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歩くんですの箱 SS置き場

躍動感を表現するにはどうすればいいんだろう……と日々考え中。

【2015年末企画】ごちうさ終末ボウリング大会! - 前編

何とか年末の更新に間に合いました!
今年もごちうさで年末のSSを書きました。

本来は1記事にまとめて上げる予定だったのですが本編中に入っているテーブルが重くて二記事に分けざるおえず前編後編に分かれています。

では、以下より本編です。
ごちうさ終末ボウリング大会! - 前編

【ラビットハウス】

リゼ「今年ももうすぐ終わりだなー」

チノ「そうですね。早いものです」

ココア「このまま終わりを受け入れちゃダメだよ二人とも!年が明ける前にやらなきゃいけないことはまだまだいっぱいあるんだから!」

リゼ「えー、何かあったか?」

チノ「期末テスト、年賀状の準備、宿題、大掃除……」

ココア「だーっ!もう、そうじゃなくって!!もっと他にあるでしょ!?」

チノ「うーん……」

リゼ「とても難しいな……」

ココア「なんでそこで考えこんじゃうの!?ほら、クリスマスとか!」

チノ「そうでした。そろそろ電飾の準備をしないといけませんね。ACアダプターが壊れてしまったので新しいのを買わないと」

リゼ「ちなみにクリスマスの勢いにかき消されて目立たないが、その前に12月23日は天皇誕生日だぞ」

ココア「だーかーらー!そうじゃないのーっ!私はただ、みんなで楽しくクリスマスパーティーでもやらない?って言いたかっただけなのに……」

チノ「といっても、その日はラビットハウスは通常営業ですし」

ココア「うーん、そっかぁ」

リゼ「クリスマスはともかく、みんなで忘年会をやるってのはどうだ?」

ココア「それだよリゼちゃん!私はそういう答えが聞きたかったんだよ!」

リゼ「やっぱり年末はみんなで集まって盛り上がるのが一番だよな!」

チノ「忘年会……今までやったことなかったですが、良いかも知れませんね」

 ***



ココア「ボウリングやろうよ!」

シャロ「ボウリング?いきなりね」

千夜「わたしに出来るかしら……」

メグ「ボーリング調査?」

リゼ「それは穴掘るやつだ」

マヤ「いいじゃん!楽しそうだし」

チノ「でも、なぜボウリングなんですか?」

ココア「うーん、なんとなく?」

チノ「ずいぶん適当ですね。いつものことですが」

ココア「妹に適当なお姉ちゃんって思われてる……」ガーン

リゼ「ボウリングか、腕が鳴るな……。整然と並んで立ちはだかるあのピンを打ち砕くあの感じがたまらなく快感なんだ……」

シャロ「リゼ先輩がそう言うならやりましょう!ぜひ!」

メグ「私やったことないよー」

千夜「私もボウリングはやったことないわ。もちろんボーリング調査もね」

ココア「私も実は初めてなんだ」

チノ「未経験の人が多そうですね」

マヤ「初めての人でも楽しめるよ。カンタンカンタン。ター、シュター、ゴロゴロゴロ、バーン!!こんな感じ!」

チノ「マヤさん、それじゃまったく分かりませんよ」

メグ「ター、シュター、うーん……。こうかな……?」

リゼ「メグは何やってるんだ?」

メグ「イメージトレーニングだよ~。うーん、こんな感じで良いのかなぁ?」

リゼ「おう、なかなか良いんじゃないか?」

メグ「そっかぁ。良かったよ~。シュター、ゴロゴロゴロ……」クルクル

リゼ(この動き……いつもどおりバレーを舞っているときとぜんぜん変わらないっ!だが……)

千夜(見てるだけで)

シャロ(なんだかすご~く)

ココア(癒されるよぉ~)

チノ「みなさん、メグさんを見て和んでいる!?」

 ***

【ボーリング場】

ココア「さー、いよいよやってまいりました!題して『終末ボーリング大会』!わーぱちぱちぱちー」

リゼ「なんか今年どころか世界が終わりそうな名前だな」

シャロ「普通に『年末』で良かったじゃない」

ココア「終末の方がなんとなく燃えるかなー♪って思って」

千夜「分かるわーその気持ち。黄昏時、真っ赤な空。その夕焼けはただの夕焼けじゃない、終末の空。生きとし生けるものすべてを焼き尽くす光……。そして、世界からは選ばれし7人の『王』を除いてすべての人類が消え去る……」

