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歩くんですの箱 SS置き場

躍動感を表現するにはどうすればいいんだろう……と日々考え中。

【ラブライブSS】遥「今年こそお姉ちゃんとイルミネーションを見に行く」

遥「今年こそお姉ちゃんとイルミネーションを見に行く」


遥「今日は12月24日、クリスマスイブ!」

遥「クリスマスといえばイルミネーション!……だというのに、お姉ちゃんったら、私が毎年誘ってるのにいっつも寝ちゃって、結局行きそびれるんだよね」

遥「今年こそは何としてもお姉ちゃんをイルミネーションに連れて行くんだから!」

遥「……さて、まずは傾向と対策だよね」

遥「なぜ、毎年お姉ちゃんはイルミネーションの時間になると寝てしまうのか……」

彼方「おはよ~遥ちゃん。朝からなんか張り切ってるねー」

遥「あっ、お姉ちゃん!ちょうど良かった!」

遥(今のうちに『一緒にイルミネーション見に行こう?』って言っておけば夕方までに寝だめして、夜には元気いっぱいになってくれるかも!)

遥「あのね、お姉ちゃん」

彼方「あれー、まだ8時じゃーん。彼方ちゃんもう一度寝るね、おやすみー」

遥「あ、ちょっ」

遥「……」

遥「そうだった、お姉ちゃんは寝てるのがデフォなんだった……」

遥「って、あれ?それじゃ傾向と対策も何もないじゃん!」

遥「お姉ちゃんはいつも寝てるからイルミネーションのときも寝てる、でFAじゃん!」

遥「……じゃなくて!」

遥「諦めるにはまだ早い、イルミネーションまではあと10時間もあるんだから!」

遥「さて、気を取り直して例年のお姉ちゃんの行動パターンをおさらいしてみよう」

遥「まずは朝。ちょうどこんな風に、朝起きてきたとしてもまたすぐに寝ちゃって……そのまましばらく起きてこないんだよね」

遥「ん、待てよ?お姉ちゃんが昼間寝ている分には別に問題ない。むしろ夕方までに寝だめをしてくれればいいんだから……つまりは、すべてが私の計画通り!完璧じゃない!!」

遥「ということは今夜はついに……」

 〇。。。

遥『寒いね、指先が凍りそう』

彼方『手、つないじゃう?』

遥『いいの……?』パア

彼方『もちろんだよ~』

遥『あっ、お姉ちゃんの手、温かい』

 。。。〇

遥「わぁ、なんかもうドキドキしてきちゃうなあ♪」

遥「……じゃなかった。今のうちにデートコースをおさらいしておかないとね!」

遥「まずは駅前までバスで出て、っと、その前にコンビニで温かい飲み物でも買って行った方が良いかな。夜はかなり冷え込むだろうし」

遥「いや、でも温かい飲み物があったら両手で持って手を温められちゃうからお姉ちゃんと手を繋げないのでは……」

遥「あ、それなら魔法瓶に温かい紅茶を入れて行けば良いんだ!魔法瓶の外側は冷たいから手を温めるのには使えない、つまり手を繋ぐしかない!」

遥「……それはともかく、駅前からはイルミネーション会場までシャトルバスが出てるから、これに乗り換える。10分間隔で出るからそんなに待つことはないだろうけど、一応時間は調べておくとして……」

遥「問題は、シャトルバスがどれだけ混んでるかだよね。クリスマスのイルミネーションに行くバスなんだからギュウギュウ詰めという事態も……はっ、もしや痴漢とか!?」

遥「ダメよ、お姉ちゃんに手出しなんてさせない。私がお姉ちゃんを守ってみせる!」ゴゴゴゴ

遥「その後は、ええっと……混みあったバスの中で押し潰されて、私とお姉ちゃんはぴったり密着、お姉ちゃんのやわらかなおっp」

彼方「おはよー……」

遥「えっ?お姉ちゃん起きちゃったの!?」

彼方「うーん?彼方ちゃん、起きちゃまずかった?」

遥「い、いや、そんなことはないけど……でもほら、まだお昼前だよ?」

彼方「うーん、でも今日クリスマスイブでしょう?ケーキ焼かないとー」

遥「そ、そっか」

遥(そうだった。クリスマスのときはお姉ちゃんケーキ焼くからいつもより早く起きるんだった。それで力尽きて夜にぐっすりと……)

