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歩くんですの箱 SS置き場

躍動感を表現するにはどうすればいいんだろう……と日々考え中。

【ラブライブSS】5年前のできごと (Part01)

お久しぶりです。

今回は、ラブライブのメンバーが高校を卒業してから7年後(穂乃果基準)を舞台にしたお話です。
5年前に起きた出来事をめぐって、高校入学を直前に控えたこころとここあが事件の全容を解き明かしていく物語です。

中盤までは、「穂乃果視点の話」と「こころ・ここあ視点の話」が交互に出てきますが、これらのエピソードは時系列的には大体同時進行しています。
なお、本SSではアニメではなくSIDの設定に準拠し、こころ・ここあは双子の姉妹としています。虎太郎という弟は存在しないことになっているので出番はありません(虎太郎くんごめん……)

※キャラ崩壊注意 ※鬱注意
以上の点を留意できる方のみお読みください。


Part01


【穂乃果・アパート】

雪穂「ふんふんふ~ん♪」

雪穂(たまにこうやって料理をやってみると、昔を思い出すわ)

雪穂(台所に立つのはしばらくぶりだけど、意外と手順とか覚えているものね)

雪穂(あの頃はほぼ毎日やっていたから、体に染み込んでいるんだわ)

穂乃果「雪穂ー」

雪穂「なあに、お姉ちゃーん?」

穂乃果「雪穂、どこー……ってもしかして、お台所にいる?」

雪穂「うん。お姉ちゃんが朝起きるの遅いから朝ごはん作ってたの」

穂乃果「もう、お料理は危ないから止めてって言ったでしょ?雪穂は何もかもお姉ちゃんに任せてればいいの」

雪穂「えー、たまには良いじゃん。お姉ちゃんはホント過保護なんだから」

穂乃果「もうっ!今日だけは特別に許してあげるから、もう二度とやらないって約束してよ」

雪穂「はいはい。それより、出かける準備しなくていいの?急がないと遅刻だよ」

穂乃果「えっ、もうこんな時間!?早く着替えないとっ」

雪穂「朝ごはんはちゃんと食べてね。せっかく作ったんだから」

 ***

穂乃果「それじゃ、お仕事行ってくるね」

雪穂「うん、行ってらっしゃい」

穂乃果「穂乃果がいない間、絶対外に出ちゃダメだからね。それと、誰が来ても絶対に開けちゃダメ」

雪穂「分かってるって」

穂乃果「お外は危ないんだから。いつ襲われるか分かんないからね」

雪穂「だから、もう分かったよ」

穂乃果「あと、絶対に料理はしないこと!火事になったりケガをしたら大変だからね」

雪穂「でも、それだとお昼食べるもの無いんだけど」

穂乃果「うっ……。そっか、今日は穂乃果が起きるの遅くなっちゃって雪穂の分のお昼作ってないんだった……」

雪穂「というわけだから、今日だけは特別にお昼ご飯作っても良いでしょ?」

穂乃果「……分かったよ。その代わり、使っていいのは家にある食材だけだからね。外に買いに行ったりとかは絶対にダメ!」

雪穂「分かってるって。じゃあね、行ってらっしゃい」

穂乃果「行ってきまーす!」ガチャ

 ***

雪穂「今日もよく晴れてるわね、フラン」

雪穂「そうだな、この一週間は日照りが絶えることはなかった」

雪穂「こんな日に外に出かけたらどれだけ気持ちのいいことかしら」

雪穂「ああ、たまには散歩をしたい気分だ。もちろん叶わぬことだが」

穂乃果『穂乃果がいない間、絶対外に出ちゃダメだからね』

雪穂「そうね……」

雪穂「僕にしてみれば、こんなのは慣れっこだがね。生まれた時から常にどこかに繋がれて生きてきたのだ。今更どこかに行けと言われても、逆に困ってしまうよ」

雪穂「そうよね。あなたはずっと誰かに飼われてきたんだもの」

雪穂「ははっ。だが、この身分も案外悪くはないものさ。自分で何かを考える必要なんてない。楽なものだ。身の回りに起こることの責任は、すべて飼い主が追うのだからな」

雪穂「そんなのつまらないわよ」

雪穂「違いない。でもそれは、楽をしている分の代償を払っているに過ぎないだろう。自由な分すべての判断が自己責任になる重荷を負うのと、楽をする分だけつまらない日常を送るのとでは、果たしてどれだけの差があるのだろうな」