シャロ「千夜はほんとにそういうの好きよねー」

チノ「甘兎庵のメニューにあんな名前をつけてるくらいですからね」

ココア「じゃあルールを説明するよ!今日は7人いるから2人、2人、3人の3チームに分かれてチームごとに対戦するの。セットごとにチーム内で投げる人を順番に交代しながら進めていって、10セット終わった段階で得点が一番高かったチームの勝ちだよ!」

マヤ「勝ったチームはどうなるんだ?」

ココア「イチバンになったチームの人は他のチームの人たちに一人一つずつ何でも言うことを聞いてもらえるってのはどうかな?」

リゼ「おお、良いなそれ!」

シャロ「なんでも……」ゴクリ

シャロ(そしたら、リゼしぇんぱいにあんなことやこんなことを……)

シャロ(あ、でもそのためにはリゼ先輩とは違うチームにならなきゃ)

シャロ(一緒に戦えないのは残念だけど、でも……)

シャロ「私、絶対に勝つわ!」

千夜「お、シャロちゃんやる気ね!私も負けないわよ~。うふふ、勝ったらみんなに何してもらおうかしら~」

ココア「私、勝ってチノちゃんにいっぱい『お姉ちゃん』って言ってもらうよ!」

チノ「ココアさんには負けません」キリッ

リゼ「勝ったら何がしたいって話も良いが、まずはチーム決めないと何も始まらないぞ」

ココア「あっ、そうだった。忘れてたよ~」

マヤ「まず、ボウリング経験者の私とリゼは別のチームにしないとだね」

シャロ「じゃあ私マヤちゃんと組んでも良い?」

ココア「あれ?リゼちゃんと一緒じゃなくていいの?」

シャロ「ええ……ここは心を鬼にして」

千夜「なるほど……そういうことね」

リゼ「なんだ?シャロはそんなに私と同じチームになるのが嫌なのか……」シュン

シャロ「違います!リゼ先輩、二人で協力して勝利の花園を目指しましょう!はっ……じゃなかった!?」

ココア「リゼちゃんが一番強そうだからリゼちゃんのチームが3人でもいい?」

リゼ「ああ、それが妥当だろうな。それと、戦力のバランスを考えたらチマメ隊の3人は別々のチームにした方が良いだろう」

千夜「中学生組をバラけさせる、ってことね」

ココア「メグちゃん、一緒に組もう?」

メグ「いいよ~。頑張ろうね」

チノ「じゃあ、私は千夜さんとですね」

リゼ「私のところにはどっちが来る?」

チノ「私たちが行きます。この戦い、負けるわけにはいきませんから」

ココア「私たちだって絶対負けないよー!」

リゼ「決まりだな」

ココア「じゃあ、それぞれチーム名を決めて入力しちゃおう!」
チーム名メンバー
麗投一撃の三宝珠(三宝珠)リゼ、チノ、千夜
コーヒーナッツ(コーヒー)マヤ、シャロ
メグミルクココア☆(メグココア)ココア、メグ

- 1セット目 -

リゼ「まずはボールを選びだな」

メグ「わぁ、いっぱいあるよ~」

リゼ「ぜんぶ重さが違うんだ。横に数字が書いてあるだろ?その数字が大きいやつほど重たいんだよ」

チノ「どういう風に選べばいいんですか?」

リゼ「基本的にはいくつか持ってみてしっくり来るやつを選べばいいんだよ。重いボールの方がピンをはじき倒しやすいけど、むやみに重いものを選ぶと勢いが足りなくなったり方向がぶれてしまうからな」

シャロ「うーん、結構重い……」

リゼ「シャロだったら9ポンドか10ポンドくらいかな。それは13ポンドだからちょっと重すぎると思うぞ」

シャロ「リゼ先輩は13ポンドのを使うんですか?」

リゼ「ちょっと重いと感じるくらいのがちょうどいいんだ。ああー、でもちょっと重すぎるかなー、あはは……」

リゼ(力持ちだと思われてしまったか……?)

