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歩くんですの箱 SS置き場

躍動感を表現するにはどうすればいいんだろう……と日々考え中。

【ラブライブSS】ことり「それでも、変わる世界が好きだから」Part03

Part03 (Part02の続きです)
わたしの帰るべき場所は、もう目の前でした。
もう迷いはありませんでした。
今度は必ず、穂乃果ちゃんにことりの想いをぶつける!
もしかしたら、穂乃果ちゃんはことりを選んではくれないかも知れません。
だけど、もうことりは後悔なんてしない。
だから、悲しみに潰されることもありません。

ふと、崖の上で出会ったアルパカさんのことを思い出しました。
アルパカさんがいなければ、わたしが変わる世界の素晴らしさを思い出すこともなかったでしょう。
本当に感謝です。

でも、あのアルパカさんは誰もいない世界で、ずっと孤独に生き続けるのでしょうか。
そうだとしたら、それはとっても悲しいことだと思います。だって……

 ~回想~

アルパカ「うん、ボクはここに残るよ。だってボクは、この世界のことを割と気に入っているんだ」

 ~~~~

口ではそう言っていても、アルパカさんの目は寂しそうでした。
本当はアルパカさんだって、変わる世界に行きたかったんだと思います。
それでもそうしなかったのは、アルパカさんにはわたしのように変わらない世界に迷い込んだ人たちを元の世界に返してあげる役目があったからかも知れません。
だとしたら、今度はことりがアルパカさんを迎えに行ってあげる番です。
いつかことりが元の世界での人生に納得したら、今度はアルパカさんの役目をことりが引き継ぐのです。
それまでの間、待っててね。アルパカさん。

 ***

教師「南さーん、当たってますよ」

ことり「ふぁっ!?」

教師「授業は眠ってないでしっかり聞きましょうね」

ことり「あのっ、ごめんなさいっ!」

ことり(ここは、学校の教室……?そっか、わたし、元の世界に戻って来たんだ!)

教師「じゃあこの問題に答えてくれる?」

ことり「えっと……はわわ」

 ***

【放課後】

ことり(とりあえず戻って来たみたいだけど、今日はいつなのかな?)

ことり(なにか日付が分かるもの……あっ、黒板に日付が書いてある)

ことり(えっと……、ふぁっ!?ことりの記憶の通りなら、今日は海未ちゃんが穂乃果ちゃんに告白する日だ!)

ことり(放課後告白するってことは、今からだよね。どこで告白するんだろう)

ことり(とにかく二人を探さないと!)ダッ

凛「ことりちゃん、そんなに慌ててどうしたにゃ!?」

ことり「あっ、凛ちゃん!穂乃果ちゃんか海未ちゃん見なかった?」

凛「うーん、凛は見てないにゃー」

ことり「そっか、ありがとっ!」タタタッ

凛「?」

 ***

志賀仁美「せいやああああああ!!!」ゴツンッ

ことり「痛いっ!って、番長!?」

仁美「お前、廊下を走っていただろう」

ことり「あ、えっと……」

仁美「廊下を走るのは、明らかに風紀を乱す行為だ」

仁美「風紀を乱す者がいたら、力で制するのは当然」

仁美「フッ、以後気を付けることだ」

ことり「うん、ごめんっ」タタタッ

仁美「ってぇ、また走るのかよっ!」

 ***

希「ことりちゃん、そんなに慌ててどうしたん!?」

ことり「はぁ、はぁ、えっとね……」

希「大丈夫、言わんでも分かるで。穂乃果ちゃんと海未ちゃんを探しとるんやろ?」

ことり「そうだけど、なんで分かるの!?」

希「二人なら今、校舎の裏庭の花壇の近くにおるで」

希「カードがウチにそう告げとるんや!」ドヤッ

ことり「そっか、ありがとう!」ダッ

 ***

【裏庭】

ことり「はぁ……はぁ……流石に息が切れるよ……」

ことり「穂乃果ちゃんたちは……いた!」

海未「穂乃果、実は私、穂乃果のことが好」

ことり「ちょっと待って、海未ちゃーん!!!」

穂乃果「ことりちゃんっ!?」

海未「遅かったですね、ことり」ニッコリ

ことり「う、海未ちゃん……?」

海未「ことり、私はあなたを待っていたんですよ」

ことり「え、なんで……」

海未「だって、ことりは私の大事な友達ですから。私のために自分の気持ちを押し殺してほしくはありません」

ことり「海未ちゃんっ!」ダキッ

海未「あくまで選ぶのは穂乃果です。わたしたちは対等な条件で戦いましょう」

ことり「うん、そうだね!」

海未「私は負けませんよ!」

ことり「ことりだって!」

穂乃果「ちょっと、二人ともどうしたの!?穂乃果だけ仲間外れにしないでよー」

海未「ではことり」

ことり「うん」

……

