忍者ブログ

歩くんですの箱 SS置き場

躍動感を表現するにはどうすればいいんだろう……と日々考え中。

【ラブライブSS】5年前のできごと (Part02)

Part02 (Part01の続きです)


【穂乃果・アパート】

雪穂「フラン、ちょっと見てくれない?」

雪穂「ほう、トートバッグか」

雪穂「なかなか良く出来てるでしょ?外側だけじゃなく、内側にもポケットが付いてるのよ」

雪穂「なるほど。それに、それぞれのポケットでサイズが違うから用途別に使い分けが出来るわけだ。考えたね」

雪穂「ええ」

雪穂「それはそうと、そろそろ穂乃果が帰ってくる時間だ。道具一式は早急に片づけた方がいいんじゃないかい?」

雪穂「おっと、いけない、もうこんな時間なのね。裁縫なんかしてるのバレたらまた絶対怒られるわ」

雪穂「君の主(あるじ)様は厳しいからね。僕もそろそろお暇しよう」

 ***

穂乃果「ただいまー!」

雪穂「お帰りお姉ちゃん」

雪穂(危なかったぁ。あと10秒帰ってくるのが早かったら針を扱ってたのがバレるところだったわね)

雪穂「今日もお勤めご苦労様」

穂乃果「もー、ホントに疲れたよー。今日の会議でさ、上司が何て言ったと思う?」

雪穂「何を言われたの?」

穂乃果「それがさー……」

 ***

穂乃果「雪穂ー、ごはん出来たよー」

雪穂「うーん、って、冷凍食品温めただけじゃん」

穂乃果「しょうがないじゃん。疲れててやる気が出ないんだもん」

雪穂「だったら、私に料理任せてくれればいいのに」ボソッ

穂乃果「えー、何か言った?」

雪穂「別に」

穂乃果「それより、今日はよく晴れてたけど、まさかお外に出たりはしてないよね?」

雪穂「そんなわけないじゃん」

穂乃果「ほんとに?」

雪穂「お姉ちゃんに嘘なんかつかないよ」

穂乃果「うむうむ。雪穂はいい子だねー」ナデナデ

雪穂「お姉ちゃん、くすぐったい」

穂乃果「ほら、もっとこっちに来てよー」ギュー

雪穂「ひゃっ、ほねえひゃん!?」

穂乃果「よしよし、雪穂はいい子だねー」ナデナデ

雪穂「もう、子ども扱いしないでよー」

穂乃果「そんなこと言って、ホントはお姉ちゃんにナデられるの大好きなんだよね。穂乃果知ってるよ」

雪穂「別に、そんなんじゃ……」

穂乃果「雪穂はまだまだ子供だなー」スリスリ

雪穂「もう、お姉ちゃんったら」

穂乃果「ふふふっ」

 ***



【希・自宅】

希「もう5年前になるんやね」

ここあ「まだうちらは小学生だったんだよなー」

こころ「5年生の夏でした。あの日のことは忘れもしません」

希「そんな小さかったんやね。辛かったやろ……」

こころ「はい。でも、もう今はある程度覚悟してるんです。ただ……もう二度と会えないのだとしても、せめて消えたお姉さまがどうなったのか、それを知りたい」

こころ「秋葉原に戻って来られた今が、その手がかりを得られる最大のチャンスだと思うんです」

希「もうあの日から長い時間が経ってしまった。せやから、手に入る手がかりはもう少ないかも知れんよ」

ここあ「希、姉ちゃんはたった一人のうちらの姉ちゃんなんだ。ガキだったあの頃のあたしでも、姉ちゃんが本当にうちらを大切に思ってくれてるのが分かった。そんな姉ちゃんがある日突然いなくなって、そのまま何も分からずにおしまいって言われたって納得できないんだよ」

こころ「出来る範囲でいいんです。私たちに協力してくれませんか?」

希「……ウチだって、大切な友人一人が突然いなくなったなんて、そんなこと受け入れられるわけない。本当は、にこっちに何があったのか知りたい。だから、逆にウチからお願いしてもええかな」