マヤ「私これにするー!」←8ポンド

メグ「私もこのくらいかなー」

チノ「いろいろ試してるとだんだんどれが良いのか分からなくなってきます」

ココア「私はこれにしよっと」←10ポンド

千夜「私は……負けないっ!」←16ポンドを持ち上げようとしている

リゼ「いや何と闘ってるんだよ……」

 ***

ココア「そろそろみんな決まったー?」

チノ「決まりました」

シャロ「私も選んだわよ」

ココア「よし、じゃあいよいよゲームセーットゥ!行っくよー!」

一同「「オー!!」」
ポンド (lb.)メンバー
8チノ、マヤ、メグ
9シャロ、千夜
10ココア
13リゼ

リゼ「よし、まずは私からだな」

チノ「頑張ってください、リゼさん」

ココア「メグちゃん、リゼちゃんの投げるところよーく見ててね?敵情視察は大事!」

メグ「分かった~。しっかり見て勉強するねー」

シャロ「ボールを持って悠然と構えるリゼ先輩……カッコ良い!」

リゼ「よしっ」タンタンタン…

マヤ「おおっ、リズムに乗った安定した助走からのなめらかな投球動作!さすがリゼ、なかなか安定してるなー」

リゼ「どうかポケットに入ってくれー!」

パーン!

一同「「おお!」」

マヤ「なかなかいい音だったな!」

千夜「はじけるような爽快感があるわね」

リゼ「うーん、ちょっと左に行き過ぎたか……」

チノ「3本残っちゃいましたね」

リゼ「1、2、9ピンか。だがこれなら行けるな」

千夜「頼もしいわリゼちゃん!」

ココア「じゃあリゼちゃんの2投目、行ってみよー!」

リゼ「よし!」

マヤ「おお、さっきと変わらずなめらかな滑り出し!そして……投げたー!どうなるどうなる、おっ、今度はポケットよりやや右寄りか?」

リゼ「あちゃー、1番ピンの正面か……ぶつかって右に外れて行っちゃったな」

チノ「でも、9本ならまずまずじゃないでしょうか」

リゼ「最初だしこんなもんか……取りにくいコースではなかったはずなんだが、惜しいな」

マヤ「次は私だね」

シャロ「マヤちゃん、頑張れー!」

ココア「メグちゃん、今のシャロちゃんの動きでだいたいやり方は分かったと思うけど、マヤちゃんの動きもしっかり見ておくんだよ!」

メグ「あっ、うん、分かったー」

マヤ「さて、じゃあ行きますかー」タンタンタン…

千夜「さっきのリゼちゃんもそうだけど、こんなにリズミカルに助走してぴったり線のところから投げ出せるってすごいわ」

チノ「私じゃタイミング合わせられなそうです」

リゼ「経験を感じさせるまずまずの投球だな」

マヤ「行っけー!」

パーン!

一同「「おおっ!!」」

マヤ「よっしゃーっ!!!」

シャロ「すごいわマヤちゃん!」

リゼ「いきなりのストライクかよー!してやられたなー」

マヤ「いやー、自分でもまさか決まると思ってなかったよー」

シャロ「幸先のいいスタートねー。次のセット、私がしっかりとつないで行かないと」

千夜「やっぱりストライクは見ていて気持ちが良いわね。敵ながらあっぱれだわ」

ココア「ふっふっふっ、こんなに序盤から私を本気にさせるとはね」腕マクリ

リゼ「なんだなんだ!?」

チノ「ココアさん、無駄にカッコよくしたところで意味ないです」

メグ「いや、今のココアちゃんの本気ならきっと決めてくれるよ。ほら、ココアちゃんから湧き出すこのオーラ、歴戦の勇者みたいだよ」

シャロ「無駄にハードルが上がってる時点でフラグね……」

ココア「行っくよーっ!」タンタンタン

マヤ「おお、助走自体は滑らかか!?っと思ったけど5歩めがファールラインに合わない!おっと、このバランスを崩した状態で投げたー!」

ガン

マヤ「ガーター!!」

ココア「なんでええええええっ!」

メグ「ココアちゃん、落ち込まないで。まだまだ先は長いんだから、ここからだよ、ここから」

ココア「ごめんねーメグちゃーん……」

シャロ「正直やらかすんじゃないかとは思ったけど……」

チノ「ココアさんらしいです」

メグ「気を取り直して2投目、頑張って、ココアちゃん!」

ココア「うん!妹からの応援とあっちゃ、決めるしかないよね!」

ココア「よし!保登心愛!いきます!」タンタンタンッ

マヤ「おっ、今度はフェアのラインにタイミングを合わせて来たー!」

マヤ「球速十分!だが!曲がっていかない!ああ、わずかに逸れている、逸れている!このままだと!?」

ココア「お願い!落ちないで、そのまま行ってーっ」

ガン

マヤ「ガーター!!!ピンの直前でガーターに落ちたあ!」

ココア「うわああああああああああっ」

メグ「ダイジョーブ、まだ最初だからね、ゲームはこれからが本番だよぉ」

ココア「メグちゃんの温かい励ましが逆に心に突き刺さるよ……」

リゼ「これは……しょっぱなから差がついたな」

チノ「経験者と未経験者では仕方が無いのかもしれませんね」
セット12345678910
三宝珠72                   
9         
コーヒーS                    
-         
メグココアG-                   
0         
S:ストライク/スペア G:ガーター F:ファール

