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歩くんですの箱 SS置き場

躍動感を表現するにはどうすればいいんだろう……と日々考え中。

【ラブライブSS】花陽「サプライズパーティー?」(1月17日:小泉花陽誕生日記念)

本日1月17日は小泉花陽ちゃんの誕生日ですね!
おめでとうございます!

スクフェスではラブカストーンの配布もありましたが、ガチャはやりましたか?
ドブるのが怖い臆病な管理人はまだやっていませんが……

それはさておき、誕生日ということでSSを書かせていただきましたので投稿します。

花陽「サプライズパーティー?」
1月16日:誕生日前日

【部室】

穂乃果「さて、明日は花陽ちゃんの誕生日です」

穂乃果「と、言うわけで、サプライズパーティーをやりたいと思います!」

わー、ぱちぱちぱち/

希「なるほど、ウチらは作戦会議のために集まった、というわけやね」

花陽「あの……」

ことり「どうしたの花陽ちゃん?」

穂乃果「なにか思いついた?案があったらどんどん出してね!」

花陽「いや、わたしの誕生日のサプライズパーティーをやるんだよね?」

穂乃果「うん、そうだよ」

花陽「これは、そのための作戦会議なんだよね?」

希「そうやね」

花陽「あの……だったら、なんでわたしも呼ばれてるのかなって」

真姫「花陽……」(憐れむような目)

