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歩くんですの箱 SS置き場

躍動感を表現するにはどうすればいいんだろう……と日々考え中。

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【ごちうさSS】記憶よ、もう一度 - Part 21(最終回)

Part 21


 【21】

 眠っているココアさんの周りをみんなで取り囲んでいる光景は、さながらお通夜のようでした。むしろ、今の状況を表すのにこれほど的確な言葉は無いのではないかとさえ思えました。ココアさんはもう二度と記憶を取り戻せないかも知れない、いや、それどころか目を覚ますことさえできないかも知れないのです。

 どんよりと沈んだ空気に包まれた居間にはやや似つかわしくない威勢の良さで、モカさんが入って来ました。

モカ「調子はどう!?……って、あれ?」

ココア兄「ああ、失敗だ」

 ココアさんのお兄さんはモカさんに経緯を説明しました。モカさんはしばらく考え込んでから

モカ「その足りない感情ってのは分からないけど、ココアがその感情を持つことが出来るように働きかけたらいいのよね?」

と言いました。

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【ごちうさSS】記憶よ、もう一度 - Part 20

Part 20


 【20】

COCOA Artificial Intelligence Engine Start Up...

 ぼやけた景色。それがだんだんとはっきりとした輪郭を得ていく。わたしの初めての記憶。

 目の前に何かがある。見えているものをクオリアとして取り込む。辞書からクオリアに一致する概念を検索。
 一致。対応付け完了。

 鼻、目、口……。

 再び検索。一致。対応付け完了。ああ、これは人の顔だ。誰かがわたしをのぞき込んでいる。

「ココアさん!わたしですよ。チノ、チノです!あはは……そんなにじっと見られると恥ずかしいですよ」

 声を認識。辞書に登録されていない語彙「チノ」を対象の人名と認識。画像情報と合わせて記録。「恥ずかしい」対応するクオリア情報なし。

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【ごちうさSS】記憶よ、もう一度 - Part 19

昨日公開分(Part 18)の公開が時間よりだいぶ遅れてしまったので、もし見逃していたら先にそちらをご覧ください。

Part 19


 【19】

 さっきまでの大雨が嘘のように晴れ渡った青空の下、わたし達は急ぎ足でココアさんの元へと向かいました。雨上がりのぬかるんだ道路は太陽の光を浴びてきらきらと輝いています。

保登「きっと、今のココアは君たちに会ったらすぐに記憶を失ってしまうだろう。覚悟しておいて欲しい」

 ココアさんのお兄さんは速足で歩くわたし達を諫めるように言いました。まもなくわたし達は小ぢんまりとした二階建てのアパートの前に着きました。

保登「狭いところで申し訳ないね」

 そう言いながら、保登さんは入り口付近の一番手前にある部屋の鍵を開けてわたし達に入るように促しました。

「「おじゃまします」」

 一同あいさつしながら部屋に入ると、奥の方から物音が聞こえました。誰かが出てきたようです。

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【ごちうさSS】記憶よ、もう一度 - Part 18

更新が遅れたことをお詫び申し上げます<m(__)m>

Part 18

 【18】

リゼ「で、実際どうしたら良いんだろうな?ココアの記憶を戻すには」

 町に向かう電車の中でリゼさんは言いました。

チノ「それは何とも……何にせよ保登さんの協力を得る必要はあると思います。まずはココアさんに会って、それからココアさんをご実家の方に連れていきましょう」

リゼ「確かに。研究所でココアのメンテナンスをやってた保登さんのアドバイスは必要だよな」

メグ「いろいろお話を聞けばいいアイデアが浮かぶかも」

 住宅地に少しずつ高い建物が混じり、やがてお城のように何本も突き立った高層ビルの群れが見えてきました。

マヤ「わあ、摩天楼だぁ!」

シャロ「都会ってすごいところね……」

 見慣れない都会の景色に感嘆の声が沸き起こります。まもなく列車はゆるやかに速度を落とし、巨大ターミナルのホームへと進入していきました。

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【ごちうさSS】記憶よ、もう一度 - Part 17

Part 17

 【17】

 ココアさんの居場所を聞いたわたしたちは、いそいそと天々座氏の家を後にしました。ココアさんは兄が勤める弁護士事務所で事務員をやっているとのことでした。弁護士事務所がある都会の町まではこの町から特急列車で1時間もあれば着くとのことだったのですぐに向かうことにしました。

 急ぎ足で川沿いの道を歩いていると、向こうから何やら言い争う声が聞こえてきました。

「早まらないで!どうか踏みとどまって」

「放して!あんたには関係ない!」

 近づいてみると、女の子が欄干から身を乗り出してじたばたしていました。その女の子の背後には女性が立っていて、胴体に両腕を回して必死にその子にしがみついています。どうも女性は川に飛び降りようとする女の子を必死で止めようとしているようでした。ですが、女性が腕の力を強くすればするほど女の子は激しく抵抗しています。

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