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歩くんですの箱 SS置き場

躍動感を表現するにはどうすればいいんだろう……と日々考え中。

【ごちうさSS】記憶よ、もう一度 - Part 13

Part 13

 【13】

 父は、新聞を読むときどの面もじっくり読み込む人でした。そうでなければこの記事自体見つけることは難しかったでしょう。問題の記事は今朝届いた新聞の社会面の片隅にひっそりと載っていました。

「NPASS研究所で研究不正、遺伝子制御技術に関する論文取り下げ」

 記事を読んだ父は

タカヒロ「だからNPASSは駄目なんだ」

と声に出して呟くほど息巻いていました。わたしも気になって、父が読み終わった後その記事を読んでみました。その記事によると、万能細胞を作る過程で遺伝子に制御を加えることで、生まれてくる子どもの性格や能力などを制御することを目指した研究が最近活発になってきていて、中でもNPASS研究所は有力な学術誌に数多くの論文を発表しているとのことでした。しかし、その論文の一部に改ざんなどの不正があったというのです。記事は『成果は本当に上がっていたのか疑いがもたれる』と結んでいました。

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【ごちうさSS】記憶よ、もう一度 - Part 12

Part 12

 【12】

 その後のことはよく覚えていません。いつの間にかわたしは家に戻っていました。教会での出来事は夢だったんじゃないか、そんな風に思いました。でも、ココアさんがいないという事実が否応なくわたしに現実を突きつけました。

 捜索願は、その日のうちに父が出してくれました。

 ココアさんが最後に発した言葉が頭から離れませんでした。

ココア「――チノちゃん、ごめん」

 ココアさんはいったい何を謝っていたのでしょう。わたしの告白を受け入れなかったことでしょうか。それともわたしの前から姿を消してしまったことでしょうか。いずれにしてもココアさんは、謝罪の言葉だけを残して自分の意志で姿を消したのです。

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【ごちうさSS】記憶よ、もう一度 - Part 11

Part 01

 【11】

 新学期が始まって最初の日曜日。昨日までの雨が嘘のように晴れ渡った青空の下、わたしとココアさんは駅へと向かう道を並んで歩いていました。

ココア「チノちゃんから2人で出かけようって誘ってくるのはめずらしいね」

 ああ、やっぱり不自然だと思われてしまっていたようです……。わたしは不安になってココアさんに尋ねました。

チノ「ダメだったでしょうか……」

ココア「ううん、嬉しいよ。姉妹水入らずってのもいいよね!」

チノ「ココアさんの妹になった覚えはないですが……」

 でもほっとしました。ココアさんが喜んでくれるなら妹でも良いかな、とすら思ってしまいます。

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【ごちうさSS】記憶よ、もう一度 - Part 10

Part 10

 【10】

 季節は移り変わり、わたしの中学校生活もあと1年になりました。わたしは、マヤさん、メグさんと桜の花びらが舞う通学路を歩いていました。

マヤ「なんか実感わかないよなー」

 マヤさんがそんなことを言い出しました。今日は始業式。午前遅い時間の道路は人がまばらで、歩いているのはわたしの学校の人たちだけでした。そんな通学路に舞う桜吹雪は、まるでわたしたちの新生活を祝福しているかのようでした。

メグ「中学校最後の一年なんだから自覚をもってしっかりしなさい、なんて言われてもあんまりよくわかんないよね」

マヤ「そうだよなー」

 そんなことを言いながら、マヤさんは植木の葉っぱを1枚ちぎって口にくわえ、ピーと音を鳴らしました。

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【ごちうさSS】記憶よ、もう一度 - Part 09

Part 09

 【9】

千夜「それでどうなの?キスはもうしたのかしら?」

リゼ「キ、キス!?」

シャロ「キス……しぇんぱいとキスなんて……」

 慌てて手に持ったコーヒーカップを落としそうになるリゼさんと真っ赤になって俯くシャロさん。そんな2人をほほえましく見守るわたし達。ここ最近はずっとそんな構図が続いていました。

 すれ違いが始まったあのバレンタインから1か月。シャロさんは無事わたしたちのところに戻ってきて、こうしてまた当たり前のようにわたしたちと一緒にいることが出来るようになりました。今ではシャロさんとリゼさんはもう恋人同士です。告白はリゼさんの方からしたと聞きました。

 ですが……2人の様子に皆さん少しあきれている様子です。

マヤ「まだしてないのー!?もう1か月も経つのに」

リゼ「そ、それは……」

ココア「手は繋いだんだよね?」

リゼ「とっ、当然だ。馬鹿にしすぎだぞ!」

シャロ「昨日のデートでわたしからお願いして……先輩の手、あったかかったぁ」

千夜「それも昨日が初めてだったの!?」

メグ「これじゃあ、キスまでたどり着くのに何か月かかるか分かんないね……」

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