海未「穂乃果、あなたのことが好きです。私と付き合ってください」
ことり「穂乃果ちゃん、あなたのことが好きです。ことりと付き合ってください」

穂乃果「」

海未「……」

ことり「……」

穂乃果「……いやちょっと待って。ごめんね、穂乃果今ちょっと混乱してるみたい」

海未「いきなりこんなことを言われたら混乱するのは分かります。でも、私達は本気です」

ことり「返事は今すぐじゃなくてもいいから、ゆっくり考えて」

穂乃果「あの……一応聞くけど、好きって、そういう意味?」

海未「はい。私は、穂乃果のことを恋愛対象としてお慕いしています」

ことり「ことりも同じ。ごめんね、いままでずっと友達だったのに、嫌だったよね」

穂乃果「ううん、全然嫌じゃない。むしろ、穂乃果なんかを好きになってくれて嬉しい」ポロポロ

ことり「穂乃果ちゃん?」

海未「泣いているのですか?」

ことり「やっぱり嫌だったよね、ごめんね」

穂乃果「ううん、違うの……。穂乃果、誰かにそんな風に好きって言ってもらったことなかったから」

穂乃果「だから……すっごく嬉しいの」ポロポロ

海未「穂乃果……」

ことり「穂乃果ちゃん……」

穂乃果「どっちかなんて、選べないよ……。だって私、海未ちゃんのこともことりちゃんのことも大好きだもんっ」

海未「私達は覚悟しています。どちらが選ばれても、私達は恨んだりしません」

ことり「だから穂乃果ちゃん、ゆっくり考えて、ちゃんと選んで?」

穂乃果「そんなことできないっ。ごめんね、私、やっぱり二人の気持ちには応えられそうもないや」

穂乃果「二人のことが大好きだから、どっちかとだけ付き合うなんて出来ない」

ことり「そっか。穂乃果ちゃんらしいね」

海未「そうですね。そこがまた穂乃果の良いところなのですが」

穂乃果「うぅ……」

ことり「でも、ことりは諦めないよ。いつか必ず穂乃果ちゃんに選んでもらえるように頑張るもん!」バチバチッ

海未「私もです。負けませんよ、ことり!」バチバチッ

穂乃果「わわっ、二人の間に火花がっ」

 ***

そして、時は流れて……

 ***

ことり「あれから半年が過ぎたわけだけど」

海未「何も変わりありませんね」

ことり「うーん、なんだかなぁー」

海未「もし、穂乃果が付き合ってくれることになったら、ことりだったらどうしますか?」

ことり「そういえば、何も考えてなかったや、えへへっ」

海未「そうですか、ことりらしいですね。ふふっ」

ことり「あーでも、やっぱりキス、とか///」

海未「穂乃果とのキス///」

ことり「そういえばことり、キスってしたことなかったな」

海未「私もです。いざとなったときに上手く出来るでしょうか……」

ことり「そ、それは……」

海未「……」

ことり「ねえ、海未ちゃん」

海未「なんですか、ことり?」

ことり「練習、する……?」

海未「れ、練習!?ななななな何のですかっ///」

ことり「それは、キ、キスの///」

海未「えっと……そ、そうですね。確かに一度も経験が無いのではいざ穂乃果とキ、キスをすることになった時に困りますからね。あくまで練習です練習」

ことり「うん、ただの練習だから///」

海未「はい、では……」

ことり「いくよ///」

海未「は、はい///」

……

チュッ。

………………
…………
……

ことり「し、しちゃった///」

海未「緊張しすぎて、あまり感覚がつかめなかったですね///」

ことり「そ、そうかな……」

海未「あの、確認のためにも、もう一回///」

ことり「そ、そう?いいよ///」

ことり「じゃあ、いつでも来て///」

……

チュッ。

 ***

そしてまたある日。

海未「ことり、デートってしたことありますか?」

ことり「ううん、海未ちゃんは?」

海未「実は私も、一度も経験が無いのです。もう高校生だというのに……」

ことり「うーん、でもそれってそこまで珍しいことではないと思うけど」

海未「ことりは楽観的過ぎます。いいですか、このままデートの一つも経験しないまま大人になってしまったら、いざというときにあるべき作法が分からず、恥をかくことになるんですよ!」ズイッ

ことり「う、海未ちゃん?」

海未「……すみません、取り乱しました」

ことり「ううん、ちょっとびっくりはしたけど」

海未「ともかく、高校生のうちにデートを経験しておくことは大切だと思うんです」

ことり「そっか。なら、穂乃果ちゃんにお願いしてみたら?」

海未「いいのですか?ことり」

ことり「うん、もちろんだよ!ただ、そのときはことりも一緒についていくけど」ニコニコ

海未「……穂乃果はやめておきましょう」