- 2セット目 -

リゼ「さて、このセットはチノと千夜、どっちが行く?」

チノ「千夜さん先で良いですよ」

千夜「そう?じゃあ私が行かせてもらうわ」

マヤ「おお、2セット目は千夜が立ち上がった!さっそく構える……と思いきや、おや?ボールを丹念に拭いている!うーん、確かにコンディションを最高に整えることは大事だね」

リゼ「千夜、ちょっとラインの手前に立ってみろ」

千夜「リゼちゃん……こうかしら?」

リゼ「そう、それで少し前を見てみると、三角形の印が並んでるだろ?」

千夜「そうね。あれは何かしら?」

マヤ「なるほど、ここでリゼ先生による指導!これは他のチームの人も聞いて参考にする良いのでは!?」

リゼ「スパットって言うんだ。ボールを投げる時、原則は右から2番目のスパットを狙うんだ」

千夜「そうなの?それだと真ん中に行かなそうだけど……」

リゼ「その通り。ではどうすれば良いかってことだけど、ファールラインからスパットまでの距離とスパットからピンまでの距離は2:3に調整されてるんだ。だから、狙うスパットより少し右寄りから投げれば、ピンに着くときにはその1.5倍だけ左寄りにずれる」

千夜「つまり、斜めからピンを狙えば良いってことね?」

ココア「それを先に行ってよーっ!」

リゼ「悪かったな。だが、先に言ってしまって1セット目から敵に塩を送ることはしたくなかったんだ」ニカッ

チノ「リゼさん、策士です」

ココア「もー、リゼちゃんのケチー!」

リゼ「続けるぞ。基本的に1投目はストライク狙いだ。それでいて、ストライクを取るには1番ピンと3番ピンの間を狙うのが定石とされている。そのピンがどこか分かるか?」

千夜「ごめんなさい、分からないわ」

リゼ「いや、いいんだ。ピンは一番手前が1番ピンで、以下2列目の左から2番、3番、3列目にいって4、5、6番、4列目にいって7、8、9、10番と数えるルールになってるんだ。ってことは、1番ピンは三角形の一番突き出してる手前のピンで、3番ピンは右から見てその隣、2列目の右側のピンになる」

千夜「そこの間を狙えば良いの?」

リゼ「その通り!」

ココア「いやー、リゼちゃん、完全に教官って感じだね!」

リゼ「あ、ココアは聞かなくていいぞ」

ココア「聞くよ!いつもの3倍くらい耳をそばだててよく聞くよ!」

リゼ「ったく、しょーがないな。それで、狙うのは1番ピンと3番ピンの間で、右から2番目のスパットの位置から左にずれている距離がだいたいこれくらいだろ?そしたら、ボールを投げる位置はスパットから見て右にその距離の2/3倍、だいたいこの辺りだ」

千夜「なんだか出来そうな気がしてきたわ。ありがとう、リゼちゃん!」

リゼ「まあ、現実はそう上手くはいかないんだけどな。あとはしっかりと5歩の助走のテンポを守って投げればオッケー」

千夜「左足から出せば良いのよね?」

リゼ「そう!おお、良い感じじゃないか」

千夜「じゃあ行くわね」

マヤ「リゼ先生のレクチャーが終わり、千夜がついに構える。助走に入る!あーややテンポが不安定か?しかし!ファールラインには上手く合わせた。そしてー?投げたー!どーだ?リゼのレクチャーの成果は表れるのか!?」

千夜「あれー?スパットは上手く通過したんだけど……」

リゼ「わずかに手首の軸がぶれていたんだな。ボールの回転軸が右下がりに傾いてる」

マヤ「うーん、ボールは思うように中心に寄っていかない!だが!このまま行けば右側の数本は倒れるか!?」

ゴロゴロ

千夜「よしっ!」

マヤ「倒れたー!ボールは6番ピンのわずかに右側にほとんど直角に入射!そのまま6、9、10のピンをなぎ倒したーっ!」

リゼ「しっかりピンに当たったな。まずまずじゃないか」

千夜「ええ!あとは残りのピンを倒すだけね」

ココア「くぅー!ずるいずるいずるいー!先にリゼちゃんの指導受けてたら私だって倒せたのにー!」

シャロ「次からリゼ先輩が通りに投げれば良いじゃない」

メグ「きっとココアちゃんならストライクだよー」

ココア「そうだよね。私、次は決めちゃうぞっ」

マヤ「千夜、またも丁寧にボールを拭いている!この作業を通して心を落ち着けているようにも見えます!そして?構えからの助走!おお、今回は非常にバランスもいいぞー。そして?」