雪穂「どちらかを選べと言われるなら、私なら後者を選ぶけど」

雪穂「どちらを選んでも得られる利益の量が同じだとしてもか」

雪穂「同じなんだったら、なおさらどっちを選んでもいいじゃない。それに……」

雪穂「それに、なんだ?」

雪穂「私は同じではないと思う。だって、現に今の私は前者しか選べない。後者の選択肢を選べるというだけで、それは既に恵まれたことなのよ」

雪穂「他者が必ずしも選べない選択肢を与えられたとき、せっかく選べるのだからとその選択肢を選ぶのは、もはや選択とは呼ばない。その行為には己の判断が介入していない」

雪穂「そうね。恵まれている、恵まれていないの問題ではないのかも知れない。でも、もし私がもしこの家を出ていけるのなら、間違いなくそうするでしょうね」

雪穂「そのときは、僕も一緒に連れていてくれるのかい?」

雪穂「残念だけど、その頃には、きっとあなたは用済みになってるわよ」

雪穂「ひどいもんだ」

雪穂「その通りよ。そうじゃなきゃ、きっとこんなことにはならなかった」

雪穂「……」

雪穂「さてと、とりあえず洗濯と掃除をやっておかなきゃね」

 ***

雪穂「暇だわ……」

雪穂「掃除と洗濯は午前中に終わっちゃったし」

雪穂「にしても嫌になるわ……日中はずっと家に一人でいるから、独り言が多くなっちゃうのよね」

雪穂「『フラン』なんて実在しないキャラまで登場させて、我ながら呆れるわ」

雪穂「……そういえば、まだ布が残ってたかしら」

雪穂「高校の時は裁縫なんて興味なかったけど、こうも暇だといつの間にか得意になっちゃった」

雪穂「全く……」チクチク

 ***



こころ(あの夏にお姉さまが行方不明になってから、私とここあはしばらく親戚の家に預けられていた)

こころ(お母様がお仕事で忙しく、まだ小さかった私たちの世話をするのは難しかったのだ)

こころ(けれど、私とここあが音ノ木坂学院に入学することになり、再び秋葉原に戻ってくることになった)

ここあ「うわー、久しぶりだなー」

こころ「こんなに賑やかな町だったのね、秋葉原って」

ここあ「ギャップ感じるよねー。あっちは駅前に郵便ポスト以外何もないような田舎だったもんなー」

こころ「それで、待ち合わせ場所はここで合っているのかしら?」

ここあ「待ち合わせのやり取りしてたのこころだろー?あたしに聞かれてもなー」

こころ「心配になっちゃうのよ。電気街口で間違いないはずなんだけど……」

ここあ「あ、あそこにいるの希じゃね?」

こころ「えっ、どこかしら?」

希「こころちゃーん、ここあちゃーん」

こころ「あっ、希お姉さま。お久しぶりです!」

希「こころちゃん?ずいぶん大きくなったなぁ」

ここあ「希はあいかわらず胸でかいなー!」

こころ「ちょっと、こころ。失礼よ」

希「まあまあ。じゃあ、立ち話してるのもなんやし、どっかお店に入ろっか」

 ***

【焼肉屋】

こころ「で、焼肉屋ですか……」

希「あ、もしかして嫌やった?」

こころ「いえ、希お姉さまは相変わらずだなって思って」

希「こころちゃんも相変わらずやん?」

こころ「どういうところがですか?」

希「その、希お姉さまって呼び方」

こころ「はい!希お姉さまは、何があろうと希お姉さまですから!」

ここあ「それより、どんどん焼いてかないと時間勿体ないぞー」ジュー

希「せやね……って、もう網がお肉で埋め尽くされとるんやけど」

ここあ「二人とも、焼けたやつからどんどん取って食べなよー」

こころ「希お姉さま、あーん」

希「なっ!?ちょっと、恥ずかしいからやめて///」

こころ「ふふっ、希お姉さま、赤くなって可愛らしいです」

希「くっ、こころちゃんもしばらく見ない間にやるようになったなぁ(遠い目)」

ここあ「それにしても、みんなは今どうしてるんだ?」

希「今東京に残ってるんはウチと海未ちゃん、凛ちゃん、あとは絵里ちの妹の亜里沙ちゃんやね」

こころ「地方に行かれた方が多いんですね。なんだか少し寂しいです」

希「うーん、でもみんな無事に自分の道を見つけられたってことでもあるんよ」

ここあ「そういえば、もうみんな社会人なんだよなー。大学卒業してるし」

希「真姫ちゃんは医学部やから、まだ卒業してないね」

こころ「そっか、医学部は6年間なんですよね」

ここあ「すごいよなー。国立の医学部で、医者になったら実家の病院継ぐなんて、将来安泰じゃーん」

希「あとは、亜里沙ちゃんがまだ大学生かな。1年浪人して入ったから、今年4年生になるね」

希「花陽ちゃんも今は大学院生やし」

こころ「何をしてらっしゃるんですか?」

希「日本の農業の発展に貢献したいって言って、農学を学んどるんよ。北海道におるんやけど、前に会った時冬は寒くて死にそうって言ってたなぁ」

ここあ「海未はやっぱりこれ?」(弓を引く仕草)

希「そうやね。実家の有望な跡取りだってご両親はホンマに嬉しそうにしとったよ」

こころ「いいですね。皆さん、それぞれの人生を歩まれていて」

希「……心配なんやろ?お姉ちゃんのこと」

こころ「いえあのっ、そんなつもりじゃ」アワアワ

希「分かってるんよ。どうして二人は東京に戻ってきて、真っ先にウチに会うことにしたのか」

こころ「……なんでもお見通しなんですね、希さんは」

希「なんでもってことはないんやけどね。でも、このくらいのことなら簡単に分かるんよ」

希「知りたいんやろ?『あの夏に、いったい何があったのか』を」

Part02へ続く

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