希「にこっちのこと、ウチも協力させて下さい」ペコリ

こころ「希お姉さま……はい、ぜひよろしくお願いします!」

 ***

希「まずは、にこっちがいなくなった時のこと、聞かせてくれる?」

こころ「はい。といっても、事件は私たちの知りえないところで起きてしまいましたから、この話の中にどれほどの手がかりがあるのか分かりませんけど」

 ~~~回想(5年前)~~~

こころ「おねえさま、またお出かけですか?」

にこ「ええ。地方のステージに行かなきゃだから何日間か家を空けるけど、その間パパやママに迷惑かからないようにいい子にしてるのよ?」

ここあ「すごいなー。おねえちゃん、日本中からひっぱりだこだもんね」

にこ「そうよ。みーんな、にこのステージを心待ちにしてるにこ☆」

こころ「はい!ぜん国のみなさんに、えがおを届けてください、おねえさま」

にこ「もちろんよ、なんたってにこは、宇宙ナンバーワンアイドルなんだから!」

こころ「おねえさま」キラキラ

にこ「じゃあね。こころ、ここあ、行ってくるわよ」

こころ「ではおねえさま、お気をつけて」

ここあ「いってらっしゃーい、お姉ちゃん」

 ~~~~~~~~~~~~

こころ「ですが、お姉さまが再び帰ってくることは二度とありませんでした」

希「うん、当時ウチが聞いた話の通りやね」

こころ「お姉さまは、地方巡業で全国を駆け回っていました。当時の私たちは、お姉さまが本当に売れっ子のアイドルなんだと思っていましたけど、実際には必死に細々した仕事を見つけては地方を回っているような日々を過ごしていたようです」

ここあ「そんなだから、送り迎えの車なんて当然なくて、現場までは交通費も全部自腹だった。少ない給料で必死にそれをやりくりしてたってことを知ったときは、さすがに心にくるものがあったよ」

こころ「そんなに大変な思いをして地方を回っていたなんて、私たちはぜんぜん知らなかったんです。だから、私たちは知らないうちにお姉さまにすっごく負担を掛けていたと思います。こんなことになってから悔やんでも遅いけど……でもそれが本当に申し訳なくて……」

希「例えそうだとしても、にこっちは、二人の理想の姉であり続けようとしたんよ。せやから、その気持ちを素直に受け取ってあげた方がにこっちもきっと喜ぶと思うで」

ここあ「だとしても、うちらはまだその気持ちを受け取ることなんて出来ない。必ず姉ちゃんの身に何があったのかを突き止めて、それで初めてうちらは姉ちゃんの気持ちを受け取れるんだ」

希「ならなおさら、にこっちに何があったのかを突き止めんとあかんなぁ」

こころ「とはいえ、お姉さまが行方不明になった時のことについて私たちはほとんど何も知りません。希お姉さまは、何か知っていることはないのですか?」

希「うーん、残念やけど、ご期待には応えられそうにないなぁ。気になることはあるんやけど」

こころ「雪穂さんの自殺と、ことりさんが殺された事件、ですよね」

希「偶然立て続けにそういうことが起こった、と言われればそうなのかも知れへん。実際、警察はにこっちが行方不明になった件との関連性は突き止められんかった。せやけど……」

ここあ「分かるよ。あの時期にあれだけいろんなことが起きたのが、全部偶然だなんて思えない」

希「あの頃は、ウチも、多分他のみんなも精神がボロボロになってしまっとった。悲しいとか、そんな段階はもうとっくに通り越して、もう毎日何が何だか分からずに過ごしとったからね。……でも、後になって思うんや。もしあの時もう少し冷静だったら、もう少しいろんなことが見えていたんやないかって」

こころ「あの状況で取り乱すのは無理もないことです。あれだけ痛ましいことが続いたんですから……」

ここあ「とりあえず、今は秋葉原に残っている人たちからだけでも話を聞いて手がかりを集めようよ」

希「今秋葉原におるのは、凛ちゃんと亜里沙ちゃん、それに……」

こころ「……希さん、どうかしましたか?」

希「ううん、なんでも無いんよ。じゃあ、まずは凛ちゃんに会えるかどうか聞いてみる」

こころ「お願いします」

Part03へ続く

拍手[0回]

PR