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歩くんですの箱 SS置き場

躍動感を表現するにはどうすればいいんだろう……と日々考え中。

【ラブライブSS】のぞえり Part09

Part09 (Part08の続きです)
【日向ヶ丘遊園駅】

絵里「着いたわね」

希「ここからこの電車に乗って行くんや」

絵里「あら、小さくて可愛いわ」

希「豆電車と呼ばれてるくらいやからね」

爺さん「ここのモノレールが廃止に追い込まれたときはどうなったかと思ったものじゃが、こういう形で復活できたとは行幸じゃった」

爺さん「若かった頃のことを思い出す……。わしがまだ若かった頃も、ちょうどこんな感じの電車が走っておった」

子ども「じいちゃん、早く乗ろうよー」

絵里「ふふっ、なんだか良いわね。ここから始まるんだっていう感じ!」

希「うん。この何ともいえない高揚感がたまらんね!」

希(最初はどうなることかと思ったけど、列車に乗ってるうちに緊張感も抜けてきた。今日はすごく楽しめそうやね!)

 ***

【日向ヶ丘遊園】

絵里「さて、まずはどこへ行こうかしら?」

希「やっぱり、遊園地の定番といえばあれやない?」

絵里「ジェットコースターね。希は、絶叫マシーンは得意なの?」

希「結構好きやね。あの、坂をじりじり上っていくときの『いつ来るか、いつ来るか』っていう緊張感が堪らないんや」

絵里「ふふっ、分かるわ。じゃあ、乗ってみましょうか」

…………

希「すっごく爽快やったね!」

絵里「こんなにはしゃいでる希を見たのは久しぶりだわ。坂を一気に下る瞬間なんか、万歳で思いっきり絶叫してたじゃない」クスッ

希「こういうのはノリが大切なんよ。騒ぎながら乗るのが楽しいんやで」

絵里「そういうものかしらね……。私は、横に希がいただけで楽しかったわ」

希「そっ、そういうの言わんといて?恥ずかしいやん///」

絵里「ばっ、そう言われたらこっちまで恥ずかしくなってくるじゃない///」

絵里「そうね……ちょっとしたことですぐになんかこう……恥ずかしくなるっていうか……」

希「……」

絵里「……」

希「……あ、お化け屋敷があるで」

絵里「やめときましょう?」

希「えー?定番やん」

絵里「でも、中は……そのっ、暗いんでしょう?」

希「そりゃあ、お化け屋敷やからなぁ……。エリチは、ホントに暗いのが苦手やね」

絵里「そっ、そういうわけじゃないわよっ」

希「こういう機会やし、折角だから入ってみよう?大丈夫やで。何かあっても、必ずウチが守ったるから」

絵里「希~!分かったわ。だから、中に入ったら、絶対手を放しちゃだめよ?」

希「うん。絶対に放したりせんよ」

 ***

(お化け屋敷)

絵里「やっぱり暗いわね……」

希「うん」

絵里「希?」

希「どうしたん?」

絵里「そこにいるのよね?」

希「うん。ずっと手を握っとるよ」

絵里「放しちゃダメよ?」

希「大丈夫やて。絶対に離したりせえへんから」

絵里「うん……」

ガタッ

絵里「ひゃあ!?たっ、助けて!」

希「大丈夫やから」

絵里「うぅ、希ぃ~」ギュッ

希(エリチ……ウチの腕にぎゅって抱きついて来て……ちょっと痛いけど、こういうときのエリチはやっぱり可愛いなぁ)

希「エリチ、落ち着いて、転ばんようにゆっくり歩くんや」

絵里「うん……」

 ***

絵里「や、やっと終わった……」

希「どうやった?」

絵里「もう……生きてる心地がしなかったわ……」

希(全然大したことなかったけど……やっぱりエリチは可愛いなぁ)