絵里「ごめんなさい、質問の意味が分からないわ」

花陽「えっ、えっ?」

海未「花陽」

花陽「はい」背筋ピン

海未「大切なμ’sメンバーの誕生日なのです。その計画をμ’sメンバー全員で立てるのは当然だと思いませんか?」

花陽「あ、うん……。いやいやでも、サプライズパーティーなんだよね」

凛「うん!やっぱり、何かサプライズがあった方がかよちんだって喜ぶと思うにゃー」

にこ「凛の言う通りよ!普通にお祝いするのもいいけど、やっぱりサプライズがあった方が嬉しいに決まってるわ」

花陽「えっとね、すごく基本的なことなんだけど……、それでいてなおかつ、誰も気づかないのが不思議なくらいなんだけどね……」

絵里「遠慮はいらないわ。言いたいことがあるなら、はっきり言うと良いわよ」

ことり「いろんな意見があった方が、より良いサプライズパーティになるからね♪」

花陽「うん……要はね、本人がいる前で話し合いをしたら、サプライズじゃなくなるんじゃないかなー、なんて……」

希「な、なんだってー(棒)」

絵里「それは気付かなかったわー(棒)」

海未「待ってください、それは間違いないのですか?(棒)」

真姫「ちょっと待って、混乱してきたわ(棒)」

凛「凛には難しくてよくわからないにゃー(棒)」

にこ「にこにも、ちょっとよく分からないにこー☆」

花陽「え、なにこの反応(困惑)」

ことり「花陽ちゃん、ここは観念した方が良いと思うよ♪」

穂乃果「まあ細かいことは気にしない気にしない♪気を取り直して、作戦会議をしよう!」

一同「オー!」

花陽「」

絵里「まず、どこでパーティーをやるのかしら?」

希「部室がええんやない?」

にこ「そうね、それなら放課後すぐに始められるし、準備もしやすいから良いんじゃない?」

真姫「私もそれで良いと思うわ」

海未「異論がある方は……いないようですね」

穂乃果「じゃあ部室で決定!」

凛「飾りつけはどうするにゃ?」

ことり「休み時間にみんなで集まってやればいいんじゃないかな?」

絵里「でも、明日は土曜日だから午前授業よ。放課後すぐに始めるなら、飾りつけしている時間は無いわ」

真姫「今日のうちにある程度やってから帰るとか?」

海未「今からやっては最終下校時刻を過ぎてしまいます。生徒会役員としてはそれは見過ごせません」

真姫「それもそうね……」

希「明日の放課後、みんなでやったらええやん。準備に少し時間が掛かったとしても、午前授業やし時間はたっぷりあるんやから」

絵里「それもそうね。じゃあ、みんな、帰りのホームルームが終わったら、すぐに部室に集まるのよ」

花陽「あの、その間わたしはどうすれば……」

希「もちろん一緒に飾りつけをやってもらうんよ」

花陽「あっ、わたしもやるんですね(真顔)」

真姫「待って。これは花陽のためのサプライズパーティーなのよ。それなのに一緒に飾りつけをやってもらっちゃったら、サプライズにならないじゃない」

希「な、なんだってーっ!?」

花陽「どこから突っ込んだらいいんだろう……」

絵里「そうすると、花陽にはどこか別な場所で待機してもらわないといけないわね」

真姫「土曜日は午前中の授業で毎週宿題が出る科目があるの。花陽には、その宿題をやりながら教室で待機してもらうわ」

絵里「なるほど、とっても有意義な時間の使い方ね」

海未「さすがは真姫です。というわけで花陽、明日の放課後は教室で宿題をやって下さい」

花陽「え、まさかの私の行動指定されちゃうの!?」

ことり「気にしたら負け、だよ♪」

花陽「ことりちゃんが中途半端に理解者なのが逆に辛いよ……」

穂乃果「まさに呉越同舟、だね♪」

花陽「どこをどう繋げたらそうなるの!?」

海未「今日の古典の授業で出てきたのです。まったく穂乃果は……覚えた単語をすぐに使いたがる子供ですか」

絵里「他に話し合うべきことはあったかしら?」

希「どうやって花陽ちゃんをパーティーに呼ぶかがまだ決まってないね」

花陽「いや、いつどこでやるかは分かってるんだし、自分で部室に向かうよ?」

穂乃果「やっぱりサプライズパーティーなんだし、ギリギリまで本人にはバレないようにしたいよね」

花陽「無視ですかそうですか」

海未「当日は、なるべくいつも通りを装う必要があります。特に一年生の二人は同じ教室なのですから気を付けてください」

真姫「任せて」フンス

凛「ばっちりにゃー!」

花陽「どう反応すればいいのかなこれ……」

ことり「何もしなくていいと思うよ♪」

絵里「準備が完了したら、それとなく花陽を部室まで誘導しなきゃいけないわね。くれぐれもパーティーの誘いだと気付かれないようにしないといけないわ」

花陽(もう何も言わないことにしました)

希「具体的にはどうするん?」

穂乃果「うーん……。教室にいる花陽ちゃんに後ろから近付いて、いきなりタオルで目隠しをしてから連行するとか?」

花陽「レ゙ン゙ゴヴザレ゙ヂャ゙ヴノ゙ォ゙!?」

花陽(何も言わないなんて無理でした!)

海未「妙案だとは思うのですが、いまいち芸に欠けますね」

穂乃果「そっか……うーん」

絵里「と言っても、他に何かいい方法はあるかしら?」

希「下駄箱に手紙を入れておくとかどう?朝花陽ちゃんが下駄箱を覗いたら、そこには一通の手紙が……これはもしや、ごくり。みたいな展開になるんやない?」

ことり「文面は『小泉花陽様 大事な話があるので、○○時頃部室に来てください』って感じかな?かわいい封筒に入れて、ハートマークのシールで封をしちゃったりして♪」

凛「すごくいいにゃ!凛だったら、絶対ラブレターと勘違いしちゃうよ!」

穂乃果「いいね。花陽ちゃんはどう思う?」

花陽「ここでわたしに話を振るセンス。一体わたしに何を求めているの……?」

絵里「じゃあ、ラブレターに扮した手紙を下駄箱に入れて花陽を呼び出すってことでいいかしら?」

にこ「いいんじゃない?」

真姫「私も賛成よ」カミノケクルクル

海未「段取りは決まりましたね。では花陽、朝来たら下駄箱にある手紙を必ず確認して、受け取った手紙をラブレターと勘違いして下さい」

花陽「えっ!?『勘違いして下さい』って頼まれるの!?」

絵里「放課後は、時間になるまで教室で待機していて?このあとパーティーが開かれるとはつゆ知らず、ラブレターの相手に思いを馳せてどきどき、気もそぞろって感じでお願い」

花陽「うん……頑張るね……」(死んだ魚の目)

