぎゃあぁ……ああああああああああ」

メグ「さあココアさん。これであなたを苦しめる悪い娘はもういなくなりました。今度こそ私と一緒に行きましょう?」

ココア「私は行かないよ。だって今のメグちゃん、なんだかおかしいもん」

メグ「なっ、私と一緒に来てくれないんですか?私がおかしい……?そんな……」

ココア「うん、今のメグちゃんにはついていけないよ。チノちゃんのことだって放っておけないし」

メグ「そう……ふふっ、ふふふっ」

ココア「メグ、ちゃん……?」

メグ「可哀想に。あなたの心も悪に染まってしまったのですね……この女のせいで。でも大丈夫ですよ。私がすぐに浄化してあげます。あなたの心を悪から解放してあげますから。ふふっ」

ココア「や、やめてよ!……今のメグちゃん、本当に怖いよ。どうしちゃったの……?」

メグ「……遠き光の精霊たちよ。この星のステッキに力を与えたまえ」

ココア「メグちゃん!!……その光は、その輝きは……メグちゃんはその力を今まで素晴らしいことに使ってきたんでしょ?この町の平和のために……。なのに、どうして……」

メグ「私は町の平和を願ってきました。それには、ココアさんの平和だってもちろん含まれているんですよ?」

ココア「やめて……」

メグ「ふふっ、心配しないでください。ココアさんには私だけがいればいいのですから」ニッコリ

ココア「うっ、なんて強い光……うっ……うわあああああああ」

---

ココア「うっ……うーん……」

メグ「目が覚めましたか?」

ココア「……私……どうなってるの?」

メグ「えへへっ、何も心配することはありませんよ。これからは私とココア、二人きりで平和に暮らしましょう?」

ココア「あれ?……私膝枕されてる?」

メグ「気持ちいいですか?」

ココア「うん、ふかふかぁ~」

リゼ「ホントに気持ちよさそうだな。ちょっとメグの太ももの感触が気になってきたぞ……」

千夜「ココアちゃん、羨ましいわ」

メグ「ねえココアさん、私のこと好きですか?」

ココア「うん、メグちゃん大好き」

メグ「そうですか?私もココアさんのこと大好きですよ」パァ

ココア「そっか。うれしいな」

メグ「ねえ、ココアさん」

ココア「なぁに?メグちゃん」

メグ「私のこと好き?」

ココア「もちろん!大好きだよ」

メグ「だったら、今すぐそれを証明して見せて?」

ココア「……えっと、どんなふうに?」

メグ「……こんな風に」グイッ

ココア「あっ、ちょっと……」

千夜「すごい!大胆、大胆だわ!」

リゼ「ホントに、ホントにやってしまうのか!?キ、キキキ……キスを……」

チノ「はわわわわ///」

メグ「ねぇ……出来るでしょう?」

マヤ「やべぇ、こっちの想定をはるかに超える色っぽさだぜ」

シャロ「メグちゃんの魔性の片鱗を見た気がしたわ……」

ココア「……えっと……うぅ///」

メグ「ふふっ。冗談ですよ。ゆっくりでいいのです。ココアちゃんは、ゆっくり私のモノになっていけば良いんですよ♪」

ココア「そうなの?」

メグ「そうですよ。ココアさんは私だけを見ていればいいんです」

ココア「……そっか」

メグ「はい♪」

ココア「うーん……」

メグ「どうしたんですか?」

ココア「ちょっと考え事してただけ。ここに来る前、何してたっけなーって」

メグ「なんだ、そんなことですか。それならココアさんが気にする必要なんてありませんよ。ココアさんに必要なのはこれからの私との二人っきりの生活、それだけなんですから」

ココア「うん、分かってる」

メグ「なら良いんですけど」

ココア「……あっ、そういえばね、私、前まで喫茶店に住まわせてもらって、そこでお手伝いしてたんだよ」

メグ「……それがどうかしましたか?」

ココア「そこの家の娘がね、確か私より年下だったと思うんだけど、私よりずっと仕事が出来てね……あの子、いまどうしてるのかな?」

メグ「ココアさん、何度も言っていますけど、あなたに必要なのは私だけです。だから、他の人のことなんて思い出さないでください」

ココア「いや、ちょっと気になっただけなんだけどね」

メグ「いいですか?その人は、あなたを不幸にした人です。だから、思い出しても辛いだけですよ。……でも、ココアさんの気持ちも分かります。あれだけ酷い目に遭わされたんですから、簡単には忘れられるわけないですよね」

