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歩くんですの箱 SS置き場

躍動感を表現するにはどうすればいいんだろう……と日々考え中。

【ごちうさSS】記憶よ、もう一度 - Part 15

Part 15

 【15】

 週明け、学校に着くと奇妙な噂話が学校内を駆け巡っていました。

「最近流行りの万能細胞?あれって怖いんだねー」

「ノーベル賞取ったやつでしょ?怖いってどういうこと?」

「なんか、万能細胞から生まれた子どもって将来犯罪者になる可能性が高いらしいよー」

「ホントにー?」

 そんな会話があちこちから聞こえてきます。どうして急にそんな噂が?何がどうなっているのでしょう。

メグ「先週末の月刊誌でそういう話題が取り上げられたみたい」

チノ「週刊誌?だったら根も葉もない話じゃないですか!」

メグ「そうなんだけどね……ほら、前にチノちゃんが言ってた研究不正の話だよ」

 そういって、メグさんはわたしに週刊誌の切り抜きを見せてくれました。

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【ごちうさSS】記憶よ、もう一度 - Part 14

Part 14

 【14】

 目を覚ますと、視線の先には見知らぬ天井が広がっていました。

チノ「あれ……?」

 ぼやけた目をこすってみても景色が変わる様子はありません。

チノ「そういえば……千夜さんの家に泊めてもらっていたんでした」

 わたしは体を起こし、ふらふらとふすまを開けて部屋の外にいました。廊下の先からあずきを煮る甘い匂いが漂ってきました。その匂いに誘われてわたしはよたよたと廊下を進みました。

千夜の祖母「おはよう、早いねえ」

チノ「おはようございます」

 そういえば今は何時なんでしょう。気になって見回してみると、壁に掛かった時計は六時前を指していました。

チノ「いつもこの時間から起きてるんですか?」

千夜の祖母「そうさ。和菓子屋ってのは朝からせにゃいけない仕込みがたーんとあるんだよ」

 なるほど、台所にはあずきが入った大鍋だけではなく白玉やらお餅やらいろんなものがあちこちに並んでいました。

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【ごちうさSS】記憶よ、もう一度 - Part 13

Part 13

 【13】

 父は、新聞を読むときどの面もじっくり読み込む人でした。そうでなければこの記事自体見つけることは難しかったでしょう。問題の記事は今朝届いた新聞の社会面の片隅にひっそりと載っていました。

「NPASS研究所で研究不正、遺伝子制御技術に関する論文取り下げ」

 記事を読んだ父は

タカヒロ「だからNPASSは駄目なんだ」

と声に出して呟くほど息巻いていました。わたしも気になって、父が読み終わった後その記事を読んでみました。その記事によると、万能細胞を作る過程で遺伝子に制御を加えることで、生まれてくる子どもの性格や能力などを制御することを目指した研究が最近活発になってきていて、中でもNPASS研究所は有力な学術誌に数多くの論文を発表しているとのことでした。しかし、その論文の一部に改ざんなどの不正があったというのです。記事は『成果は本当に上がっていたのか疑いがもたれる』と結んでいました。

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【ごちうさSS】記憶よ、もう一度 - Part 12

Part 12

 【12】

 その後のことはよく覚えていません。いつの間にかわたしは家に戻っていました。教会での出来事は夢だったんじゃないか、そんな風に思いました。でも、ココアさんがいないという事実が否応なくわたしに現実を突きつけました。

 捜索願は、その日のうちに父が出してくれました。

 ココアさんが最後に発した言葉が頭から離れませんでした。

ココア「――チノちゃん、ごめん」

 ココアさんはいったい何を謝っていたのでしょう。わたしの告白を受け入れなかったことでしょうか。それともわたしの前から姿を消してしまったことでしょうか。いずれにしてもココアさんは、謝罪の言葉だけを残して自分の意志で姿を消したのです。

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【ごちうさSS】記憶よ、もう一度 - Part 11

Part 01

 【11】

 新学期が始まって最初の日曜日。昨日までの雨が嘘のように晴れ渡った青空の下、わたしとココアさんは駅へと向かう道を並んで歩いていました。

ココア「チノちゃんから2人で出かけようって誘ってくるのはめずらしいね」

 ああ、やっぱり不自然だと思われてしまっていたようです……。わたしは不安になってココアさんに尋ねました。

チノ「ダメだったでしょうか……」

ココア「ううん、嬉しいよ。姉妹水入らずってのもいいよね!」

チノ「ココアさんの妹になった覚えはないですが……」

 でもほっとしました。ココアさんが喜んでくれるなら妹でも良いかな、とすら思ってしまいます。

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