希「そうと決まったら、文面を考えんと」

海未「あと、誰が文字を書くかですね。この中で、きれいな字の書ける人はいますか?」

真姫「ここはやっぱり海未が適任じゃない?一番字がきれいそうな気がするわ」

海未「私ですか……?」

穂乃果「穂乃果も、海未ちゃんがいいと思うな。海未ちゃんって、小学生の頃からすっごく字が上手いんだよ」

絵里「海未、頼めるかしら?」

にこ「待って、ちょっと良い?」

希「どうしたん、にこっち」

にこ「筆跡で誰が書いたか分かったらサプライズに欠けるわ。どうせならμ’sメンバー以外の人に書いてもらうっていうのはどう?」

海未「一理ありますね」

ことり「そういえば、知り合いに魔術師がいるんだけど、その人に頼んでみるのはどうかな?」

真姫「魔術師?」

ことり「きっと、呪文やらなんやらできれいな字を書いてくれると思うよ♪」

真姫「何それ。イミワカンナイ」

絵里「確かによくは分からないけれど……」

希「ええんやない?ことりちゃんのお墨付きなら、きっと信用に足るんやないかな」

ことり「ちょっと待ってね、今電話で呼んでみるから」

数分後……

魔術師?「我の力が入用か?」

ことり「紹介するね。1年生の田中さち子さんです」

さち子「我の真名を軽々しく口にするな!」

ことり「あ、ごめんね~」

にこ「中二病?」

穂乃果「さち子ちゃん、よろしくね!」

さち子「なっ、貴様……その名を二度と口にするでない。身を滅ぼすことになるぞ」

希「まあまあ、それで、なんて呼んだらええん?」

さち子「コホン。よくぞ聞いてくれた。我の名は深淵の魔術師(ウィザード オブ ジ アビス)。汝らにも分かりやすく表現するなら、奈落を司りし者、とでも言ったところか」フッ

ことり「難しいことは分からないけど、とにかく魔術師さんなんだよ♪」

さち子「禁じられた力……その封印を解こうというのなら、協力は惜しむまい。強大な力を開放するのだ。相応の危険を伴う。汝らも心してかかるのだ」

にこ「この子面倒くさいんだけど」

絵里「にこ、それは言わない約束よ」

希「魔術師さん、手伝ってもらいたいことというのはこれなんやけど」

さち子「なんだそれは?魔術結界を構成するための札にしてはファンシーなデザインに見受けられるが?」

ことり「ここに、今からこっちのメモに書いてある通りの内容をそのまま書き写して欲しいの」

海未「あなたの力が必要なのです。お願いします」

さち子「意図が分かりかねる。はっ、さては貴様、熾天使(セラフィム)の使いか!?」

真姫「どうでもいいからさっさと話を進めて欲しいんだけど」カミノケクルクル

ことり「とにかく、これを書いてくれるだけでいいの。おねがぁい」ウワメヅカイ

さち子「うっ……分かった。書けばいいのだろう書けば」

ことり「うん、ありがとう♪」

さち子「全く、こんな無粋な文面に一体いかなる価値があるというのか」ブツブツ

希「これは暗号なんよ。その暗号は、特殊な能力を持つ魔術師さんがその力を行使して書いたものにしか込められない。君にしかできないことなんよ」

にこ「よくもまあ出まかせをぺらぺらと」コソコソ

絵里「でも、希が機転を利かせてくれたおかげでやる気が出たみたいよ」

さち子「汝、深淵の魔術師(ウィザード オブ ジ アビス)の名において命ずる」(ボールペンに力を込めながら)

さち子「その切っ先に集めよ、グングニルの力を!」

花陽(大げさな口上とは裏腹に、思いのほか女子力の高さを感じさせる丸みを帯びたかわいらしい文字がラブレター用の紙に綴られていった。えっと、文面は……)

小泉花陽様

こうして突然のお手紙をお渡しすることをお許しください。
花陽さんのμ’sでの活躍は常々拝見させていただいており、いつも元気をもらっています。

実は、このお手紙を書かせていただいたのは、そんな花陽さんに大事なお話があるからです。
本日放課後3時頃、アイドル研究部の部室で待っています。

凛「いい感じだにゃー」

絵里「ハラショー、これはどこからどう見ても告白の呼び出しにしか見えないわね!」

ことり「さち子ちゃん、ありがとうね♪」

さち子「さち子ではない!深淵の魔術師(ウィザード オブ ジ アビス)だ」

真姫「自分で言っててバカバカしくならないのかしら?」

穂乃果「ふっふっふっ。明日の朝、これを受け取った花陽ちゃんはぜったい放課後までドキドキだよ!」

花陽「もしわたしがこの場に立ち会っていなかったらそうだったかもね……」

海未「では、この手紙を帰り際に入れておきましょう。花陽、この手紙はあなたに預けますので、下駄箱に入れてから帰ってくださいね」

花陽「うん、わたしへのサプライズのための手紙をわたしが自分で下駄箱に入れるんだね。もう何も言われても驚かないよ」

ことり「花陽ちゃん、つっこみが達者になってきたね♪」

花陽「そんなスキル欲しくなかったよ……」

 ***

花陽(その後、解散した後にわたしは件の手紙を自分の下駄箱に入れてから帰路についた)