遥「ど、どうしようっ!?」

彼方「どしたの遥ちゃん?急に大きな声出して」

遥「い、いや、こっちの話……」

遥(今のうちに寝ていてもらわないと夜にイルミネーション行けなくなるじゃん!なんて言えない……)

彼方「あー、そういえば小麦粉切らしてるの忘れてたー。イチゴと生クリームも買わないといけないし」

遥「私が買いに行きます!」キリッ

彼方「おー、遥ちゃん、やる気だねー」

遥「必要な材料だけ言ってくれれば、私が買ってくるから!帰ってくるまでお姉ちゃんは寝てて!」

遥(私が買い物で少しでも長く時間を稼げば、それだけお姉ちゃんはゆっくり寝られる!)

彼方「いいのー?あー……でも、材料は私なりにちょっとこだわりたいし、自分で行くことにするよー」

遥「いやいや!どの商品とかも指定してもらえればちゃんと選んでくるから大丈夫、だから、ここは私に任せて?」メモメモ!

彼方「えー、でもお店に指定したのが無かったら良さそうなのをその場で選ぶことになるし」

遥「そんなあ……」

彼方「あれー、遥ちゃん、なんでそんなに残念そうなの?」キョトン

遥「ざ、残念とかじゃないけど……、あっ!せめて荷物持ちだけでもやらせて下さいお願いします」ドゲザッ

彼方「そこまで言うなら一緒に行こっかー」

遥「ありがとうお姉ちゃん!!」

 ―

遥(荷物持ちどころか、買い物が終わった後ぐっすり眠ってしまったお姉ちゃんを負ぶって帰ってくることになりました)

遥(正直ヘトヘトだけど、眠ってるお姉ちゃんとぴったり密着できて役得ってところかな?)

彼方「ふぁあ……、あ、もうお家に着いたんだー。遥ちゃん、ありがとー」

遥「もう、買い物終わった途端に寝ちゃうなんて、お姉ちゃんは私がついてないとダメダメなんだから!」

彼方「頼りがいのある妹を持って、お姉ちゃんは鼻が高いです」

遥「そこ開き直るところ!?」

彼方「でも、彼方ちゃんだってやる時はやる子なんだよー。というわけで、今からケーキを焼きます」

遥「それじゃあ私も手伝う!」

彼方「大丈夫、遥ちゃんは休んでてー。疲れたでしょ?」

遥「ううん、ぜんぜん疲れてないから何でも言って!」(少しでもお姉ちゃんの負担を減らしてあげないと!!)

彼方「ほんとうにー?」ジィー

遥「お、お姉ちゃん!?そ、そんなに見つめられると……///」

彼方「遥ちゃん顔赤ーい。やっぱりちょっと疲れてるね」

遥「そうじゃなくてっ……///」

彼方「大丈夫、ここはお姉ちゃんに任せて?」

遥「わ、分かりました……」

遥(結局押し切られてしまった……)

遥(まあ、確かにお姉ちゃんのお菓子作りの腕は確かだし、私が手伝えるようなところなんてほとんどないのも事実だけど……)

遥(しょうがない、ここはデートコースの復習の続きを)

遥(満員のバスに揺さぶられながらも、何とか会場に到着。ただし、会場になってる公園の中に入るには入場券が必要)

遥(となると、もし入場券売り場の前に長蛇の列ができていたらまずいよね)

遥(寒空の下、長い時間ずっとお姉ちゃんをじっと待たせてしまうことになる)

遥(も、もしかしたら風邪を引いちゃうかも!!)

遥(……となると、入場券は予め用意しておいた方が良いよね、よし!)

