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歩くんですの箱 SS置き場

躍動感を表現するにはどうすればいいんだろう……と日々考え中。

【ごちうさSS】記憶よ、もう一度 - Part 08

Part 08

 【8】

 パァンッ。乾いた銃声が弾ける。わたしは、誰かの腕の中で縮こまっていた。

 視界がやけに狭い。それはなぜだろうと思ったけど、多分私をかばってくれている誰かの腕の隙間から景色を見ているからだろう。視界が赤く明滅する。サイレンをけたたましく鳴らしながら消防車やパトカーが何台も通過していく。

 ドカーン!

ココア「ひっ!?」

 ひときわ大きな爆発音。それと同時に、視線の先にある建物が真っ赤に燃え上がる。

??「大丈夫、大丈夫だよ」

 震えるわたしをなだめる声。わたしは、抱きとめてくれる腕にギュッとしがみつく。そうしている間にも、目の前にある建物はメラメラと燃え、焼けただれていく。

 その建物が灰になっていくのを見てわたしは嬉しいのだろうか。それとも悲しいのだろうか。それはわたしにも分からない。わたしは、ただただ誰かの腕の中で震えているだけ。

 わたしはその建物を知っている。決して好きな場所ではないけれど。辛い思いも沢山したような気がするけれど。
 
 ――それでも、あれはわたしの家だ。

 * * *

 朝起きたら、汗をびっしょりかいていた。体にまとわりつくパジャマが気持ち悪い。それに寒い。まあ当たり前だよね。冬の寒い朝に水をかぶったみたいに濡れた体でいたら冷えるにきまってる。

 こんなことになったのはどう考えてもあの夢のせいだ。ずいぶんとはっきりした夢だった。まるで、あの景色をかつて本当に見たことがあるんじゃないかってくらいに。

 それとも、本当に見たことがあったんだろうか。だとしたらどこで……?記憶をさかのぼってみる。初めて高校に行ったとき、初めてチノちゃんに会ったとき、この町に初めて来たとき……。いや、もっと前だ。ここに来る前は遠く離れた実家に暮らしていた。その実家はパン屋さんで、お母さんやお姉ちゃんの焼くパンはすっごくおいしかった。2人のお兄ちゃんは弁護士と科学者で、いまは都会に住んでいる。わたしはその2人のお兄ちゃんのことが好きだった。だから、当時のわたしの夢は弁護士だった。いまはもっといろんな職業に憧れるようになったけど。そんな家族に囲まれていたわたしは幸せだった。もちろん今は今でとっても幸せだけど。

 今朝の夢で見た場所は、そんな幸せな日常とはかけ離れたものだった。やっぱりあれは本当にただの夢で、わたしの記憶とはまったく関係ないものなのだろうか。

 さらに記憶をさかのぼる。中学校に通っていた頃のことは覚えてる。なら小学校の頃は?わたしは卒業式に行ったのだろうか。修学旅行は?……思い出せない。

 そして気づいた。

 ――わたしの記憶はどこかで途切れている。

 背筋が凍った。あの夢は、もう思い出せなくなってしまったわたしの過去なのかもしれない。

 けど、仮にあの夢がわたしの過去に関係のあるものだったとして、どうして今になってあんな夢を見たんだろう。それはきっと、昨日の晩に『生命倫理よりも経済を優先した国家―官僚たちの少子化問題に対する重大な誤認識―』を読んだからだ。あの本には、NPASS第一次計画の闇と破たんの軌跡が書かれていた。

 試作第一号機を対象に行われたAIの性能試験は心理学で行われる実験を参考に作られたものが主で、実験結果はAIの思考がいかに人間の思考に近いものとなっているかの指標とされた。これらの実験の中には、非人道的だとして現在の心理学の分野では禁止されているものも数多く含まれており、対象がAIだからこそ実施が認められていた。しかし、人間の人格を模擬して作られたAIは、もはや人間と何ら変わりない感情を持った一つの人格とは考えられないだろうか。もしそうだとすれば、これらの実験はもはや人権侵害に他ならない。

