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歩くんですの箱 SS置き場

躍動感を表現するにはどうすればいいんだろう……と日々考え中。

【ハルヒ×きんモザSS】アリス「シノが金髪への興味を無くしちゃった」Part 09

Part09 (Part08の続きです)

【12.晴れて機関誌完成!】

アリス「文芸部機関誌、無料配布してまーす!」

鶴屋「『少年Nの悲劇』の続編も収録してるにょろ!」

カレン「他にもSweetなLove storyやワクワクするような摩天楼特集、続きが気になるミステリーなど盛りだくさんで超お得デース!」

綾「ゲームのオモシロ特集からお役立ち学習コラムに至るまで多岐に渡る内容になってますよーっ!」

忍「特別付録の金髪美少女写真集も魅力ですよ♪」

カレン「あたしとアリスの写真が盛りだくさんデース!」

アリス「もう、恥ずかしいよぉ」

みくる「あの~、あたしが配った分無くなっちゃったんですけど、まだありますか?」

キョン「いや、追加でコピーしてこないと。すぐに印刷室に行ってくるんで待っててください」ダッ

みくる「お、お願いします」

古泉「待ってください。どうやらコピー用紙が底を尽きたようです。すぐに買いに行こうと思っているのですが、手伝っていただけますか?」

キョン「マジか。飛ぶような勢いとはこのことだな」

古泉「ええ。まさかここまで受け取ってくれる人が多いとは思いませんでした」

陽子「ただいま増刷分を準備中なんで並んでお待ちくださーい」

ハルヒ「すごい行列ね。こんなに人気なら有料にすれば良かったわ。あー、がっぽり儲けるチャンスだったのにー」

鶴屋「それだと生徒会への申請がめんどいっからねー!まあ沢山の人たちが読んでくれるってだけで十分な報酬っさ」

 ***

穂乃花「わぁ、すごい行列だよぉ~」

カレン「穂乃花も機関誌もらってくデース?」

穂乃花「もちろん!」

カレン「ちょっと待ってて下さいネー!いま増刷してるデース」

古泉「ただいま戻りました」

ハルヒ「コピー用紙ね。お疲れ様。すぐに印刷室に運んでちょうだい」

古泉「かしこまりました」

キョン「あー、重たくてたまったもんじゃねえ」

ハルヒ「つべこべ言わず働く!」

キョン「へいへい」

穂乃花「へぇ~、追加で紙を買って来なきゃいけないくらい人気なんだね」

カレン「大盛況デスヨー!配り始めた時から行列が伸び続けてて大変デース!」

 ***

- 夕方 -

アリス「ようやく配り終わったよぉ」

カレン「もうヘトヘトデース……」

綾「ずっと声張ってたから喉が枯れたわ」ガラガラ

国木田「数時間コピー機を動かしっ放しでさー、だんだん熱持ってきたんだよね。正直壊れないか心配だったよ」

キョン「明日あたり不具合が出そうだな」

古泉「その時は長門さんに頼めば一発で直してくれるでしょう」

ハルヒ「みんなー、お疲れ様!いやー、思った以上の人気だったわね!まさに編集長であるあたしの人徳がなせる業ね」

みくる「これ、明日以降たくさん感想が送られてくるってことですよね?何言われるか今からビクビクですよぉ」

ハルヒ「恐れることは無いわ。あたし達の技術の粋を結集して書いたんだから、賞賛以外の意見が出てくるわけないじゃない!」

鶴屋「ねえ、この後打ち上げやらない?機関誌完成お疲れ様~ってことでさ!なんならうちに招待するけど」

ハルヒ「良いわね!みんな、この後用事ある?……特になさそうね。じゃ、決定!」

 ***

キョン(もちろん、この時の打ち上げが大いに盛り上がったのは言うまでもない。だが、その話はまた別の時にしよう)

 ***

【後日談】

- 教室 -

キョン「そういえば谷口。お前文芸部の機関誌もらってないだろ」

谷口「あー、ずいぶん人気だったみてえだな。昨日すごい列が出来てて驚いたぜ」

キョン「一部余りを確保してあるんだが、欲しくないか?」

谷口「いや、俺は文章なんざ読まないからなー。正直それどころじゃねえんだよ。今必死になってバイト先を探してるところでな」

キョン「バイト?今から始めるのか?学年が上がったらもう受験生だってのに」

谷口「受験?ああ、そんなものはこのビッグな俺には関係ねえ。んなことより、キョンよー。今は青春の方がよっぽど大事じゃねーか?だからバイト先でいい女を見つけようって算段だよ。うーん、俺の計画完璧」