花陽(どうしてこんなことに……)

花陽(いやね、サプライズパーティを企画してくれるのはすごく嬉しいよ?だけどね、根本から間違ってるよね)

花陽(なんだろう……みんなの考えてることがぜんぜん分からない)

花陽(これもある種のサプライズなのかな……)

 ***

1月17日:誕生日当日

花陽(うう、なんだか寝不足……)

花陽(昨夜はなかなか寝付けなかった)

花陽(μ’sのみんながあんまりに不可解な行動をとるから、なんだろう、なんだろうって、思考が堂々巡りしちゃうの)

花陽(これから学校に行って、自分で入れた下駄箱の手紙に驚き、放課後までパーティーのことはつゆ知らず過ごして、それで何も知らないで呼び出されたとおりに部室に向かう……うぅ、ちゃんと知らないふり出来るなかなぁ)

花陽(いや、そもそも放課後まで何も知らないふりをするのが正解なのかどうかすら分からない)

花陽(みんなはわたしに何を期待してるんだろう……)

【通学路】

凛「かよちん、おはようにゃー!」

花陽「あっ、おはよう凛ちゃん」

凛「すごい、一面真っ白にゃー!」

花陽「うん。一晩のうちにすっかり雪が積もったみたいだね」

凛「やっぱり雪の日はテンション上がるにゃー!かよちん、後で雪合戦しよ?」

花陽「凛ちゃんは元気だね」クスッ

凛「うん、凛はいつでも元気いっぱいだよ!」

花陽「凛ちゃんは、実は猫というより犬だよね。炬燵で丸くなってるよりは、お庭を駆け回ってる感じがする」

凛「えへへ。わんわん♪」

花陽「うん、よしよし」ナデナデ

花陽(いつも通りの凛ちゃんだ。凛ちゃんがいつも通りにしてるのを見ると、わたしもいつも通りに過ごせそうな気がしてくるよ)

 ***

【昇降口】

花陽(一面雪景色だったこと以外は、登校風景があまりにいつも通りだったからつい忘れていた)

花陽(だから、下駄箱を開けた瞬間に中に入っている手紙を見て、一気に昨日の出来事を思い出してつい固まってしまった)

凛「かよちん、どうしたの?」

花陽「えっ、いや……なんでもないよ」

凛「気になるにゃー!あっ、かよちんの下駄箱に何か入ってるー!」

花陽「昨日帰り際に入れた手紙だね。入ってなかったら逆に怖いと思うな」

凛「えー、かよちんもっと驚いてよ!」

花陽「事の顛末を知ってるのにどうやって驚けばいいの!?」

花陽(あっ、もしかして驚いた素振りを見せた方が良かったのかな……)

凛「いいから開けてみて」

花陽「う、うん……」

凛「にゃー!?呼び出しの手紙だよ!かよちん絶対告白される流れにゃー!」

花陽「えっと……」

花陽(もちろん文面は昨日部室で作った手紙と同じでした)

凛「すごいにゃー!かよちんはかわいいから、こうやってラブレターをくれる人がいるんだね!」

花陽「かっ、かわいいって///」

凛「もし告白されたら、かよちんはどうする?」

花陽「えっ!?そんなこと言われても……」

凛「とにかく、頑張ってね。かよちん!」

花陽「う、うん……」

 ***

花陽(土曜日なので午前で授業は終わり、放課後になった)

花陽(もちろん偽物のラブレターにドキドキしながら一日を過ごすなんてことはなかったけど、その代わりどんなサプライズ(?)パーティーになるのか気が気じゃなくて、あんまり授業には集中できなかった)

花陽(帰りのホームルームが終わった後、真姫ちゃんはすぐにどっか行っちゃった)

花陽(この後のパーティーの準備かな?)