リゼ「おお、良いぞ千夜!」

千夜「お願い……ぜんぶ倒れて!」

チノ「お願いします……」オイノリ

マヤ「これは、もしかしてもしかするか!?あー、しかし中心から逸れてきてしまったー!これは2番ピン直撃コース!1番ピンをかするか?かするか?あー、かすらない!2番ピンの右横からぶつかっていったー!」

千夜「あらー……」

リゼ「ドンマイ。合計で6本倒したんだ。上々だよ」

千夜「ごめんなさい……」

チノ「この後シャロさんがどう出るかですね。さっきのストライクにつなげられると差がついてきてしまいますから」

シャロ「このチャンス、逃さないわ」

ココア「シャロちゃん、両脇の溝を狙っても良いんだからね?」

シャロ「いいわけないでしょー!」

ココア「うぅ、洗脳作戦失敗したよー」シュン

リゼ「今の洗脳のつもりだったのか……」

マヤ「シャロ、さっきリゼが言ってたけど、右から2番目と3番目の三角形の間を狙ってね。あとは、ター、シュター、ズバアアアン、だよ!」

シャロ「わ、分かったわ」

リゼ「ホントに分かってるのか?」

シャロ「いざ、桐間紗路、行きます!」

マヤ「シャロ、ボールを構える。そのまま助走に入って……あー、ちょっとぎこちないなー。もー少しテンポがほしいところ!そして、投げたー……、あー、これは……」

シャロ「ちょっと、もっとスピード上げて!ふらふらしないの!まっすぐ、まっすぐ!!」

リゼ「ボールに説教、だと!?」

シャロ「ほら、目指すは1番ピンのすぐ右側よ!そっちじゃない、違う違う違う!」

メグ「……スイカ割り?」

マヤ「あー、こーれは運が良くても10番ピンにぎりぎり当たれば良い方!どうかこのまま持ちこたえてくれ!そうじゃない、そっちじゃない!」

チノ「マヤさんまで一緒になってボールを叱咤し始めましたが……」

マヤ「あーーーーっ、ガーターッ!!!」

シャロ「うわああああああああん」

マヤ「なんてことだ!ボウリング場の女神は降臨しなかったというのかっ!」

チノ「これは……私たちとしては正直助かりましたが」

リゼ「いや、まだ2投目がある。油断はできないぞ。前がストライクのときは、その後2投で倒したピンの本数が得点に加算されるからな」

千夜「もし2投目で10本倒せば1セット目の得点が20点になるってことね?」

リゼ「そう。我々の得点など簡単に越されてしまう」

マヤ「シャロ、余計なことは考えず、ズバーンと行っちゃえ!」

シャロ「分かったわ。マヤちゃんが作ってくれたチャンス、つぶすわけには行かないもの!」

マヤ「気合十分!シャロ、再び構える!助走はテンポよく、だよ!」

シャロ「ええ。気をつけるわ」

シャロ「じゃあ、行きます!」

マヤ「再びシャロ、助走を始める!これは!さっきよりテンポが良い!これはいける、か?」

シャロ「あ……」

マヤ「ためらっちゃダメだ!確かに投げる地点ちょっとずれちゃったけど、そのまま投げれば行けるから!」

シャロ「えい、やーっ!」

マヤ「あー、失速したのは正直分が悪いけど、さっきの球よりはまっすぐ進んでいる!これならガーターには落ちなそうだ!うーん、ちょっと勢いが弱いかな」

シャロ「お願いっ、どうか倒れてー!」

マヤ「うーん、6番ピンのほぼ正面に当たっていったかー。うーん……ボールはそのまま外側へはじき出される。やっぱ勢いが足りてないんだよなー。しかしなだれかかってきた6番ピンに8番と9番が倒された!」