キョン「アホ丸出しの発言だな」

谷口「ふん。そう言ってられるのも今のうちだぜ。じき俺に彼女が出来たらお前は必ず後悔するだろうよ。俺もきちんと彼女作っとけば谷口みたいに薔薇色の青春時代を遅れたのにってな」

キョン「わざわざご忠告どうも。そんなことより谷口よ。俺は友達のよしみでこの機関誌をお前にやるって言ってるんだ。本当に受け取らなくて良いのか?後悔しても知らんぞ」

谷口「なんだ?やけに強引だな。あれだけ人気だったんだから他に欲しい奴もいるだろ。そいつらに渡してやれ」

キョン「お前、仮に機関誌に『金髪美少女写真集』が付いてると知っても同じこと言えんのか?」

谷口「なんだと!?それは本当なのか」

キョン「ああ」

谷口「下さいお願いします」ペコリ

キョン「どうしようかなー。お前の言う通り他に欲しい奴もいるだろうしなー」

谷口「どうかこの俺に下さい何でもしますから!」ドゲザッ

キョン「お前にプライドというものは無いのか。まあいい、やるよ。もともとお前のために持ってきたのものだしな」

谷口「ありがとナス!やっぱりキョンは最高の親友だぜ」ニンマリ

キョン「図に乗るな」

 ***

- SOS団部室 -

ハルヒ「大好評だった文芸部機関誌だけど、早速たくさんの感想が寄せられてるわ」

みくる「ふぇええ、それ読むんですかぁ?」

ハルヒ「当然じゃない。折角みんなが寄せてくれた意見なのよ」

みくる「ですよね……緊張しますよぉ」

綾「感想はやぱり気になるけど聞くのは怖いわ……」

鶴屋「みんな楽しんでくれたっかなー?」

ハルヒ「では、読み上げるわね」

クソゲー特集が面白かったです。さすが実際にプレイしたとあってクリアするまでの記録に実感がこもってましたね。いやー、よくこんなゲームバランス崩壊したゲーム最後までプレイしたよなwwwと――2年・男

『気の毒!少年Nの悲劇』でしたが、相変わらず面白い!腹筋痛いよぉ~。また続き楽しみにしてます――3年・女

鶴屋「楽しんでもらえて何よりっさね!」

SF読みました。可愛らしい文体と裏腹に、結構本格的なタイムトラベルものだと感じました。時間の一コマ一コマが連続性のないパラパラ漫画みたいなものだというアイデアはなかなか興味深いですね。タイムトラベルで過去に戻って未来を変えようとする主人公の奮闘がなかなか壮絶で。いや、未来永劫すべてのコマを書き換え続けるために島一つをまるごと原子炉にしてそっからエネルギーを得ようなんてすごいアイデアだと思いましたよ。熱中性子を使う増殖炉ですよねアレ。夢みたいな話ですが。これで良いのかと思うところもあり、いろいろ考えさせられましたね。でも主人公のひたむきな思いには感動しました。こんなに読み応えのあるものが読めるとは。次回作にも期待です。――1年・男

ハルヒ「良かったじゃないみくるちゃん。すごく好評みたいよ」

みくる「は、恥ずかしいですよぉ」

古泉「僕も読みましたが、意外に踏み込んだ内容で驚きました」

みくる「あくまでフィクションですから」アセアセ

古泉「そうですか。でも、何となく未来がどのような時代になるのか垣間見れた気がしますよ」

みくる「えっ、あれだけでそんなこと分かるなんて」オロオロ

ラブストーリーの感想です。プラタナスの木がどれだけ主人公の心の支えになっていたかというのが一つのキーポイントでした。木と会話するなんてすごく不自然ことのはずなのに、全然違和感なく受け入れることが出来て、木との絆すら感じさせられました。最終的に主人公がプラタナスから脱却して一人の男の人を愛するようになるまでの葛藤がすごくよく描かれてて、読みながら何度も泣いちゃいました。まさに純愛。感動したよぉ~~――2年・女

ハルヒ「やっぱりキョンなんかじゃなくてあなたに任せて正解だったわ。大絶賛じゃない」

綾「こんな風な感想がもらえるなんて思ってなかった。自分の作品で喜んでくれると嬉しいものね」

シュールギャグwwwwwwこれは人類には早すぎた。とりあえず気に入ったネタ。サエ(登場人物)「キャッチボールしてて思ったんだけどさー。地球と月だったらどっちが投げやすそうだと思う?」→エマ(登場人物)「そりゃ月じゃない?地球はすべりそうだし」→サエ「塩水で手がべたべたになって気持ち悪いしな」→エマ「それに比べて月は指をはめる穴があるから持ちやすいわね」これもうわかんねぇな。――3年・男