凛「かーよちん!」

花陽「凛ちゃん、どうしたの?」

凛「早く外に行こっ?せっかくの雪だし、楽しまないと損だよ!」

花陽「えっ?でも、わたし時間まで教室で待ってるってことになってたんじゃ……」

凛「いいからいいからーっ」

花陽「はわわっ、ちょっと引っ張らないで~」ズルズル

 ***

【校庭】

花陽「本当に真っ白に積もってる……きれいだね」

凛「かよちん、一緒に雪だるまつくろっ♪」

花陽「雪だるま?」

凛「こーんなに雪がたくさんあるんだもん。きっとすっごく大きいのが作れるよ!」

花陽(最後に雪だるまをつくったのはいつだろう?もうずっとずっと前のことになると思う)

花陽(いつしか、雪が積もっても雪だるまを作ろうなんて思わなくなっていた)

花陽(なのに……本当に嬉しそうな凛ちゃんの顔を見てると、また作ってみようって気持ちになった)

花陽「うん。一緒に作ろっか」

凛「ほらほらー」コロコロコロコロ

花陽「凛ちゃん、そんなに走ったら危ないよ?」

凛「ダイジョブダイジョブ!見てみて、どんどん雪玉が大きくなっていくよ」

花陽「すごいね凛ちゃんは。わたしのやつなんてまだこんなに小さいよ」

凛「かよちんはゆっくりで良いんだよ。その分、凛よりもきれいな丸を作れるもん」

花陽「そんなことないよ」

凛「そんなことある!かよちんは、昔から雪玉を作るの得意だったにゃー」

花陽「それを言ったら、凛ちゃんの方が得意だったよ。わたしがやっと一個作る間に、何個も何個も作ってた」

凛「たくさん作れるのときれいに作れるのは違うよ。凛は、かよちんのきれいな雪玉の方が好きにゃー!」

花陽「わたしは、凛ちゃんがたくさん雪玉をつくって、たくさん雪だるまを並べてるのが好きだったよ。いっぱい並んでるとなんだか可愛いから」

凛「そっかぁ。でもね、今日はかよちんと二人で一つの雪だるまを作るんだ。その分、おっきいーのを作るよ!」

花陽「うん、がんばろうね!」

 ***

花陽「あとは頭を載せるだけだね」

凛「一緒にやろっ!」

花陽「うん。じゃあ、花陽はこっち側持つね」

りんぱな「「せーのっ!」」

花陽「完成!」/凛「できたにゃー!」

花陽「わぁ、すごく大きいね!」

凛「凛たちの背丈くらいあるにゃー!」

花陽「こんな大きい雪だるま作ったの初めてだよぉ」

凛「雪玉をどんどんおっきくするの、すごくわくわくしたにゃー!」

花陽「そうだね。なんだか懐かしい気分になっちゃった」

凛「うん。かよちんは雪合戦はあんまり好きじゃなさそうだったけど、雪だるまは大好きだったよね」

花陽「うん、花陽はあんまり運動とか得意じゃないから、雪だるま作ってる時の方が楽しかったかな」

凛「かよちんは今でも、雪だるま好き?」

花陽(いつしか、雪だるまには興味がなくなってた。雪が積もっても、寒くて歩きにくくて嫌だなって、そんな風にしか思わなくなっていた)

花陽(だけど、今日久しぶりに雪だるまを作って分かった)

花陽「うん、好きだよ。だから、今日はとっても楽しかった」

花陽(そう、自信を持って言えるんだ)

凛「そっかぁ、良かったにゃー!」

花陽(そう言って笑う凛ちゃんの顔は、本当に嬉しそうで……)

凛「実はね、凛は不安だったんだ」

花陽(だから、いきなり切なげな表情に変わった凛ちゃんを見て、わたしは言葉に詰まった)

凛「変わってしまったんじゃないかって。かよちんも、凛も」

花陽「凛ちゃん……?」

凛「もしかしたら、これから先、かよちんと凛の関係もどんどん変わってしまうんじゃないかって……」

花陽(凛ちゃんが何を言おうとしているのか、分かる気がした)

花陽(だってそれは、わたしも同じだったから)

花陽「大丈夫だよ、凛ちゃん」

花陽(わたしは、凛ちゃんの手をにぎった)

花陽「どんなに成長しても、大人になっても、根っこの部分はずっと一緒だよ」

凛「うん、そうだね……。凛はね、そのことを確かめたかったんだ」

凛「だってね、そうじゃなきゃ……素直にかよちんに言ってあげられないもん」

凛「誕生日おめでとうって、言ってあげられないもん!」

花陽(その言葉がどういう意味を持っているのかが手に取るようにわかった)

