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歩くんですの箱 SS置き場

躍動感を表現するにはどうすればいいんだろう……と日々考え中。

【SS】穂乃果×雪穂(Part03)

Part03 (Part02の続きです)
【神田明神】

希「おや?珍しいお客さんやなあ」

亜里沙「お久しぶりです。いつもμ’sのこと、応援してます!」

希「ありがとうな。絵里ちも、いつも亜里沙が応援してくれて心強いって感謝しとるで」

亜里沙「もう、お姉ちゃんったら……。家ではそんなこと一言も言ってなかったのに」

希「本人の前で言うのは恥ずかしいんだと思うよ。絵里ちは照れ屋さんやから」

希「それで?今日はお参り?」

亜里沙「いえ、ちょっと相談したいことがありまして」

希「相談?ウチに?」

亜里沙「はい。希さんって、おっとりしてて落ち着いた感じで、お姉ちゃんのこといつも支えてて下さいますし、頼りになるかなって思って……もしかして、ダメ、でしたか?」

希「ううん。ウチで良ければ、なんでも聞くよ」

亜里沙「本当ですか!?ありがとうございます」

亜里沙「実は、雪穂のことなんですけど」

希「雪穂ちゃんか……。最近、学校ではどうしてる?」

亜里沙「それなんですけど、なんだかちょっと元気がないみたいなんです」

亜里沙「話しかけてもぼうっとしてることが多いし、何か悩んでるのかなって……」

亜里沙「ごめんなさい!こんなこと、いきなり相談されても困りますよね」

希「ううん。構へんよ。ウチも、雪穂ちゃんのことは少し気になってたんや」

亜里沙「あの、どういうことですか?」

希「実はな、最近、雪穂ちゃんよくこの神社に来てくれるんよ」

希「本人は合格祈願のお参りだって言うんやけど、ウチにはそれだけじゃないように見える」

亜里沙「もしかして、雪穂が悩んでることと関係があるんでしょうか……」

希「うーん、それは間違いないやろなぁ」

亜里沙「やっぱりそうですか……」

希「まあ、大体何を悩んでるか見当はついてるんやけどな」

亜里沙「そ、そうなんですか!?」

希「うん。雪穂ちゃん、いきなり志望校変えたやろ?地方に行くって言いだして」

亜里沙「農業を学んで、将来日本の農業を変えたい!って、すっごい意気込んでました」

希「それなんやけど、どうもしっくり来ないんよね。そういう気持ちも確かにあるのかも知れんけど」

亜里沙「言われてみればそうですね。ずいぶん唐突だなとは思いました」

希「他に理由があるとしたら……、わざわざ実家を離れなきゃいけない理由、そういうのがあるんとちゃうかな」

亜里沙「そんな……この町にいるのが嫌になってしまったんでしょうか」

希「それは違うよ、きっと」

亜里沙「なら、実家で何か……、もしかして、ご両親と上手くいってないとか!?」

希「ううん。そういうことでもない」

希「雪穂ちゃんは、自分が人の役に立てない、あるいは、人のために行動できてないことを気にしてた」

希「はっきりとは言ってなかったけど、雪穂ちゃんが初めてここに来たときの言動で何となく分かったんや」

亜里沙「そんなっ、雪穂ちゃんは優しくて、真面目で、ちゃんと周りの人のこと思いやってます。人の役に立てないなんて、全然そんなことないのに……」

希「亜里沙ちゃんの言う通りやとウチも思う。けど、本人はそう思っているみたいなんや」

希「たった一人の人のことばかりを考えて、沢山の人々を笑顔にするにはどうしたらいいのかを全然考えられてない」

希「そのことで、雪穂ちゃんは悩んでいる。その裏返しが、農業で日本中に貢献したいって思いなんじゃないかな」

亜里沙「хорошо(ハラショー).どうやったらそんなことまで分かるんですか?」

希「カードがウチにそう告げとるんや」

亜里沙「そうなんですか!?すごい!」

希「いやあの……、まあいいか。それで、どうして雪穂ちゃんはそんなに卑屈になってるんかなって考えたんやけど」

亜里沙「ど、どうしてなんでしょう?」

希「その理由は、恋やね」