希「ずっとウチの腕に抱きつきっぱなしやったもんなぁ」

絵里「だって、本当に怖かったのよ……」

希「怖い思いさせてごめんな?」

絵里「……ううん、確かに怖かったけど……でも、希がいてくれたから平気よ」

希「そっか……なら良かった」

絵里「そっか?それより希……そろそろその……手、放していいわよ?」

希「……アカンで。絶対に放しちゃダメって言ったのエリチやん///」

絵里「そっ、それもそうね……なら仕方ないわ///」

 ***

希「そろそろお昼時やね」

絵里「そうね。何を食べようかしら?」

希「たくさんお店が出てて迷うなぁ」

 ***

………

 ***

希「食べ終わったところで、これからどうする?」

絵里「お腹いっぱいになったし、少しゆっくりしたいわ」

希「そうやね……。それなら、アレなんかどう?」

絵里「ボート?良いわね」

 ***

……

 ***

希「ボートに乗ったの、子どもの時以来やなぁ」

絵里「私もよ。久しぶりだったけど、たまに乗ってみると良いものなのね」

希「そうやね。……それで、次はどこに行くん?」

絵里「そうね……ばら苑ってところに行ってみたいわ」

希「そういえば、ちょうどばらの季節やね」

 ***

……

 ***

絵里「あんなに沢山のバラに囲まれたのなんて、生まれてはじめてよ」ウットリ

希「バラって、あんなにいろんな種類があるんやね。花びらが重なってないのもあるなんて、初めて知ったわ」

絵里「真っ白な花もいいけど、朝雲っていうのがとっても綺麗だったわ」

希「黄色から赤に変わるあのグラデーション、まさに朝日って感じやったね」

絵里「紫のバラもいいわね。青いバラを目指してつくられたものみたいだけど」

希「それでも、青は未だに実現してないんよね。青色発光ダイオードが技術的に難しかったのと同じなんかな」クスッ

絵里「ちょっと違うと思うわ。でも……いつか見てみたいわね、青いバラ」

希「きっと見られるんやないかな」

絵里「それも占い?」

希「ううん。エリチの願いが叶ったらいいなって思っただけやで」クスッ

絵里「そう……。ところで希、そろそろ夕方だけど、どうする?」

希「やっぱり最後は観覧車やない?」

絵里「うん。私もそう思ってたところよ」

 ***

(観覧車)

絵里「今日は、ホントに楽しかったわ」

希「いろんなところ回ったもんね。あれがジェットコースター、あっちがお化け屋敷」

絵里「あそこの食堂のところでお昼を食べて、あの池でボートに乗って……」

希「そして、ばら苑に行ったんよね」

絵里「ばら苑も、こうしてみると小さいのね……」

希「どこまで歩いてもばらに囲まれてて、まるでばらの楽園って感じやったのになぁ」

絵里「あれが、私たちが行きに乗って来た豆電車ね」

希「日向ヶ丘遊園の駅も見える。ウチらは、ずーっとあっちからここまでやってきたんよね」

絵里「うん。こうやって高いところから見ても、私たちの町は見渡せない」

希「そう考えると、ずいぶん遠くまで来たって気がするね……」

絵里「そうね。本当に、本当に遠かった……」

絵里「あ、夕日が綺麗!」

希「……ホンマやね。山々が夕日を背にして、まるでシルエットみたいにみえる」

絵里「……この景色を見ることができて、本当に良かった」

希「エリチ?」

絵里「ううん。希とこの景色を見れたことが嬉しいの」

希「……ウチも、エリチとこの景色が見れて、本当に幸せや」

絵里「……」

希「……」

絵里「ねえ希?本当に、ここまで遠かった」

希「……エリチ?」

絵里「でも、私はやっとたどり着いたわ」

希「どういうことや?」

絵里「ちゅっ」

希「!?」

絵里「ねえ、希。私……希のことが、ずっと……」

希「……待って。その先は、ウチに言わせて」

絵里「……希?」

希(ウチは、決めたんや。もう逃げない、自分の気持ちと真正面から向かい合うんやって。だから……ウチはここでケジメをつける)

希「好きや。ウチ、エリチのこと……大好きなんや!」

絵里「希……。私が先に言おうとしたのに、取られちゃった」

絵里「私も……希のことが好きよ。本当に……大好き」

希「エリチ……。ウチらは、本当に遠回りしてただけやったんやね」

絵里「そうね。でもいいの……だって、最後はここまで来れたんだもの」

希「……エリチ、目瞑って?」

絵里「うん……」

希「さっきは不意打ちやったから……今度は、ウチの番やで」

絵里「……」

希「ちゅっ……」

絵里「……んっ……」

…………
……

 ***

【<夜>絵里・自宅】

亜里沙「おかえり、お姉ちゃん」

絵里「ただいま~、亜里沙」

亜里沙「どうだった?希さんとのデート……って聞くまでもないか。お姉ちゃん、すっごく嬉しそうな顔してるもん!」

絵里「ええ、そうね。とっても楽しかったわ」

亜里沙「そっか……お姉ちゃんと希さん、付き合い始めたんだね」

絵里「おかげさまでね」クスッ

亜里沙「おめでとう、お姉ちゃん!」

絵里「ええ。ありがとう」ニッコリ

 ***

【<夜>高坂家】

♪カゼガヨンデル キガサワイダ~

雪穂「メール?誰からだろ……」カチャ

From: 希さん
Subject: ありがとう!
Body: おかげさまで、エリチと付き合うことになりました。
   真っ先に雪穂ちゃんに報告したくて、メールしたんよ。
   ウチが前進できたのは、雪穂ちゃんのおかげ。
   本当に感謝しとるで。ありがとう。
   あ、それと、また神田明神に遊びに来てほしいなー、なんて。待っとるからね。

雪穂「そっか、本当に良かった……」

雪穂「私は感謝されることなんて何もしてないんだけどね……」

雪穂「もし私たちがやったことがきっかけになったのなら、それはことりさんや亜里沙のおかげ」

雪穂「希さんはそのことを知らないだろうけど」

雪穂「……幸せになって下さいね。希さん、絵里さん」

Part10へ続く

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