花陽(入学、卒業、進級、そしてお互いの誕生日……そんな節目を通るたびに感じてきた不安)

花陽(お互いの成長を感じさせられるたびに、このままいつまでも一緒にいられるのかなって、そんなことを思ってた)

花陽(だけど、それはわたしだけじゃなかったんだね)

花陽(凛ちゃんも同じだったんだ)

凛「どんどん変わってしまって、ちょっとずつのことがだんだんずれていって、そうやってすれ違ってしまうのは悲しいよ」

凛「だから、どんなに小さなことでも、かよちんに隠し事なんてしたくなかった」

花陽(そっか……そういうことだったんだ)

花陽(人を喜ばせるための隠し事すらもできないほどに不器用で、そしてどこまでも優しい)

花陽(それが、凛ちゃんっていう女の子だったんだね)

花陽「……だから、サプライズパーティーの作戦会議にわたしを呼んだんだね」

凛「サプライズパーティーをやろうって決まった時、最初はかよちんには秘密にするつもりだったんだよ」

凛「だけど、どうしてもかよちんに隠し事をするのは辛かったにゃ……」

花陽「ううん。とっても嬉しいよ。そんな凛ちゃんだからこそ、ずっと一緒にいられるって、そう思うから」

花陽(どんなに成長したって、変わらないことはある。目の前にある、凛ちゃんと一緒に作った雪だるまがその証)

花陽(だから、自信をもって言葉にすることが出来た)

凛「かよちんっ!」ダキッ

花陽(分厚いコート越しにも凛ちゃんのぬくもりが伝わってきた)

凛「良かった……これで、ちゃんと言えるよ」

凛「かよちん、お誕生日おめでとう!」

花陽(曇りのない笑顔でそう言ってくれたから)

花陽「うん、ありがとう、凛ちゃん」

花陽(わたしも、素直にその言葉を受け取ることができたんだ)

 ***

凛「それじゃあ、そろそろ行こっか」

花陽「うん、楽しみだなぁ。『サプライズパーティー』」

凛「ふふふっ、かよちん、きっとすごく驚くと思うにゃー!」

花陽「えー、そうかなー」

凛「絶対そうにゃ!」

 ***

【部室】

ガチャ

パンッ、パンッ(クラッカーの破裂音)

花陽「えっ!?」

みんな「「かよちゃん、お誕生日おめでとーっ!!!」」

花陽「ぴゃあ!?」

真姫「驚いたかしら?」

花陽「うん!だって、みんながこんな風に出迎えてくれるなんて思わなくって……」

花陽「それに、飾りつけもすごくかわいいよ。きっと、準備大変だったよね」

穂乃果「全然そんなことないよ、すっごく楽しかった!」

海未「ええ。アイデアを凝らして飾りを作ったり、それを取り付けるのが楽しくて、夢中になってしまいました」

花陽「それにしてもすごいなぁ……すごくきれいに出来てるよ」

にこ「驚くのはまだ早いわよ」

絵里「そうよ、これくらいじゃ『サプライズパーティー』にはならないわ」

ことり「凛ちゃん、お披露目してあげて」

凛「うん。でも、ちょっと緊張するにゃー……」

穂乃果「凛ちゃん、ファイトだよ!」

凛「うん……じゃあ、いくね」

花陽「ごくり」

花陽(凛ちゃんは、テーブル全体を覆っていた布にゆっくりと手をかけた。指先が小刻みに震えているように見えるけど、それでも覚悟を決めたように、凛ちゃんはその布をゆっくりと取り除いた。そこには……)

花陽「すごい……かわいい!」

凛「……ど、どうかな?」

花陽「これ、チョコレートケーキだよね。すごく美味しそうだよ!」

凛「そ、そうかなっ」

ことり「よく出来てるでしょ。凛ちゃんの手作りなんだよ♪」

花陽「そうなの!?」

凛「うん……。だけど、ことりちゃんにいろいろ教えてもらいながらだったから……」

ことり「ことりは、ちょっとやり方を教えてあげただけ。作ったのは凛ちゃんだよ♪」

花陽「凛ちゃんっ!ありがとうね」

凛「かよちん……」ウルウル

にこ「凛、泣いて喜ぶのは食べてもらってからにしなさい」

真姫「そうよ、せっかくの美味しいケーキなんだから、まずは食べてもらわないと」

絵里「その前にやることがあるわ。穂乃果、準備はしてあるわよね?」

穂乃果「もちろんだよ!やっぱり、誕生日パーティーにロウソクは外せないよね!」

花陽(凛ちゃんが作ったケーキの上に、穂乃果ちゃんはロウソクを一本一本きれいに立てていった)