亜里沙「恋、ですか?」

希「そう。雪穂ちゃんは今、恋をしている」

亜里沙「хорошо.でも、それでどうして雪穂がそんな風に悩むんでしょう?」

希「それは、絶対に叶わない恋だから。いや、叶えてはいけない恋だからかな」

亜里沙「叶えてはいけないって、そんな恋があるんでしょうか」

希「どうかな、ウチはバカだから分からないよ。けど、そう考える人もおるやろね」

亜里沙「どういうことなんですか?」

希「これはウチの口から言うべきことなんやろか……ううん、ウチが聞いてほしい」

希「なあ、亜里沙ちゃん。ウチ、亜里沙ちゃんに相談したいことがある」

亜里沙「希、さん……?」

希「聞いてくれるかな」

亜里沙「は、はい!もちろん。で、でも、今日は私が相談しに来た側で……、だから、お役にたてるかどうかは分からないですけど……」

希「ありがとな」

希「相談したいことっていうのは、雪穂ちゃんの恋のこと」

亜里沙「はい」

希「亜里沙ちゃん、一つだけ約束して欲しい」

亜里沙「は、はいっ、なんでしょう?」

希「ウチがここで話したことは、誰にも言わない。約束してくれる?」

亜里沙「分かりました!必ず守ります」

希「うん、申し訳ないけど、これだけはお願いな」

亜里沙「はい、必ず約束します」

希「それで、本題やけど……雪穂ちゃんは多分、穂乃果ちゃんに恋してる」

亜里沙「穂乃果さんって……、それって、雪穂ちゃんは実のお姉さんに恋を!?」

希「そういうこと。叶えてはいけない恋の意味、分かったやろ?」

亜里沙「はい……、でも、私は、どんな恋であっても……、それが例え、世間から後ろ指を指されるようなものであったとしても、応援したいです」

希「亜里沙ちゃん……」

亜里沙「日本には『出る杭は打たれる』っていう諺があるって聞きました。でも、そんなの関係ないです。だって、大事なのは本人の気持ちじゃないですか!」

亜里沙「いくら世間を満足させたって、それが自分の気持ちじゃないなら、全然意味ないと思うんです」

希「そっか……。亜里沙ちゃんの言う通りやね」

希「大事なのは、本人の気持ち。これは、ウチの持論でもあったのに、つい忘れとった」

希「気付かせてくれてありがとうな、亜里沙ちゃん」

亜里沙「あのっ、私は何も……」

希「ううん、十分や」

希「ウチはな、雪穂ちゃんの恋を後押しするべきか、ずっと悩んどった」

希「姉妹で恋人同士なんてなったら、いずれ世間の風当たりに晒されることになるのは間違いない。それを知ってなお、その恋を後押しするなんて、そんな無責任なことしてええんやろかって……」

希「悩んでる雪穂ちゃんを見てるのは辛かった。でも、どうしていいか分からんかったんや……」

亜里沙「希さんにも、分からないことはあるんですね」

希「分からないことばっかりや。だから、ウチはこんなに占いにはまったのかも知れない」

希「でも、亜里沙ちゃんのおかげで、これからどうすればいいかが分かった」

希「ウチは、雪穂ちゃんの恋を応援する」

亜里沙「ホントですか!私も二人のこと、応援します」

希「本当は、ずっと背中を押してあげたかった。穂乃果ちゃんと雪穂ちゃんだったら、とってもお似合いやと思うから」

亜里沙「希さん……」

希「ホンマにありがとうな、亜里沙ちゃん」

亜里沙「いえ……もともとは私が相談に来たんですから、お礼を言うのは私です」

希「そんなことない。やっとウチは自分のやるべきことに気づけたんやから」

亜里沙「そうだ、お参りして行ってもいいですか?」

希「もちろん、ここは神社やから、本来はお参りするところなんやし」

亜里沙「ありがとうございます!雪穂の恋が上手くいきますようにってお祈りして来ます」

 ***

希(本当にありがとうね、亜里沙ちゃん)

希(ウチ、頑張るよ。絶対に、雪穂ちゃんたちには幸せになってほしいから)

希(……あれ、そういえば、今日は雪穂ちゃん神社に来なかったなぁ)

……


Part04へ続く

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