海未「というか、そもそも初デートが穂乃果では意味がありません」

ことり「なんで?」

海未「それは、穂乃果とのデートは本番だからです。受験でいえば第一志望校の入試です。ぶっつけ本番で穂乃果とデートをするというのは、模試も受けないでいきなり入試本番に臨むようなもの。そんな暴挙を犯せるはずがありません!」

ことり「た、確かに……」

海未「何事も予習復習が大切なのです」

ことり「そっか、そんなに真面目に考えていたんて、海未ちゃんは偉いな。ことり全然何も考えてなかったよ」

海未「分かってくれればいいのです」

ことり「でも、デートの予習ってどうやるの?このゲームをやればいいのかな」

スマホ「くおえうえーーーるえうおおおwwwwww」

海未「いや、それはどうかと思いますが……」

ことり「うーん、じゃあデートの仕方とかが書いてある本を読むとか!」

海未「まあそういう方法もありますね」

ことり「ちょっと図書室に行って探してみようよ」

海未「……」

ことり「……って、海未ちゃんどうしたの?」

海未「確かに、文献で予習というのは大切なことです。ですが、やはりその……文献だけでは実践的な能力を身に着けるのは困難ではないかな、と……」

ことり「それはそうかも知れないけど、今出来ることと言ったらそれくらいしかないし……」

海未「……」

ことり「って海未ちゃん、ことりのことじっと見てどうしたの?」

海未「えっ?あっ、別にそんなつもりはありませんことよ」

ことり「語尾おかしいよ海未ちゃん」

海未「つまりえっと……いえ、要するに、うーん……」

ことり「あ、ことり分かっちゃった!海未ちゃんの言いたかったこと」

海未「!?」

ことり「海未ちゃんが言いたかったのは、つまりこういうことでしょ?」

ことり「ことりにデートの練習相手になってほしいなぁ、って」

海未「っ!そそそそんなこと考えるわけありません!」

ことり「ふふっ、当たりだねっ。それならそう言ってくれればよかったのに」

海未「うぅ、とんだ生き恥を晒した気分です……」

ことり「いいよ」

海未「えっ、何がです?」

ことり「だから、デートの練習。ことり、相手になるよ」

海未「本当ですか?」

ことり「うん。よろしくね、海未ちゃん」

海未「私の方こそ、よろしくお願いします。ことり」

 ***

そんなこんなで、ことりと海未ちゃんは度々模擬デートをしたりキスし合ったりする仲になりました。
これって、傍から見ればカップルにしか見えないよね?

けれど、そんな日々は、突然終わりを告げました。

それは、冬のある晴れた日のこと。

ことりと海未ちゃんは、穂乃果ちゃんに呼ばれていつかの学校の裏庭にやってきました。

穂乃果「うぅ、寒いね」

海未「はい。吐く息が白くなります」

ことり「でも、穂乃果ちゃんのそのマフラーあったかそう。いいなぁ」

穂乃果「そう、それなんだよ。実は、今日は二人にプレゼントがあります!」

ことり「ことりたちに?」

海未「プレゼントですか?」

穂乃果「うん、これ!」

ことり「マフラー?」

穂乃果「これ、穂乃果のとお揃いなんだ。一生懸命編んだんだよ」

海未「穂乃果が編んだのですか?」

穂乃果「まあ、だいぶ雪穂に手伝ってもらっちゃったんだけど……」

ことり「嬉しい、ありがとう!」

海未「このマフラー、すごく温かいです」

穂乃果「でしょー?少し早いけど、穂乃果からのクリスマスプレゼント!」

穂乃果「であるだけでなく、実は……」

穂乃果「穂乃果たちが付き合い始めた記念!」

ことり「付き合い始めた?」

海未「どういうことでしょう?」

穂乃果「うん……」

穂乃果「私、二人に告白されたとき、すっごく嬉しかったんだ」

穂乃果「だけど、どっちかを選ばなくちゃいけないんだって思ったら、すっごく辛かったの」

穂乃果「だって、どっちかなんて選べない。穂乃果は、ことりちゃんのことも、海未ちゃんのことも同じように大好きなんだもん!」
穂乃果「だから、穂乃果決めたんだ」

穂乃果「私は、ハーレムを作るって」

海未「……はい?」

ことり「えっと……」

穂乃果「……あれ?」

海未「おかしいですね、なんだかすごく最低な発言が聞こえたように思えたのですが」

ことり「ことりにも聞こえたような……。うーん、でも穂乃果ちゃんがそんなこと言う訳ないし、空耳かなぁ……」

穂乃果「あは、あはは……」

穂乃果「ということで二人とも、よろしくね!」

海未「穂・乃・果・?」

穂乃果「ひっ、海未ちゃん怖い……。ことりちゃん助けてぇ」

ことり「あはは……」

Part04へ続く

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