陽子「なんで私のだけ微妙な評価なんだよー!一生懸命考えたのに!……主に有希が」

ハルヒ「他にも沢山感想が届いているんだけど、紹介するのはこれくらいにしとくわ。あとは各自読んでみてちょうだい」

古泉「どの記事も反響を呼んだようで何よりです。来年以降機関誌発行が文芸部の伝統になれば良いですね」

キョン「そのためには、文芸部に新入部員が入ってもらうようにしないとな。なあ長門」

長門「……」ジー

陽子「なんで私の方見るの!?てか私も有希と同い年じゃん。1年生入れなきゃ意味ないから」

長門「留年」ボソッ

陽子「縁起でもないこと言うなよ!」

 ***

- 数日後・大宮家 -

忍「私、本格的に英語の勉強をすることにしました」ドーン

アリス「えっ!?なにこの参考書の山は!一体どうしちゃったの!?」

忍「私はずっと通訳者になることを夢見てきました。だけど、今の私はぜんぜん英語が出来ません。このままじゃ通訳者なんてとてもなれそうにないことに気づいたんです」

アリス「ええ、今更気づいたのー!?」

忍「えっ、アリスはとっくに気づいていたんですか?ならもっと早く教えてください」

アリス「いや、シノがそんなに本気だなんて思ってなくて……」

忍「アリスの言う通りですね。きっと今までは本気になれていなかったんだと思います。自分ではずっと本気のつもりだったんですけど、心のどこかでは『今じゃなくてもいつかはどうにかなる』って思って甘えていました。でも、ようやく気づいたんです。このままじゃダメだって」

アリス「シノが本気なら、私は全力で応援するよ!」

忍「アリス!」ダキッ

アリス「シノ!?」

忍「アリスに出会って、今日までずっと一緒に暮らして来て、私はいま本当に幸せです。そして、私がアリスと出会うことが出来たのは、国の垣根を越えた出会いをくれた私の両親やアリスのご両親のおかげです。私もいつか、どこかの誰かに国境を越えた素敵な出会いをもたらすような人になりたい。幸せの輪っていうのは、そうやって広がっていくものだと思いませんか?」

アリス「うん。シノの言う通りだよ。そうやって、シノには世界中に笑顔を届けてほしい」

忍「はい!……でも、私はとっても英語が苦手です。だからアリス、私に英語を教えてくれますか?」

アリス「もちろんだよ!いくらだって教えてあげる」

忍「でも、きっと教えるのはとっても大変ですよ。私は物わかりが悪いですから」

アリス「それでも平気だよ。シノが分かるまで、何度でも教えてあげる。シノが本気なら、私だって本気だよ」

忍「アリス……では、これからよろしくお願いしますね!」

 ***

???「ふふっ。『あの娘』には完全に一本取られましたね」

??「そうですね。私達が心配しなくても、『あの娘』は自分の道を見つけたのですから」

???「ええ。ところで、あなたはアリスのことを忘れることが出来たのですか?」

??「いえ、どんなに忘れようとしたってそんなこと出来ませんでした」

???「じゃあ、あなたは今でもアリスのことを忘れた方が良いって思っていますか?」

??「そんなわけないです。だって、『あの娘』が今はあんなに幸せそうにしてるんですから」

???「その通りです。結局、私達がやったことはただのお節介でしたね」

??「あなたは何をしようとしたのですか?」

???「変わらない幸せがずっと続く、そんな世界に作り変えてしまおうとしました。人間はそんなことでは幸せになれないって言われてしまいましたが……。どうも、私は幸せというものを勘違いしていたみたいですね。幸せは、変化し続ける中のほんの一瞬の情景の中に見出されるもの。そして、変化の過程でずっとずっと遠くまで広がっていくもの。そのことを『あの娘』が気づかせてくれました」

??「あなたは自分の過ちに気づいたのですね。私と同じように」

???「ええ。だから、もう私たちは必要ありません。『あの娘』一人で立派に生きていけるはずです」

??「はい。最後に一つだけいいですか?」

???「なんでしょう?」

??「あなたの名前はなんですか?」

???「私に名前はありません。名前をもつのは『あの娘』一人で十分です」

??「ええ、私も同感です」クスッ
おわり(後編に続く)

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