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歩くんですの箱 SS置き場

躍動感を表現するにはどうすればいいんだろう……と日々考え中。

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【ごちうさSS】記憶よ、もう一度 - Part 10

Part 10

 【10】

 季節は移り変わり、わたしの中学校生活もあと1年になりました。わたしは、マヤさん、メグさんと桜の花びらが舞う通学路を歩いていました。

マヤ「なんか実感わかないよなー」

 マヤさんがそんなことを言い出しました。今日は始業式。午前遅い時間の道路は人がまばらで、歩いているのはわたしの学校の人たちだけでした。そんな通学路に舞う桜吹雪は、まるでわたしたちの新生活を祝福しているかのようでした。

メグ「中学校最後の一年なんだから自覚をもってしっかりしなさい、なんて言われてもあんまりよくわかんないよね」

マヤ「そうだよなー」

 そんなことを言いながら、マヤさんは植木の葉っぱを1枚ちぎって口にくわえ、ピーと音を鳴らしました。

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【ごちうさSS】記憶よ、もう一度 - Part 09

Part 09

 【9】

千夜「それでどうなの?キスはもうしたのかしら?」

リゼ「キ、キス!?」

シャロ「キス……しぇんぱいとキスなんて……」

 慌てて手に持ったコーヒーカップを落としそうになるリゼさんと真っ赤になって俯くシャロさん。そんな2人をほほえましく見守るわたし達。ここ最近はずっとそんな構図が続いていました。

 すれ違いが始まったあのバレンタインから1か月。シャロさんは無事わたしたちのところに戻ってきて、こうしてまた当たり前のようにわたしたちと一緒にいることが出来るようになりました。今ではシャロさんとリゼさんはもう恋人同士です。告白はリゼさんの方からしたと聞きました。

 ですが……2人の様子に皆さん少しあきれている様子です。

マヤ「まだしてないのー!?もう1か月も経つのに」

リゼ「そ、それは……」

ココア「手は繋いだんだよね?」

リゼ「とっ、当然だ。馬鹿にしすぎだぞ!」

シャロ「昨日のデートでわたしからお願いして……先輩の手、あったかかったぁ」

千夜「それも昨日が初めてだったの!?」

メグ「これじゃあ、キスまでたどり着くのに何か月かかるか分かんないね……」

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【ごちうさSS】記憶よ、もう一度 - Part 08

Part 08

 【8】

 パァンッ。乾いた銃声が弾ける。わたしは、誰かの腕の中で縮こまっていた。

 視界がやけに狭い。それはなぜだろうと思ったけど、多分私をかばってくれている誰かの腕の隙間から景色を見ているからだろう。視界が赤く明滅する。サイレンをけたたましく鳴らしながら消防車やパトカーが何台も通過していく。

 ドカーン!

ココア「ひっ!?」

 ひときわ大きな爆発音。それと同時に、視線の先にある建物が真っ赤に燃え上がる。

??「大丈夫、大丈夫だよ」

 震えるわたしをなだめる声。わたしは、抱きとめてくれる腕にギュッとしがみつく。そうしている間にも、目の前にある建物はメラメラと燃え、焼けただれていく。

 その建物が灰になっていくのを見てわたしは嬉しいのだろうか。それとも悲しいのだろうか。それはわたしにも分からない。わたしは、ただただ誰かの腕の中で震えているだけ。

 わたしはその建物を知っている。決して好きな場所ではないけれど。辛い思いも沢山したような気がするけれど。
 
 ――それでも、あれはわたしの家だ。

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【ごちうさSS】記憶よ、もう一度 - Part 07

Part 07

 【7】

 今日の午後3時から市民会館で開かれた決起集会、リゼさんは本当は参加する予定だったんだよね?

 バレンタインデーにシャロさんがリゼさんに告白しようとする直前、リゼさんのカバンに入っていた紙が風で飛ばされる場面があったの覚えてる?シャロさんがリゼさんを突き放すようになったのって、実はその紙が原因だったんだと思う。その紙はNPASS反対の決起集会のチラシだった。違うかな?

 シャロさんはそのとき、決起集会のチラシをどうしてリゼさんが持っているかを聞いた。リゼさんの答えは『親父が主催者なんだ』ってところかな。でもそれだけじゃない。シャロさんは『万能細胞でこどもを作ることについて、リゼ先輩はどう思いますか』って聞いたはず。その質問にリゼさんはどう答えたんだろう?少なくとも、あんまり肯定的な言い方はしていないと思う。リゼさん自身も政府が万能細胞でこどもを作りだすプロジェクトNPASSに反対してるんだってことをシャロさんに伝えたのは間違いないよね?

 でも、そう言われたシャロさんはもうリゼさんには近づけなくなってしまった。

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【ごちうさSS】記憶よ、もう一度 - Part 06

Part 06

 【6】

 翌日、日曜日の午後1時半過ぎ。リゼさんは、シャロさんに想いを伝えるために出かけていきました。

 約束の時間は午後2時半。場所は、先週シャロさんがリゼさんに告白をしようとしたのと同じ公園のベンチとのことでした。時間と場所はシャロさんから指定されたそうです。リゼさんが呼びかけてもシャロさんが会ってくれなかったら……それだけが不安でしたが、その心配はありませんでした。

ココア「上手く行くかな……?」

 ココアさんの声には不安が混じっていました。

チノ「心配だったら見に行ってみてはどうですか?」

ココア「そうしたいけど……でも、今回はそうしないって決めたから」

 これは、先週の反省もあってみんなで決めたことでした。物陰から覗くというのはやはり趣味のいいことではありませんから。

 ココアさんはしばらく落ち着かない様子で店内を歩き回っていましたが、ふい立ち止まって戸棚からコーヒーカップを取り出しエスプレッソを注ぎ始めました。

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