シャロ「なんとか3本倒せたわ……」

マヤ「上々だよ!助走の時の失速が惜しかったなー」

リゼ「これでシャロ達のチームは16点か。ウチらが15点。いい勝負になってきたな!」

ココア「うわーん、どんどん差をつけられていくよぉ~」

メグ「大丈夫、勝負はこれからだよ。次、私がんばるね」

ココア「メグちゃん、お願い!」

マヤ「さーて、次はメグの番!バレエで鍛えた華麗なステップがここで力を発揮するのか!?」

チノ「バレエの力とボーリングの力は違う気がしますけどね……」

千夜「メグちゃん」

メグ「なにー?」

千夜「両脇の溝を狙っても良いのよー」

リゼ「なっ、ココアがさっき失敗したばかりの洗脳作戦を重ねてきた、だと!?」

メグ「りょ、両脇の溝?そっか、こっちを狙えば……」

リゼ「しかも騙されそうになってるーっ!?」

ココア「千夜ちゃん、妹に変なこと吹き込んじゃダメ!」

千夜「あらー?なんのことかしら」

ココア「メグちゃん、こんな悪いお姉さんの言うことなんか聞いちゃダメ!狙うのは一番前に出っ張ってるピンとその斜め右隣のピンの間、あそこだけだよ」

メグ「そっか、分かったよー」

マヤ「両脇の溝でも構わないよー」

メグ「え?あれー?」グルグル

シャロ「混乱して目を回してるわ!」

マヤ「というわけで、そろそろ投げてもらいましょう!メグ、構えに入る!」

メグ「よーし!」

マヤ「メグの助走、テクテクテクと前に進む!そしてー、投げたー!おーっと、これは暴投だ!ボールを離すタイミングがずれてボールが宙に放たれる!しかも体のバランスをくずした状態で放たれたせいでボールはどんどん斜め右前へ!あーっ!」

メグ「ちょっ、待ってー」オロオロ

リゼ「お、おい」

マヤ「ボールが隣のレーンに侵入!これほどの暴投はなかなか見られないぞ!」

ドシン!!!

シャロ「ひゃあ!?」

マヤ「そして隣のレーンの上にすごい音を立てて落下したー!」

隣のレーンの客「なっ、どうした!?」

メグ「ご、ごめんなさぁい」ナミダメ

マヤ「ボールは鈍く加速しながらレーンを下っていく!そして左側のポケットに到達!そして、なななななーんと!」

リゼ「ストライク、だと!?」

シャロ「本当だわ!ぜんぶ倒れてる!」

ココア「メグちゃんすごいよ!まさかストライクになるなんて!」

メグ「で、でもぉ……」

マヤ「こんなことがあるのか!?隣のレーンに侵入したボールがストライクをはじき出した歴史的瞬間!!」

チノ「ものすごく衝撃的な展開です」

メグ「ホントにごめんなさい」ペコリ

隣のレーンの客「いやー、いいもの見せてもらったよ。むしろ感謝したいくらいだ」

メグ「でもご迷惑をおかけして……」

隣のレーンの客「良いんだよ。いい思い出になった。まあでも、ボールを宙に飛ばすと危ないから次から気をつけてね」

メグ「はい。次からはないようにします」ペコリ

ココア「まあ何はともあれストライク!大逆転のチャンスだよ」

リゼ「いや、残念ながらガーター扱いだ」

ココア「なんでっ!?」

マヤ「ココアチーム未だ0点!今のが点数に加算されるならホントに逆転のチャンスだったけど、こーれは痛い!」

メグ「よ~し、次こそはぜったい倒すよ~」

マヤ「おっ、メグが本気モードだ!これはどう出るか!?」

メグ「今度はこのレーンでストライクを出して見せる!」

マヤ「メグ、構えに入った!そして、バレエで身に着けた持ち前のリズム感で美しい助走!投げたー!うーん、さっきのことがあって投げる瞬間は慎重に行ったが、果たしてどうか?あー、ちょっと左に逸れていく、逸れていく逸れていく!」

メグ「なっ、お願い!もうそれ以上行かないで!そっちは落っこちちゃうよぉ~」

マヤ「うーん、投げる瞬間の失速で手首の角度がぶれてしまったか?こーれは危ない!あー、あーっ、ガーター!!!」

メグ「あう……ごめんなさい、ココアちゃん」

ココア「ううん、良いんだよ。次こそは私が取り返す!お姉ちゃんに任せなさーい!」

チノ「今日のココアさんは完全にメグさんのお姉さんモードですか」ムスッ

ココア「あっ、チノちゃんもしかして妬いてるー?」ニコニコ

チノ「そ、そんなんじゃないです」

ココア「安心して!私はもちろんチノちゃんのお姉ちゃんでもあるんだから!」

チノ「だからそんなつもりじゃ///」
セット12345678910
三宝珠7233                 
915        
コーヒーS G3                 
1316        
メグココアG-G-                 
00        
S:ストライク/スペア G:ガーター F:ファール