 このような批判は当時から存在していたが、次第に声高に叫ばれるようになった。この動きはやがて大々的なNPASS反対運動に発展し、毎週土曜に研究所の前でデモが行われるようになった。デモに参加する組織の中には過激派も存在し、銃火器や火炎瓶も使用されたことから研究所付近に国防軍が派遣されるまでに至った。ここまで運動が過激化した背景には、学生運動が盛んに行われる時代だったため闘争慣れした若者が多かったことが考えられる。研究所周辺は連日過激派と国防軍の闘争状態に陥り、ついに研究棟の一つが爆破される被害にまで至った。その後何とか過激派の鎮圧に成功するも、これ以上の研究の継続は困難と判断した政府は、一旦プロジェクトを畳むこととした。これがNPASS第一次計画の顛末である。

 研究所周辺での闘争がこれほど過激なものだったにも関わらず、マスメディアはこの事実をほとんど報道しなかった。これは極めて不自然であり、政府による圧力があったのは明らかである。しかし、この後NPASS第二次計画に平然と移行できたのはこの報道規制の効果が大きい。


 NPASSに反対するための闘争運動、これがわたしの記憶とかぶって、あの悪夢を呼び覚ましたのかも知れない。いや、それどころか、あの悪夢はNPASSの研究所が爆発する瞬間そのものなんじゃないか。わたしはNPASS反対の闘争運動を実際に見たことがある、そんな気がした。

 それを確かめるため、さらに先のページをめくる。NPASS第一次計画で作られた試作第一号機――コードネームCOCOA――がどんなものだったのかを確かめるために。

試作第一号機“COCOA”の概要
 COCOAは、外見としては中高生程度の女性の姿で設計された。高度な並列演算が可能な量子ゲートベースプロセッサを搭載し、バッテリ容量は夜中に一度充電すれば日中は充電することなく稼働し続けられるよう選定された。物理的な可動部にはサーボモータが採用された。

 バッテリは小型・軽量・大容量を兼ねる66 V, 80 Ahのリチウムイオン電池が搭載され、充電は夜中のスリープモード時に非接触給電で行うものとした。非接触給電は背中の裏側に取り付けられた直径20 cm程度の平面コイルを介して行われ、周波数としては国際標準に準ずるため130 kHzが採用された。給電側のコイルは最大1.2 kWの給電が可能なものとされた。通常の人間と同様に食事を摂ることも可能だが、こちらはエネルギー源とはなっていない。

 量子ビットによる高度な演算をフルに活用した人工知能(AI)のアルゴリズムは深層学習を基本とし、記憶媒体としては高速・低消費電力のスピントランジスタ採用SRAM(16 GB)と補助記憶装置としてSSD(200 GB)が用いられるなど、当時としては最新鋭の装備となった。AIの設計に当たっては対人機能が重視され、上司と部下の関係やベンダーとサプライヤー、さらには友達、恋人といった個人的なものに至るまで様々な社会的関係を築くことを可能とするのが目標とされた。ただし、試作機であるため暴走の危険があることから、特定の人物に全幅の信頼をおくといった過度に親密な関係が構成されたときは筐体が蓄積した記憶及び学習履歴が完全に消去されるプログラムが同時に搭載されていた。しかし、COCOAのAIが人間並みの感情を持つ知能であることを考えれば、本人の意思と無関係に記憶を奪うこの機能は人道的な見地からすれば極めて問題のあるものだと言わなければならない。


 わたしは、自分がいつも使っているベッドを見た。ベッドには枕元を照らすランプがついている。だから、そのベッドの下から一本のコードが伸びているからってぜんぜん疑問には思わなかった。だけどちゃんと確かめなきゃいけない。わたしはそのコードをたどってベッドの下を覗いた。コードは、ベッドの真ん中よりちょっと枕寄りにある箱に繋がっていた。ちょうど背中の下あたりだ。箱をさわってみる。少し温かい。電源が入っている証拠だ。箱にはラベルが貼られていた。