花陽(そのロウソクに、海未ちゃんは火を灯した)

海未「希、電気を消してください」

希「ええよ」

花陽「わぁ、きれい……」

花陽(ただのロウソクの明かりだけど、暗闇にぼんやりと浮かぶとなんだか幻想的で、思わず声が漏れてしまう)

穂乃果「じゃあ、いくよ。せーのっ」

みんな「「♪Happy birthday to you~~」」

「「Happy birthday to you~~」」

「「Happy birthday dear かよちゃん――」」

「「Happy birthday to you~」」

花陽「ふーっ……ふーっ」

わー、パチパチパチ/

花陽(その後は、凛ちゃんの手作りケーキを切り分けて、みんなで食べた)

花陽(凛ちゃんは不安だったみたいだけど、食べてみたらすごくおいしくて……)

花陽(凛ちゃんの心がいっぱいいっぱい詰まってるみたいだった)

花陽(でも、感激するようなことはまだあった)

花陽(それは、μ’sのみんなが、一人ひとりわたしのために誕生日プレゼントを用意してくれていたこと)

花陽(それぞれのプレゼントは、どれもメンバー毎の個性がすごく出ていて、みんなわたしのために一生懸命選んでくれたんだっていうのが強く伝わってきた)

ことり「じゃあ、最後に凛ちゃんからのプレゼント♪花陽ちゃん、きっとすごく喜ぶと思うよ!」

凛「ちょっとことりちゃん、ハードル上げないで欲しいにゃ……」

ことり「大丈夫だよ。だって、凛ちゃんのプレゼントが花陽ちゃんの期待を裏切るなんてありえないもん」

凛「うぅ、ことりちゃーん;;」

穂乃果「ファイトだよ!」

凛「うん……。かよちん、お誕生日おめでとうにゃー」ウワメヅカイ

花陽(凛ちゃんは、可愛らしく包装された包を少しためらいがちに差し出した)

花陽「開けていいかな?」

凛「うん……気に入ってくれるといいな」

花陽(包装が破るのももったいないくらいきれいだったから、慎重に包を解いていった。その間、凛ちゃんはわたしの手元をじっと見つめていた)

花陽「これ……マフラー?すごい、ふわふわしてて温かそう!」

ことり「凛ちゃんの手編みなんだよ♪」

花陽「本当!?嬉しいよ!」

凛「そっか……良かったにゃー!」ホッ

ことり「凛ちゃん、一ヶ月くらい前から一生懸命やってたんだよ」

花陽「そんな……わたしのためにそこまでしてくれるなんて……もう感激だよっ」

凛「ことりちゃんに教えてもらいながら作ったんだけど、どうかな……?」

花陽「すごくよく出来てるよ、デザインもとっても可愛いい。今日、早速これを巻いて家に帰るね」

希「雪も降ってるし、寒いからちょうどええやんなぁ」

花陽「うん、凛ちゃん、本当にありがとうね」

花陽「みんなも、本当にありがとう。すっごく楽しかった!」

絵里「楽しんでもらえて良かったわ。凛が、サプライズパーティーなのに事前に明かそうって言い始めたときはどうしようかと思ったけど」クスッ

海未「そうでしたね。でも、結果的にはむしろ良かったのではないでしょうか?」

花陽「うん。わたし、サプライズパーティーのこと隠さないでいてくれてむしろ嬉しかったよ」

花陽「どんなときもずっと……μ’sのみんなで気持ちを共有することができたら、どんなに成長したって、私たちの絆はずっと変わらないって思う」

花陽「変わってしまうことだっていろいろあるけれど、その中には良いことだってたくさんあるけれど、でも……変わってほしくないことだってあるから。でも、この九人なら、変わって欲しくないところまで変えてしまうことは絶対に無いって分かる」

花陽「そのことを確かめられたから、今日は花陽にとって最高の誕生日だよ」

おわり

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