遥「お姉ちゃん、ちょっと出かけてくる!」

彼方「うーん?」

 ―

遥「たっだいまー!!」

遥(入場券2枚ゲット!ミッションコンプリート!)

彼方「おかえりー。もうすぐケーキ焼けるよ~zzz」

遥「あ、お姉ちゃんがすっごく眠そう!!!」

彼方「だいじょーぶ、このケーキが焼けるまでは起きてるよぉ~zzz」

遥「そんなっ、このままお姉ちゃんが寝ちゃったら……結局、イルミネーションに行けないという未来は変えられないというの!?」

遥「いや、諦めるのはまだよ遥。イルミネーションまではあと3時間もある、今から寝たって3時間後に起きれば間に合う!」

彼方「あ、ケーキ焼けたみたい。おー、これは……。見て見て遥、すっごく美味しそうでしょ?」

遥「あ、ホントだ!ねえねえ、ちょっと味見してもいい?」

彼方「だーめ、デコレーションしてからね」

遥「デ、デコレーション!?」

彼方「そりゃあそうでしょ?せっかくのクリスマスケーキなんだから、カワイーく飾らないと」

遥(そうだった……デコレーションにかかる時間は30分、いや1時間?つまりはそれだけお姉ちゃんの睡眠時間が減るということ、これは……まずい!)

遥「あ、あのさお姉ちゃん」

彼方「うーん?」

遥「デコレーションくらいは私がやるよっ!だからお姉ちゃんは休んでて?」

彼方「却下」

遥「なんで!?」

彼方「つまみ食いしそうだから?」

遥「ぐはっ、さっきの軽口が仇(あだ)に……」

彼方「というわけで、ここは彼方ちゃんにお任せー」

遥(うう、ここも押し切られてしまった……。このままじゃお姉ちゃんの睡眠時間は減る一方、どう巻き返せば……)

 ―

彼方「かんせーい。うーん、これは会心の出来、彼方ちゃん自画自賛」

遥「すっ、すごい!かわいい!それに、こんな細かい飾りつけまで……」

彼方「でしょー、彼方ちゃん天才zzz」

遥「お姉ちゃん!?」

彼方「彼方ちゃんは今日はもう閉店なのです……zzz」

遥「そんな……」

遥(お姉ちゃんの作ったケーキは、それはもう素晴らしい出来)

遥(しかし、それだけデコレーションには時間も労力もかかり……)

遥(残り時間はわずかに1時間半。それまでの間にお姉ちゃんが再び起きる可能性は限りなく低い)

遥(なんでこう上手く行かないんだろう……。でも、こんなに素敵なケーキでクリスマスを祝えるのはお姉ちゃんのお陰だし……)