品名:非接触給電電源装置
入力:AC100 V(50/60 Hz) / 1600 VA
出力:1200 W
使用周波数:130 kHz

 そう書かれていた。たくさん書かれてる数字の方はよく分からない。だけど、品名だけでこれが何の装置なのかは分かる。

 すべてがつながった。夢の中で燃えていた建物も。わたしが昔のことを覚えていないのも。NPASS第一次計画で作られた試作第一号機のコードネームがわたしの名前と同じなのも。

 ――わたしがプロジェクトの試作機として作られたロボットなんだとしたら、ぜんぶ説明がつく。

 * * *

 すがすがしい朝でした。今のわたしは、もうNPASSのいいところをたくさん知っています。シャロさんを生み出したプロジェクトに堂々と賛成することが出来ます。むしろ反対派の人たちの中に理不尽な差別をしていた人たちがいる、そういう実態を知っています。メグさんはもちろん、ココアさんに千夜さんがいろいろと調べてくれた結果です。

 きっとリゼさんも分かってくれるでしょう。そうしたらシャロさんもまたわたしたちに心を開いてくれる。そして、リゼさんとシャロさんは今度こそ恋人同士になって幸せになることでしょう。

チノ「何度目の正直でしょうか……。これでやっと終わりますね」

 朝ごはんの席で、わたしはココアさんにほっとした気持ちを口にしました。

ココア「……」

チノ「ココアさん?」

ココア「……」

 あれ、返事がありません。まだ寝ぼけてるんでしょうか。

チノ「ココアさん!」

ココア「あ……チノちゃん?どうしたの……?」

チノ「ずっと声かけてたんですよ。寝ぼけて聞こえませんでしたか?」

 そう問いかけながら、わたしはココアさんがまったく食事に手をつけていないことに気が付きました。

チノ「どこか具合でも悪いんですか?」

ココア「あ……いやいや何でもないよ」

 わたしが尋ねるとココアさんは慌てたようにそう答えてトーストにかぶりつきました。ちょっと違和感はありますが、体調が悪いわけじゃないならそれ以上追及することもないでしょう。

 * * *

 納屋みたいに小さい部屋の隅っこで、わたし桐間シャロはたった一人でうずくまっていた。隙間風がひどいせいで外にいるのと変わらないくらい寒い。この隙間風を少しでもやり過ごすにはこうして隅っこにいるしかなかった。

 時間の進みが遅い。楽しい時間はあっという間に過ぎていくのに、こんな辛い時間に限っていつまでも終わりがない。

 いまのわたしにはもう何もない。もともと家にはお金なんて無かった。この町で出来た大切な大切な友達。それがわたしが持っていたもののすべてだった。だから絶対に失わないって決めたのに……それすらももう失ってしまった。

 最後に千夜がくれた電話にもっと好意的に答えていたら失わないで済んだんだろうか。差し伸べられた手を掴んでしまえば良かったのだろうか。

 ゆっくりと首を振る。

 わたしが万能細胞から生まれたからってみんながわたしを嫌ったりはしないことくらい本当は分かっていた。NPASSに賛成できないのとわたしを嫌うのは別問題だってことも。だけど、そのNPASSがなければわたしは生まれてこなかった。だから、みんなにはNPASSそのものを受け入れて欲しかった。

 とはいえ、友達にそこまで求めるのは贅沢過ぎるっていうのも分かっていた。だからこれで良かったのだ。

 もともとわたしは何も持っていなかった。昔住んでいた町を追い出されて、お父さんもお母さんも仕事を失くして、この町に引っ越してきて納屋同然の家に暮らすことになった。引っ越してくる前のことはほとんど覚えていないから、わたしが思い出せるのはだいたいここら辺からだ。何もないひもじい生活、それがわたしの最初の記憶だった。何も持っていなかったわたしが何かを手に入れて、またそれを失っただけのこと。あるべき形に収まっただけのことだ。

