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歩くんですの箱 SS置き場

躍動感を表現するにはどうすればいいんだろう……と日々考え中。

【ラブライブSS】5年前のできごと (Part03)

Part03 (Part02の続きです)


【穂乃果・アパート】

 ~~~~~~

穂乃果「……許さない……絶対に」

???「えへへ……」

穂乃果「どうして……どうして笑ってるの?どうして、平気でいられるの……っ」

???「だって……ううん」

穂乃果「私は、絶対に許さない……」

???「最後に、ひとつだけ……」

???「わたし、だい、すk―――」

 ~~~~~~

穂乃果「はぁ……はぁ……はぁ……」

雪穂「お姉ちゃん?」

穂乃果「あ、ああ……雪穂……」

雪穂「また、あの夢?」

穂乃果「うん……最悪の目覚めだよ」

雪穂「お姉ちゃん……」ダキッ

穂乃果「……私、絶対に、許さない」ギリッ

雪穂「うん……」

穂乃果「雪穂。あなたの敵、絶対取って見せるからね」

雪穂「……うん、ありがとう、お姉ちゃん」

 ***

雪穂「穂乃果、今日もうなされていたようだね」

雪穂「フラン……あなた、見てたの?」

雪穂「そりゃあそうだろう」

雪穂「それにしても、久しぶりに良い天気ね」

雪穂「良い天気……か。君は変わっているな」

雪穂「そうかしら」

雪穂「黒い雲に覆い尽くされて、太陽の光も指していない。それどころか大粒の雨が降っている。100人に聞いたってこれが良い天気だと答える人なんかいないだろう」

雪穂「でも、私にとっては良い天気よ。だって、この雨の中出掛けたいなんて思わないもの」

雪穂「つまらんな。君の境遇が君をそういう思考にいざなっただけのことか」

雪穂「なんかその言い方腹立つわね」

雪穂「そう言うなって。僕は君の置かれた境遇に同情しているんだから」

雪穂「そんなニュアンス欠片も伝わらないけど」

雪穂「感情を伝えるのが苦手なんだ。犬だからかな」

雪穂「はあ……なんかあんたと話してると疲れるわ。そんなことより洗濯物洗わないと」

雪穂「今日は外には干せないよ」

雪穂「大丈夫よ、この洗濯機は乾燥機付きだから」

雪穂「あなたの敵、絶対取って見せる……か。一体どうするつもりなのかしらね」

 ***



【凛・自宅】

凛「あっ、こころちゃんとここあちゃん。久しぶりだにゃ~」(二人まとめてかき抱く)

希「最近、仕事の方はどうなん?」

凛「うーん、大変だけど、とーってもやりがいがあるし、凛は満足してるにゃ」

こころ「何のお仕事をされてるんですか?」

凛「こころちゃんも大人っぽくしゃべるようになったね。あー、でも昔から敬語だったし、実はそんなに変わってないのかな?」

こころ「もしかして私、成長してないってことですかっ?」

凛「えへへ、冗談だよ冗談。それにしても、二人とも高校生だった頃のにこちゃんにそっくりだにゃ」

ここあ「姉ちゃんに……」

凛「あっ……えっと、そうだ、お仕事の話だったよね。凛は介護のお仕事をやってるんだにゃー。自力ではあんまり歩けなかったり、体を動かせない人のお家に訪問して生活のお手伝いをしてるんだよ」

ここあ「へー、なんだか大変そう」

こころ「偉いですね、凛さんは」

凛「そんなっ、凛なんて大したことないにゃ。そんなことより、玄関先じゃなんだし上がって上がって」

ここあ/こころ/希「おじゃましまーす」

 ***

凛「うーん、にこちゃんのことは何も知らないにゃー。ごめんね」

ここあ「まーそうだよなー。気になるのは、姉ちゃんがいなくなる直前にも殺人が起きてるってことだよ」

凛「うん……。ことりちゃんが死んで、そのすぐ後ににこちゃんがいなくなって……。やっぱり、なにか関係があるんじゃないかって思っちゃうにゃー」

こころ「そうなんです。凛さんは、ことりさんのことで何か知っていることはありませんか?」

凛「何者かに刃物で脇腹を繰り返し刺されて死んだ。凶器の刃物が付近の路上のごみ捨て場に捨てられてるのが見つかった。ことりちゃんが死んだときのことで凛が知ってるのはそのくらいだにゃ」