ココア「うーん、そうだったかな……」

メグ「でも、だからこそ忘れてください。ココアさんに必要なのは、私だけを見続けること、それだけなんですから」

ココア「うん。私に必要なのはメグちゃんだけ」

メグ「よろしい!ご褒美に、何か欲しいものがあれば言ってください。もしくは私にして欲しいことでも良いです。一つだけ言うことを聞いてあげますよ」

ココア「うーん……特に欲しいものとかは無いけど、ちょっとお散歩がしたいな。外の空気が吸いたくなっちゃった」

メグ「それはダメです。何か欲しいものがあれば私が買ってきますから、ココアさんはじっとしていてください」

ココア「どうして?」

メグ「外は危険がいっぱいだからです。ココアさんをかつてのように苦しめようとする人だってたくさんいます」

ココア「それは怖いな」

メグ「でも安心して下さい。ここにいる限りはココアさんは安全です。私がココアさんを守りますからね」

ココア「そっか。ありがとね」

メグ「それ以外で、何か欲しいものはありますか?」

ココア「うーん……じゃあ、もう少し膝枕してもらってもいいかな?」

メグ「それならいくらでもしてあげますよ、喜んで!」

ココア「えへへ……メグちゃんの太もも、気持ちいいなぁ」

メグ「ありがとうございます。よしよし」ナデナデ

ココア「ふふっ、くすぐったいよぉ」

メグ「ごめんなさい。ついココアさんが可愛くて」

チノ「そこまでです。ココアさんを洗脳して、閉じ込めて、自由を奪って自分のものにしようとする……それがココアさんの幸せになるとでも思っているんですか?」

メグ「えっ?チノちゃん?」

マヤ「おっと、まさかのチノ飛び入り参加か!?」

チノ「あっ……ごめんなさい。つい……」

リゼ「演技とはいえ、ココアがメグに軟禁されてるのを見過ごせなかったんだな」

千夜「チノちゃん……本当にココアちゃんのことが好きなのね」

チノ「そ、そんなんじゃないです!……ただ、ちょっとやりすぎだと思っただけで……本当ですよ、それだけです!!」

マヤ「いやー、まさかチノが参加するとはねぇ……まあでもこれはこれで良いかもね!」

シャロ「台本には無かった展開だけど、颯爽と現れたチノが、ヤンデレメグの手からココアを救い出す――熱い展開じゃない?」

マヤ「いいねいいね!チノ、このまま続けてみてよ!」

チノ「で、でも……」

マヤ「こうなったらチノ、存分にヤンデレメグを止めてやれ!」

チノ「……分かりました。まさか私まで参戦することになるなんて……」

メグ「あら、ココアを苦しめた悪女さん?浄化されてもうココアさんのことすら覚えていないと思ったのに、こんなところに何の用?」

チノ「そんなの決まっています。悪い魔女からココアさんを助け出すんです」

メグ「あはははっ、面白い冗談ね。私はステッキの力で悪い人を浄化する魔法少女なのよ。私とあなた、どっちが悪いかは分かり切ってるでしょ?」

チノ「そうですか、あなたは何も分かっていませんね。だってあなたは、そのステッキとやらを使いこなす力は持っていても、良いものと悪いものを判断する力は持ってないじゃないですか」

メグ「何が言いたいのか分からないけど、とにかくあなたはココアさんと私の平和を脅かす敵。一度でダメなら、もう一度このステッキであなたを浄化してあげる。でも、きっとすっごく苦しいわよ。だってあなたの悪はあなたの心の奥底まで深く根付いてるから。嫌ならすぐにここから立ち去ることね」

チノ「絶対嫌です。ココアさんを取り戻すまで私は引き下がったりしません」

メグ「ならもうやるしかないわね。遠き光の精霊たちよ……」

チノ「すごい光の量……これほどの強力な力なら、きちんと使えばとっても素晴らしいはずなのに……どうして、あなたは力の使い方を間違えてしまったんですか?」ドンッ

メグ「ひゃあ!?」

千夜「チノちゃんがメグちゃんを押し倒した……これは貴重な画ね!」

シャロ「なかなか背徳的な面よ、これ……」

リゼ「押し倒した衝撃でメグが持っているステッキの先をメグの方に向けて、ステッキの力がメグ自身に作用するようにしたわけか……」

メグ「ああ……うああああぁああああああああああああ」

---

メグ「はっ……今まで私は何を!?」

チノ「気づきましたか?」

メグ「そっか……ようやく分かりました。私は、みんなのためにステッキを使ってきたはずなのに、いつの間にか自分にとって都合の悪いものを消す道具として悪用してしまっていたんですね。ごめんなさい、ごめんなさい!」