 万能細胞から生まれた、人とは違う生まれ方をした、それがすべて。孤独なのは当たり前なのだ。果たして、こんなわたしに生まれてくる意味なんてあったのだろうか……。本当は、わたしが一番NPASSというプロジェクトのことを嫌っているのかも知れない。

 ドンドン。

 戸口を叩く音がした。ただのセールスか、それとも公共料金のどれかを滞納でもしていただろうか。気乗りしないながらも、わたしはゆっくり玄関の方に向かった。

 * * *

リゼ「今日はやけに人が集まってるな。みんなしてどうしたんだ?」

 放課後のラビットハウスにはここで働いている3人だけでなく、千夜さんにマヤさんも来ていました。

チノ「わたしが呼んだんです。今日は皆さんにお話ししたいことがありますから」

リゼ「大事な話って……シャロのことか?」

 うなずくと、リゼさんは少し困ったように「やっぱり……」とつぶやきました。

リゼ「メグは?」

チノ「後から来ますよ」

リゼ「そうか……で、話っていうのは?」

 わたしは一度大きく息を吸い込み、それから皆さんに……特にリゼさんに聞いてもらわなければいけない大事な話を切り出しました。

 * * *

 戸口の前に立っていたのはメグちゃんだった。正直ちょっと意外だった。だけどわたしはもう一人なのだ。誰が来ても追い返すのは変わらない。

メグ「入ってもいいかな」

シャロ「何しに来たのよ。あなたと話すことなんて何もないわ」

メグ「わたしにはあるんだけど……」

 メグちゃんは少し困ったような顔をした。その表情を見るとつい追い返すのが可哀想になってくるけど、そのくらいで意思を曲げてるようじゃこれから先やっていけない。

シャロ「迷惑だわ。帰って」

メグ「うーん……じゃあ、わたしがこれからどんな話をしようとしてるかを当てられたら帰ってあげる。どうかな?」

 そう来たか……。この娘、意外と骨がある。

シャロ「分かったわ。じゃあビシッと言い当ててあげる」

 わたしは一息ついてから言った。

シャロ「わたしが万能細胞から生まれたことなんて気にしない、って言うつもりだったんでしょ?千夜も同じこと言ってたわ」

メグ「うーん、30点くらいかな?だって、わたしはシャロさんの全部を受け入れたいって思ってるから」

シャロ「なっ!?それってどういう……」

メグ「シャロさんは、自分のことだけじゃなくてNPASSそのものを受け入れて欲しいと思ってる。それが何でなのかもわたしには分かる」

シャロ「……どういうことよ」

メグ「シャロさんがNPASSの工場で生まれた子どもなんだとしてもそれ自体は気にしない。だけどNPASS自体には反対。そういう欺瞞が許せなかったんだよね。だって、NPASSが無かったらシャロさんは生まれてすらいない。NPASSに反対されるのって、シャロさんにとっては生みの親を否定されるのと同じことだから」

 わたしは息を飲んだ。メグちゃんはわたしの心情をずばりと言い当ててみせたのだ。

メグ「NPASSとシャロさんの関係を切り離して考えることなんて出来ない。だからNPASSそのものだって受け入れる。それが『全部を受け入れる』って言った意味」

シャロ「そう……なんだ……」

 正直どう反応していいのか分からない。嬉しいといえば嬉しいけれど、それ以上に困惑する気持ちが強かった。

メグ「わたしはね、もともとNPASSには賛成だった。だけど他のみんなはそうじゃなかったから……特にリゼさんはお父さんの影響もあって反対運動までやってた。だからね、みんながNPASSのことをもっとちゃんと知って、理解してくれなきゃシャロさんをもう一度みんなの輪の中に迎え入れることなんて出来ない」