- 3セット目 -

ココア「私たちのチームだけまだ0点かー。ここからは気合を入れて行かないとね!メグちゃん、円陣を組むよ!」

メグ「うん、分かったー」

リゼ「二人で円陣組むのか?なんか準備体操みたいだな」

ココア「次こそはぜったい倒すぞーっ☆」

ココア/メグ「「オー!」」

マヤ「ここまで無得点のメグミルクココア☆チーム!だが気合は十分!」

リゼ「さて、次はチノの番だ」

チノ「私に出来るでしょうか……」

リゼ「大丈夫、落ち着いて投げれば良いんだ。手首がぶれないように、しっかりな」

チノ「分かりました。やってみます」

マヤ「チノがボールを持ってレーンの前に立った!」

チノ「左足から出せば良いんですよね?」

リゼ「ああ。助走するときはあんまり考えすぎず、トントンとリズムに乗って行くといいぞ」

チノ「難しそうですが頑張ります」

マヤ「チノ、一歩を踏み出す!おお、筋は良さそう!そのままリズムよく前へ、投げたー!」

千夜「おお、きれいに真っ直ぐ進んでるわ」

マヤ「これは、初めてやったとは思えない上出来な一投では?すごい!そのままポケットコースに吸い込まれていく!」

リゼ「ストライクワンチャンだな!」

チノ「本当ですか?どうか倒れてください」イノリ

パーン!

マヤ「どうだ!?ピンが一気に砕け散った!あー、最後の最後でちょっと左寄りにずれてしまったかーっ!10番ピンが残った!」

リゼ「惜しいな……、でもすごいじゃないか!初めてとは思えない出来だ」

チノ「やった……っ」

ココア「さすが私の妹だよ!小さくガッツポーズするチノちゃん可愛いー!」ダキッ

チノ「ココアさん、急に抱きつかないでください///」

リゼ「これはスペアを狙いに行くしかないな!」

チノ「どうすれば良いですか?」

リゼ「立ち位置を右に平行移動すれば取れるよ。投げ方はさっきと同じだ」

チノ「より右側から投げれば右側に行くってことですね」

リゼ「そうだ。端っこだからもしかしたらガーターになっちゃうかも知れないけど気にするな」

千夜「チノちゃんなら出来るわ!頑張って!」

チノ「はい、こうなったらぜったい当てて見せます」

リゼ「その意気だ!」

マヤ「チノ、初めてのプレイでスペアなるか!?玉を構える!あくまで落ち着いた様子!さすがチノ!」

メグ「チノちゃんカッコいいな~」

マヤ「あくまで落ち着いてテンポを崩さす助走!この力まない感じが良いのかなー……一つ一つの動作を確実にこなして、投げたー!これは良いコース!」

千夜「これは行ったんじゃないかしら?」

リゼ「ああ、本当に10番ピンに吸い寄せられていくようだ!美しい!」

マヤ「ボールはピンに向かってまっしぐらに進んでいく!そしてーっ、弾いたー!スペアーッ!」

チノ「……倒れたんですか?」

リゼ「チノ、これは自慢していいよ。初めてでスペアなんてホントにすごいな!」

チノ「なんだか実感がわきません……たまたま運が良かっただけです」

シャロ「運だけで結果は出ないわ。チノちゃんは才能があるのよ」

ココア「さっすが私の妹だね!」

リゼ「なんでココアが自慢げなんだ」

チノ「私、運動は苦手なんです。だから、ほんとに才能とかじゃないですよ」

メグ「運動全般が苦手でも、ボウリングはきっと得意なんだよ~」

マヤ「そうそう、自信持ちなって!」

チノ「そう……なんでしょうか。私にも出来るスポーツが見つけられたのだとしたらうれしいです」

千夜「良かったわね、チノちゃん!」

マヤ「さーて、今度は私の番だよー。チノには負けてられない!次もストライク決めるよー」

シャロ「期待してるわよ」

マヤ「任せといて」

リゼ「チマメ隊の『マ』を担う条河麻耶選手、ボールを持って構えます。ボウリングの腕前は確かなもの!先ほどはストライクを取っています」

シャロ「リゼ先輩、ノリノリですね」

リゼ「いやー、ずっとマヤが解説してくれてたから、マヤの番の時は私がやってみようと思って。意外と楽しいな、これ!」

リゼ「っとまあそんな感じで、マヤ選手、助走に入ります!テンポもよく投げ方もスムーズ!ボール放たれた!手首もぶれておらず非常に良いコースです!」

マヤ「頼む、行ってくれーっ」

リゼ「ここでストライクが取れれば他のチームにプレッシャーを与えられるという場面!おっと、ボールわずかに逸れたか!1番ピンのほぼ正面からいきましたスプリット!3、10が残るスプリット!」