チノ「でも、そんな間違いを犯してしまうくらいメグさんはココアさんのことが大好きなんですね」

メグ「はい。ココアさんのことで頭がいっぱいになって……周りが見えなくなってしまいました。こんな私じゃココアさんの側にいる資格なんてないですよね」

チノ「そうですね、残念ながらメグさんにはココアさんを任せるのは難しいです。でも、メグさんも十分反省しているようですし、幸せを追い求める権利くらいはあるんじゃないでしょうか」

メグ「……優しいですね、チノちゃんは」

チノ「そんなことないです。さて、ココアさん」

チノ「この物語にどのような終止符を打つのか、それはココアさんが決めてください」

ココア「えっ、私!?」

チノ「この物語の主人公はココアさんでしょう?だったら、ココアさんが決めるべきだと思います」

ココア「そっか……でもどうしよう……」パラパラ

メグ「ココアちゃん、いくら台本見たって答えは書いてないよ~」

ココア「あっ、そっか。もう台本通りじゃないんだもんね」

マヤ「ココアの好きに決めていいよ。もともとその台本、ココアがメグの手に落ちるところで終わってて結末が書いてなかったんだ」

ココア「ええー、そうだったの!?」

チノ「元から結末が書いてないなんて、ずいぶんとまたいい加減な……」

マヤ「物語は演じる人自身が切り開いていくものだ、ってね!」

リゼ「良い話風にまとめてるけど、実は単に思いつかなかったんじゃないのかー?」

シャロ「ま、まあ……あははははは……。そういうわけで、ココアが一番良いって思う結末にしてくれたら良いわ」

ココア「……分かった。そういうことなら、私の望む結末はたった一つだよ」

チノ「それは何ですか?」

メグ「ココアさんが決めたことなら、どんなことだって受け入れます。だから、遠慮なんてしないで下さい。ココアさんの思いのままに言ってみてください」

ココア「メグちゃんは一度は自分の持つ力を間違って使っちゃったけど、でもこうやって元通りに戻った。やっぱり、メグちゃんは心から町の平和を願っていたってことだよ。力の使い方を間違えたのだって、私のことを強く思ってのことだよね。メグちゃんは本当に優しい子なんだよ」

メグ「そんなっ、私なんかにそんな勿体なきお言葉……畏れ多いです」

ココア「そしてチノちゃん。そんなメグちゃんのことを、そして私のことを助けてくれたよね。私もメグちゃんも一度は道を踏み外した者。そんな私たちが正しい姿に戻れたのはね、チノちゃんのおかげなんだよ」ナデナデ

チノ「なでるの止めてください……くすぐったいです」

ココア「だから、今度は私が二人を幸せにする番。二人いっぺんに、むぎゅー!……ねっ、これで全部解決だよね☆」

メグ「そんな……こんな私でも、ココアさんの側にいていいんですか?」

ココア「もちろんだよ~☆」

チノ「どっちも選ぶなんてちょっと呆れるというか……」

チノ「でも、ココアさんらしい答えです。……悪くないんじゃないでしょうか」

メグ「えへへっ、これからは、3人、ず~っと一緒だよ♪」

 ***

パチパチパチパチ

マヤ「うーん、良い話にまとまったね!」

シャロ「私たちが作りたかった物語以上のものが見れたわ。台本が最後まで書いてなかったから、内心どうなるかと思ってたけど……良くやってくれたわね。ココアもメグちゃんも、もちろん飛び入り参加してくれたチノちゃんも」

千夜「ヤンデレメグちゃんは、ちょっと新ジャンル確立かしら?」

リゼ「実はヤンデレ気質だった!?」

メグ「ただのお芝居だよ~」

ココア「でもホントに様になってたよね。演技じゃなくホントにちょっとドキドキしちゃった……。メグちゃんきっとお芝居の才能があるんだよ!」

メグ「えへへっ、そうかな~」

リゼ「そういえば、これ罰ゲームだったんだよな。そんなことも忘れて見入っちゃったよ」

マヤ「いやー、大成功だったってことだね」

シャロ「チノの飛び入り参加はナイスだったわよ」

チノ「ありがとうございます……。意外とお芝居って楽しいものなんですね」

千夜「ドキドキするシーンがたくさんあって、なかなか貴重だったわ。またこういう企画やってみたいわね」

チノ「演劇が罰ゲームの恒例イベントになりそうですね」

千夜「今度は私が脚本をやりたいわ!」

リゼ「千夜が書くと演者泣かせな台本になりそうだな……」

千夜「うふふふふふ♪」

シャロ「この人にだけは筆を執らせてはいけない気がする……」

ココア「というわけで、終末ボウリング大会の罰ゲームはこれにて終了!みんなのおかげで楽しい年末年始が過ごせたよ!今年の年末もまた、よろしくね!」
おわり

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