シャロ「そうよ。わたしはもうあの輪の中に戻るつもりは無い」

メグ「事情が変わったの。だからわたしは今シャロさんの目の前にいる」

シャロ「……どういうことよ」

 完全に相手にペースをつかまれてる。そう分かっていながらも、わたしは続きを促した。

メグ「それは自分の目で確かめて欲しいな。いまからラビットハウスまで一緒に来てくれる?」

 その言葉に、わたしはつい首を縦に振ってしまっていた。

 * * *

チノ「わたしたち、NPASSについていろいろ調べました。そして、それが実はとても素晴らしいものだと知りました」

チノ「NPASSの良いところは主に3つです」

チノ「1つ目は――これは言うまでもないことですが――少子化対策です」

チノ「2つ目は、遺伝子操作を使って生まれてくる子どもたちがどんな子になるのかをある程度決められるかも知れないってところです。そんなことするのはひどいっていう意見もありますが、人間の命を思うままにするっていうのが医学なんです。なにも万能細胞技術に限ったことではありません」

チノ「そして3つめは――」

 わたしはそこで一度言葉を切り、その場にいる皆さんの顔を見回しました。全員が真剣な表情でわたしを見つめていました。

チノ「これが一番大事なところだと思うのですが――いろいろな生き方が認められる社会になる、ということです。結婚して子どもを産む必要がないので、結婚する人が減っても誰も困りません。同性同士の結婚だってオッケーです。子どもを欲しくても産めない人だっているのです。そういう人たちも万能細胞によって生まれた子どもたちを家庭に迎え入れることが出来ます」

 リゼさんがはっと息を飲んだのが分かりました。わたしはきちんと役目を果たせたのだと確信しました。

チノ「例え万能細胞から生まれたんだとしても、同じ人間であることに変わりはありません。だから何も抵抗感を持つことなんてない……そう思います」

 わたしは最後にそう結びました。リゼさんは黙ったまま何かを考えているようでした。千夜さんは、わたしの言葉を継いで言いました。

千夜「世の中にはNPASSで生まれた子ども達を迫害するような犯罪も起きてるわ。わたしが調べただけでもたくさん出てきた。これは、NPASSに対する偏見がそれだけ浸透してるってことでもある。リゼちゃんがやっている活動はそういうのとは違うと思うけど……それでも、NPASSに反対する声に苦しんでる人たちだっている。きっとシャロちゃんも……」

 しばしの沈黙の後、リゼさんは全員の顔を見回し、一つ大きくうなずいてから言いました。

リゼ「そっか……。みんなそこまで真剣にNPASSについて調べてくれてたんだな……。自分が恥ずかしいよ。私は今まで、ただ親父の影響を受けただけで深く考えもせずにNPASSに反対していた」

 その言葉の後、リゼさんはシュンとしたように俯きました。そんなリゼさんをかばうように優しく抱きしめて、ココアさんは言いました。

ココア「そんなに落ち込まなくても良いんだよ。リゼちゃんだってちゃんと信念を持ってやってきたんだから」

リゼ「ああ。でも、私自身はあんまりよく考えてなかったのは事実だ。それは反省しないとな……」

千夜「偉いわ、リゼちゃん」

リゼ「もうNPASSの反対はやめにするよ。シャロのためだけじゃない……みんなのおかげでそれが正しいって本気で思えたんだ」

 リゼさんの表情は晴れやかでした。今までずっと反対してきたものを受け入れる、それは決して簡単なことではないはずです。なのに、リゼさんは何でもないことのようにその道を選んだのでした。

リゼ「だけど、やっぱりこれだけはどうしても納得できない……遺伝子操作で思い通りの子どもを作ろうとするのはちょっとやりすぎじゃないか?」

千夜「そうね、それはわたしもそう思うわ。でも、そういう悪いところはこれから一つ一つ直していけば良いんじゃないかしら。そうしたら、NPASSは本当に良いものになるわ」

リゼ「ああ、千夜の言う通りだ。全部を否定するんじゃなくて、良いところは良いって認めて、悪いところはきちんと直していく。そういうのが正しいやり方だよな」

 リゼさんはNPASSを受け入れてくれました。これでやっとわたしたちはシャロさんを迎え入れることが出来ます。

 カランカラン。

 お店のドアが開く音がしました。それは、シャロさんがわたしたちの元に帰って来るその瞬間を知らせる音でした。

Part 09に続く

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