マヤ「くっー、悔しい!」

シャロ「次倒せば良いのよ!」

マヤ「おっしゃる通り!絶対倒してみせるよ」

メグ「あんな風に離れたところが2本も残ってたら難しそうだよ」

リゼ「いや、あのスプリットは案外簡単なんだ。マヤなら取ってもおかしくない」

マヤ「よっしゃ、行くぜ!」

リゼ「マヤ選手、構えました。3、10の間を狙うべくやや左の位置からスタート!助走してー、投げたー!これは理想的なコース!ボールは3番ピンの右を掠めていく!決まったー!決まりました!スペア―!」

マヤ「いやー、やっぱり私って天才だなー!」

シャロ「良くやったわマヤちゃん。次、必ず繋ぐからね」

マヤ「うん、しっかり頼むよ!あ、あと解説ありがとな、リゼ!」

リゼ「次からもマヤのところは私が解説するよ」

ココア「リゼちゃん、ものすごく楽しんでたもんね」

リゼ「やってみると意外とノッて来たしまったよ///」

マヤ「さーて、じゃあしばらくは解説私に戻りまーす!次はココアの番!メグココアチーム、そろそろ決めないと厳しいぞ。ガーター製造機ココア、汚名返上なるか!」

ココア「ガーター製造機ってなんだよーっ!!!」

シャロ「ま、せいぜい頑張ることねー」

ココア「そうやって余裕かましていられるのも今のうちだよ」

リゼ「一本でも倒れるといいな」

ココア「みんな、私をずいぶんと見くびってるようだけど、さっきの私と今の私は違うよ!リゼちゃんのアドバイスを聞いた私に死角はない!」

リゼ「一度聞いただけでそうそう出来るようにはならないぞ」

ココア「それはどうかな?」

メグ「ココアちゃん、頑張って~!」

ココア「ありがとうメグちゃん!よーし、狙うはストライク!行っくよー!」

マヤ「ココア、ボールを構えて前へ」

ココア「よおおおおおおおっ」

マヤ「おお、なんだか分かんないけど気合を入れて声を上げている。そして助走!おおっ、さっきリゼが言っていた通りの場所にボールを通していった!なっ、これは完ぺきでは!?」

リゼ「まさか……本当にやったというのか!?」

チノ「ストライク、十分狙える玉です」

パーン

マヤ「来たあーっ!ピンが一気に弾ける爽快な音!完ぺきなストライク!誰も予想しなかった、まさにこれが奇跡!」

ココア「ほらね!魔法少女ココアちゃん、ここに降臨!」ドヤァ

メグ「すごいよココアちゃん!」

マヤ「チームの窮地を救いましたココア!これで次のセット次第では大きく後れを取り戻すチャンス!」

シャロ「口先だけじゃなくて本当に決めるなんてね」

リゼ「いやー、本当に見事だったな!後でトマトジュース奢ってやるよ」

ココア「いらないよ!そんな吸血鬼が好みそうな飲み物じゃなくてもっと温かくて甘くておいしいのがいいー!」

チノ「トマトジュースに対してなんて失礼な……」

メグ「そういうと思ってコーンポタージュ買ってきたよ~」

ココア「ありがとう!なんて気が利く妹なの!?」

メグ「えへへっ」

チノ「わ、私もカフェラテをあげます」

メグ「妹力ではメグさんには負けません」ボソッ

ココア「チノちゃんもありがとー!後半なに言ってたのかよく聞こえなかったけど」

チノ「何も言ってません」ムスッ

ココア「えー?そうかな……。とにかく、可愛くて気が利く妹たちに囲まれた私は幸せだよー」
セット12345678910
三宝珠72339S               
915-       
コーヒーS G38S               
1316-       
メグココアG-G-S                
00-       
S:ストライク/スペア G:ガーター F:ファール
後編に続く

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