こころ「私たちもそう聞いています」

希「一体誰なんやろな……。どうしてことりちゃんは殺されたのか。殺した犯人はにこちゃんの疾走に関わってるのか。だとしたらなぜ……」

凛「役に立たなくてごめんね。でも、凛は何も知らないし、それは他のみんなも同じなんだと思うよ」

ここあ「そうだよね。警察ですら何もわからないってんだから」

凛「ただ……きっと穂乃果ちゃんは悲しんでるだろうなって」

希「穂乃果ちゃん?そりゃそうやろね、ずっと一緒だった幼馴染がいなくなる悲しみは、うちら以上のものやと思う」

凛「うん、だからね、凛は穂乃果ちゃんのこと信じてるんだ」

こころ「……信じてる?」

凛「うん……。あの事件が起きるちょっと前、雪穂ちゃんが亡くなったでしょ?自殺で。家族が突然いなくなっちゃう悲しみがどういうものか分からないけど、穂乃果ちゃんとっても辛かったと思うから」

こころ「凛さんは、穂乃果さんが実はことりさんの死をあまり悲しんでいないんじゃないかと思っているんですか?家族を亡くした悲しみが大きすぎて、友人が亡くなったことをそこまで重く受け止めていないのではないか、と」

凛「……凛はね、絶対にそんなことないって信じるよ」

ここあ「だけどさ、仮にそうだったとしても、穂乃果を責めることはできないよ。現にうちらだって……正直に言うとさ、姉ちゃんがいなくなったことが一番辛いって思ってるし」

希「やっぱり身内の不幸が一番辛いものやもんね。まして自殺ともなると……」

凛「それは……うん」

希「凛ちゃん、ことりちゃんが亡くなるより前に、穂乃果ちゃんに会ったん?」

凛「えっ、あ、あの……」

希「いや、答えたくないなら無理にとは言わんけど」

凛「そういうわけじゃないんだけど……。うん、会ったよ、二日前くらいだったかな」

希「どんな様子だったん?」

凛「実はあんまり覚えてないんだにゃ。元気なさそうだったのは覚えてるんだけど」

希「ことりちゃんが死んだ後は?」

凛「会ってないよ。知っての通り、事件のあと穂乃果ちゃんは葬儀に出る暇もなく下宿先に帰っちゃったから、会う暇はなかったにゃ」

こころ「凛さん、最後に一つだけ聞いてもいいですか?」

凛「うん、なにかな?」

こころ「穂乃果さんは、雪穂さんの死が本当に自殺だったと思っているでしょうか」

 ***

【希・自宅】

希「というわけやけど、話を聞いた感じ、どうやったかな?」

こころ「はい……やはり、調査が進展するようなお話はそうそう出てきませんね」

ここあ「むずかしいよなー。いくらμ’sで一緒だったっていっても、事件に関わる話をそうそう知ってるわけないよ」

希「二人とも、思ったことがあったんなら正直に言ってええんやで?ウチは誰にも言わんから」

こころ「どういう、ことでしょうか……」

ここあ「うーん、別に変なところはないと思うけどなー」

希「そういいつつ、何かに気付いてる顔しとるで?二人とも」

こころ/ここあ「……」

希「間違ったってええんよ。今は、手元にあるヒントを足掛かりに進んでいくときやないかな?」(「月」のタロットカードを上下逆さに持ちながら)

ここあ「……降参だ。希の言う通りだよ」

こころ「ここあ……」

ここあ「凛は、ことりのことで何か知ってる。ことりと……穂乃果のことで、なにかウチらに話してないことがある気がするよ」

希「ウチもそう思った。でも、だとしたら、どうして凛ちゃんはウチらにはそのことを話さなかったんだと思う?」

Part04へ続く

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