 …………
 ……
 …

遥「もうタイムリミット、なんだけど……」

彼方「zzz」

遥「ぐっすり寝ちゃってるなあ」

遥「こんな幸せそうに寝てるところを起こすなんて、うん、私には無理だ」

遥「お姉ちゃん……きっと、いつかは見に行けるよね?」

遥「それまで、ずっと一緒にいてね?」

 …………
 ……
 …

ドーン

遥「始まっちゃったか」

遥「ベランダからでもちょっとだけ見える、クリスマスのときだけ上がる花火」

遥「実は、この花火に合わせて出かけようと思ってたんだよね。きれいなイルミネーション、空には色とりどりの花火」

遥「どんなに素敵な景色なんだろう?でも……それだってお姉ちゃんが一緒じゃなきゃ意味なんてないもんね」

ドーン、ドーン、ドーン……

彼方「う~ん?……あ、遥ちゃん」

遥「お姉ちゃん……!起きたの?」

彼方「うん、なんかドーン、ドーン、って聞こえてきたから」

遥「花火だよお姉ちゃん。ほら、ベランダからでも少しだけ見えるの!」

彼方「ホントだー。もーっと近くで見たいなぁー」

遥「ホントは一緒に観に行くつもりだったんだよ?でもお姉ちゃん寝ちゃったから」

彼方「そうだったのー?ごめんねー遥ちゃん」

遥「ううん、いいよ。お姉ちゃんのケーキを食べれるだけで十分」

彼方「……ねえ、今からでも行ってみない?」

遥「間に合わないよ、もう」

彼方「そうじゃなくて、イルミネーション。遥ちゃん、楽しみにしてたんでしょ?」

遥「な、何でそれを!?」

彼方「それくらい分かるよー。何年お姉ちゃんやってると思ってるのー?」

遥「……お姉ちゃんっ!」

 ―



遥「お、お姉ちゃん……手、繋いでいい?」

彼方「しょうがないなあー、遥ちゃんは甘えん坊さんだー」ニギッ

遥「そんなんじゃないもん!!」

遥(あっ、お姉ちゃんの手、あったかい)

遥「ねえねえお姉ちゃん、さっきシャンパンタワーの前で撮ってもらった写真!」

彼方「おー、ばっちりだねー」

遥「うんっ、そう……だね……」

遥(ホントにお姉ちゃんとイルミネーションに来れたんだ……)

遥(幾度となく夢に見てきたけど、でもこれは夢じゃないんだ……)

彼方「遥ちゃん……?」

遥(あれ、なんで私……泣いてるんだろう?)

遥(どうして涙が止まらないの?)

遥(せっかくお姉ちゃんとイルミネーションに来れたのに)

遥(これじゃあ、お姉ちゃんを困らせるだけだよ……)

彼方「遥ちゃん……向こうで少し休もっか」

遥(そっか……いつもは眠ってばっかりのお姉ちゃんだけど、それでもやっぱりお姉ちゃんなんだ)

遥(昔からそうだった。こんな風に、泣いている私の手を黙って引いてくれた)

 …………
 ……
 …

彼方「メリー・クリスマス」

遥「……持ってきてたの?ケーキ」

彼方「素敵でしょ?イルミネーションを眺めながら食べるって」

遥「うん……、とっても素敵」

彼方「こんなこと思いつくなんて、やっぱり彼方ちゃんは天才です」

遥「そういうことさえ言わなきゃカッコいいのに」クスッ

彼方「まあまあ、熱い紅茶もあるよー」

遥「いただきます。あー、あったまる……」

彼方「ちょっとは落ち着いた?」

遥「あ……うん」

遥(そういえば、涙が止まってる)

遥「さっきは、ごめん……」

彼方「いいの。ケーキも、ほら、あーん」

遥「お、お姉ちゃん?」

遥(まさか、お姉ちゃんの方からこんな大胆に……)

遥(いやいや、お姉ちゃんのことだから、姉妹だったらこれくらい普通だって思ってるんだ。きっとそう)

遥(だとしても……むしろこれはまたとないチャンス、行くのよ遥!)

遥「あ、あーん……っ///」

彼方「あー、遥ちゃん顔真っ赤ー」

遥「そっ、そんなことないもん!!わ、私からも、お姉ちゃんに食べさせてあげちゃうんだから!」

遥「ほら、あーん!!」

彼方「はむっ。あ、おいしいー」

遥「ぐぬぬ、なんでそんな余裕なの……」

彼方「遥ちゃん、こっち向いて?」

遥「ん?」

彼方「パシャリ。おー、いい画が撮れた」

遥「お姉ちゃん、いきなり撮っちゃダメ!!」

彼方「そう?良い感じに撮れてるけど……ほら」

遥「あっ」

遥(そこに写っていたのは、イルミネーションをバックにした私とお姉ちゃんのツーショット)

遥「その写真、後で印刷してちょうだい?」

彼方「うーん……zzz」

遥「ええ!?お姉ちゃん!?」

彼方「おやすみー……zzz」

遥「お姉ちゃああああああん、寝るのは帰ってからにしてよおおおおお!」

遥(まあでも、これでこそお姉ちゃんだよね)

遥(さっき撮ったツーショット、写真立てに入れて大事に飾ろうっと)

遥(最高のクリスマスプレゼント――お姉ちゃんとの、大切な思い出と一緒に)



おわり

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